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中国に届かぬ調味料、日本用食品ピンチ 放射能証明が壁(1/2ページ)

2011年5月4日5時3分

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 東京電力福島第一原子力発電所の事故で中国政府が放射性物質の検査書類を求めるようになり、日本で生産された調味料などの食品が中国に輸出しにくくなっている。中国では日本向け食品がつくられており、隠し味は日本の調味料。食品会社は日中両政府に一刻も早い解決を求めている。

 ホワイトフーズ(香川県綾川町)は、広東省珠海市の工場で油揚げなどの大豆製品や納豆をつくっている。同社によると、4月13、20日に、しょうゆ、うまみ調味料などを積んだ船が神戸港を出て、それぞれ10日ほどで珠海に到着したが、現地の港の倉庫に留め置かれているという。

 中国政府は4月8日、東京、福島、千葉など12都県産の食品の禁輸を決めるとともに、ほかの地域産でも輸入にあたって「異常なし」を示す日本政府の証明書などの添付を求める規制を始めた。突然の規制で日本政府に証明書の用意がなく、それ以降、日本から震災以降に生産した食品をほぼ輸出できなくなった。

 ホワイトフーズは日本で放射性物質の検査を受けた後、地元の商工会議所などのサインで代替した書類を添えて出荷した。ところが、中国側が「日本政府」にこだわり、拒絶している状況だ。

 同社の珠海工場はカップ麺やレトルト食品の具材になる「味付き乾燥油揚げ」や「おこげ」などをつくり、日本の大手食品会社向けに輸出している。味の決め手となるしょうゆなどの調味料は日本産だ。中国内でも人気が出てきた納豆の場合、大豆は現地調達し、たれ、からしの小袋は日本から輸入する。

 西尾拓社長は「在庫がなくなれば生産できなくなる。食品会社は中小企業が多く、検査に加えて代替品を探すとなると費用もかさむ」と訴える。日本で調合したスパイスが届かず、困っている会社もあるという。

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