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【大リーグ】

松井、2年ぶりサヨナラ弾 本拠地初アーチ さあ5月反攻だ

2011年5月4日 紙面から

延長10回、サヨナラ本塁打を放ちナインに迎えられる松井(55)(共同)

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 【オークランド=穐村賢】待望の本拠地初アーチは2年ぶりのサヨナラ弾だ!! アスレチックスの松井秀喜外野手は2日、レンジャーズ戦に「5番指名打者」で出場。10回の第5打席に右翼席へ運ぶサヨナラアーチを描き、首位レンジャーズを撃破した。これで日米通算500号本塁打まであと「4」。チームも昨季のリーグ覇者レ軍に3勝1敗と勝ち越して貯金を1とし、松井を軸に5月反攻の開始だ。

 満面の笑みを浮かべ、本塁にできた歓喜の輪に飛び込んでいく。待っていたのはチームメートの手荒い祝福。痛い、いや痛くない。松井がサヨナラ弾の味に存分に酔いしれた瞬間だ。

 「勝ってチームメートが喜んでくれるのはうれしい」。松井は興奮冷めやらぬ様子で甲高い声を張り上げた。まさに主砲としての面目躍如。背番号55が乾いた打球音を本拠地に響かせたのは延長10回の第5打席だ。

 「甘いタマだけを狙った。何度も対戦しているんで、球筋は頭に入っていた」。左腕オリバーの初球、内角寄りの88マイル(約142キロ)の直球を一刀両断。右翼手モアランドは数歩動いて打球を見送るしかない。今季3号は09年7月20日のオリオールズ戦以来、メジャー3本目となるサヨナラ弾だ。ア軍ファンもこの瞬間を待ちわびていた。本拠地13試合目にして飛び出した待望の地元初アーチ。松井は三塁ベースを回ると1本目と言わんばかりに、人さし指を立てて喜びを表現した。

 「本来なら遅いんでしょうけど、最高の場面でサヨナラホームランが打ててうれしい」。同時にこの一発で、張本勲氏に並ぶ3位相当の日米通算996長打。前日の日米通算1500得点に続き、また新たな金字塔を打ち立てた。

 そんな松井には頼もしい援軍も加わった。レ軍4連戦から現れた左腕打撃投手の“新戦力”だ。これが即効し、チームは先発左腕相手に3戦3勝。苦手とした左腕攻略に成功した。その左腕打撃投手デルザーは「チームの助けになりたい。松井にも投げるのが楽しみだ」と本塁打量産をアシストする構えだ。

 主砲の値千金の一撃で首位レンジャーズとは1ゲーム差に最接近。「チームの力になるということを考えている。打ったからといって安心することはない」。松井は最後にそう語気を強めた。さあ、5月反攻へ−。緑のゴジラがア軍を一気に上昇気流に乗せていく。

◆ゲレン監督絶賛「打撃音にぞくぞくした」

 松井のサヨナラ弾でアスレチックスはレンジャーズ4連戦を3勝1敗と勝ち越し、これで同率地区首位のレンジャーズとエンゼルスに1ゲーム差と肉薄した。

 周囲からは、劇的アーチへの称賛が相次いだ。ゲレン監督は「打撃音がすごかった。ぞくぞくしたよ。彼には去年まで何度も痛い目にあってきたからね。ベンチが今季一番盛り上がった。天井に頭をぶつけないか、心配したよ」と興奮冷めやらぬ様子。同僚のラローシュは「打った瞬間にサヨナラだと分かった。ヒデキがあんなに興奮しているのは初めて見たよ。普段は黙々と仕事をこなすタイプだからね」と満面の笑みだった。

 最も興奮していたのは、春先から松井への尊敬の念を公言してはばからない日系4世のカート・スズキ捕手だ。「あれほどグレートな選手でグレートな同僚が、あんなサヨナラ弾を打つなんて、本当にグレートだ」と“グレート”を連発。「真にグレートな人間に、ホームでようやくあんな一発が出たのを見られて最高だった」と激賞が止まらなかった。 (スーザン・スラッサー=サンフランシスコクロニクル紙記者)

◆松井 一問一答

 −本拠地初アーチとなった

 松井「本来なら遅いんでしょうけど、最高の場面で打てたことはうれしい。それがサヨナラホームランだったというのもね」

 −首位レンジャーズ相手のカードを自身の本塁打で勝てたことは?

 「チームとしては大事な勝利だった。これからライバルチームになっていくわけだから、そういう意味では大きな勝利。自分のホームランで勝てたということより、今後の勝利につながっていくようになれば」

 −今日は初めて観客の数が1万人を割ってしまったが

 「お客さんが少なくてもプレーに影響はない。試合に集中するだけですから。今日の勝利でお客さんが100人くらい増えることを期待しています(笑)」

 −チーム状態に関しては?

 「5割を行ったり来たりですけど、上にそんなに離されてない。これからしっかり一つずつ勝利を積み重ねていけば大きなチャンスがくると思う。とりあえずこの1カ月の戦いを反省しながら次に進んでいきたい」

 −試合後のヒーローインタビューで、日本にいいニュースを届けたいと話していたが

 「そういう気持ちは常に持ってるつもりだし、今日のようなプレーで少しでも元気を届けられたらうれしいし、喜んでくださる被災された方に届いてくれたら…」

 −アスレチックスのユニホームを着た選手が出迎えてくれたことに違和感は?

 「違和感はないよ。自分自身がアスレチックスの一員だという気持ちだから。まあ、勝って良かったかなと、帰れるなっという気持ちですかね(笑)」

 ◇松井のサヨナラ劇 メジャーでは通算6度目(ポストシーズン1度)。内訳は本塁打が3本、ヒットが3本。ポストシーズンでは犠飛。ちなみにイチローは通算5度(ヒット4本、押し出し四球1度)。

 

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