2011年3月6日 21時2分 更新:3月7日 1時43分
専業主婦の年金切り替え漏れ救済問題で、枝野幸男官房長官と細川律夫厚生労働相、片山善博総務相は6日、首相官邸で対応を協議し、1月から実施している救済制度「運用3号」を廃止し、法改正によって新たな救済措置を実施することで合意した。細川厚労相は協議後「公平性の確保とモラルハザードの防止の両面から検討し、抜本的改善策が求められている。国会を通じた幅広い議論が望ましい」と記者団に述べた。
新たな救済策について政府は、切り替え漏れの期間を公的年金の加入期間に算入することで25年の年金受給資格が得られたとみなす一方、給付額には反映させないとの案を軸に検討する。年金額を増やしたい希望者には、過去の保険料納付期限(2年間)を届け出漏れ時点までさかのぼって納付することを認める。厚労省の年金記録回復委員会や総務省の年金業務監視委員会の議論も踏まえ、早期決定を目指す。
厚労省によれば、1月30日現在で運用3号の申請者は2331人。政府は2月24日に運用3号による救済を一時停止しているが、同省幹部によると、同日までの申請者は5000人以上に上るとみられる。政府は今月15日に493人に年金を支給することが決まっており、これらの人々に対する年金の返還は求めない方針だ。
運用3号は、会社員の妻ら国民年金の第3号被保険者が、夫の退職などで3号の資格を失った後も届け出をせず、保険料を納めてこなかったことに対する救済策。厚労省の課長による通知で今年1月から実施したが、正しく届け出て保険料を納めてきた人との間で不公平が生じることや、法改正を伴わない課長通知で救済策を実施したことが問題視されていた。【山田夢留、鈴木直】