2011年5月3日21時49分
東京電力は3日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋内の空気中の放射性物質を減らす換気装置を設置した。原子炉を安定した状態で止めるために、作業員が入れるようにする準備だ。放射性物質が外に漏れないようにするための小部屋も5日までに完成させ、数日間動かして換気し、作業ができるよう放射線量を下げる。
換気装置は、タービン建屋側に設置した。原子炉建屋の空気を吸い込み、放射性物質を含むちりやほこりをフィルター吸着させる。
小部屋は「正圧ハウス」と呼ばれ、放射性物質を含む原子炉建屋の空気が外に漏れないようにこのハウスに空気を入れて気圧を高くしておく。ハウスは鉄骨でベニヤ板で仕切る構造で、簡単に組み立てられる。
5日には、作業員が空気ボンベを着けて原子炉建屋内に入り、換気用の管を設置する。
2号機も換気装置の設計を始めている。2号機の原子炉建屋内は湿度90%を超えているため、湿度を下げる工夫をした装置にする計画だ。
一方、東電は福島第一原発で働いていた女性社員が基準を超える放射線を浴びたことを受け、再発防止策を2日に経済産業省原子力安全・保安院に提出した。東電は、発電所で女性を働かせないようにし、空気の浄化装置も入れた。作業拠点の免震重要棟にいる時間も一定の被曝(ひばく)があるとして、積算の放射線被曝量に加えることにした。