中国:「ジャスミン革命」集会封じ込め 日本の記者連行も

2011年3月6日 20時50分 更新:3月6日 22時22分

 【北京・鈴木玲子、成沢健一、上海・米村耕一】中国の政治改革を求める「中国ジャスミン革命」集会の開催が6日も呼びかけられ、当局は北京や上海など各都市で大量の警官を動員して厳戒態勢を敷いた。毎週日曜日の集会呼びかけは、これで3回目。今回は国会にあたる第11期全国人民代表大会(全人代)第4回会議が北京で開催中で、当局は封じ込めを徹底した。上海では現場周辺にいた日本メディア8社の記者8人と欧州メディアの記者らが警察署に連行され、約1時間半の事情聴取を受けるなど海外メディアに対する厳しい取材規制が目立った。

 対象は中国本土の38都市に及び、北京や上海など100カ所以上の大学にも民主化の行動を起こすようインターネット上で呼びかけられていた。

 北京では繁華街の王府井や西単など少なくとも10カ所が集合地点に指定された。新たに指定された西単では、当局が広場一帯に金属製フェンスを設置して封鎖した。通り一帯に警察車両が配備され、制服警官が外国人に相次いで職務質問した。

 香港メディアによると王府井では中年男性1人が当局に拘束された。また、北京大学に近い中関村など集合場所2カ所の地下鉄駅で開始指定時間をはさむ2時間、列車の停車を取りやめた。

 上海では集合場所の映画館付近で警官ら数百人が警戒。映画館は臨時休業した。地下鉄出口も封鎖された。前回の先月27日も来たという若者は「中国にはもっと自由が必要だという思いで来た。来週も来たいが、そろそろ(当局者に)顔を覚えられたので呼び出しを受けるかもしれない」と不安げに話した。

 北京市当局はデモ開始時間に合わせて記者会見を設定。王恵・新聞弁公室主任は「下心を持つ者が中国を混乱させようとしているが、人々は安定を求めており、中東のような事態にはならない」と強調した。一方で、「取材は関係部門の許可を得なければならない」と述べ、海外メディアの取材に対する規制を正当化した。

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