リビア:政府軍が西部アズザウィーヤへ猛攻 激しい戦闘に

2011年3月5日 21時38分 更新:3月6日 0時44分

 【カイロ大前仁】リビアの最高指導者カダフィ大佐を支持する政府軍は5日、反政府勢力が掌握する西部アズザウィーヤに猛攻を仕掛け、激しい戦闘に発展した。政府軍はいったん撃退されたが、布陣を直して再進攻。町を包囲し、中心部めがけて戦車などが攻撃した。アズザウィーヤは大佐の牙城・首都トリポリを死守するうえでの要の町で、双方の激しいせめぎ合いが続いている。

 地元住民の話などによると、政府軍は5日早朝からアズザウィーヤの攻略を開始。戦車など多数が進攻し、反政府勢力の防衛ラインを突破した。リビア国営テレビは一時、政府軍が町を奪還したと伝えたが、反政府勢力は迎撃して激しく抵抗、最終的に撤退させたという。中東の衛星テレビ・アルアラビーヤは反政府勢力約70人が死亡したと報じた。

 しかし、政府軍はその後、再びアズザウィーヤに向かって進攻。町を包囲するとともに、市中心部から約3キロ付近の幹線道路に多数の検問所を設置して、外部からのアクセスを遮断した。さらに戦車などが攻勢を強めた。

 地元住民はロイター通信に「完全に封鎖されている」「政府軍は戦車を投入し、迫撃弾も撃ち込んでいる」などと語った。

 アズザウィーヤは激しい攻防の末、2月27日に反政府勢力の手に落ちたが、政府軍は奪還を目指して攻撃を繰り返してきた。トリポリの西約50キロに位置し、政府軍にとっては「首都死守」のための戦略拠点となる。

 AFP通信によると、リビア当局者は4日、騒乱の現状について「西部は完全に政府の統制下にあるが、東部は『問題』だ」との認識を示した。一方、東部で結成された反政府勢力の政治組織「国民評議会」の中核を担うアブドルジャリル前法相は「生きるか死ぬか。全土を解放するまで戦い続ける」と徹底抗戦を呼び掛けた。

 米国防総省は4日、リビアからの避難民を支援するため、チュニジアに毛布や防水布、水などを積んだC130輸送機2機を派遣したと発表した。

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