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'11/4/15

関電、海水注入をマニュアルに明記

 福島第1原発事故を受け、関西電力は冷却用の淡水がなくなる緊急事態が起きた場合、各原発所長の判断で系統内に海水を注いで冷却すると対応手順書に明記した。同社が14日、経済産業省に報告した緊急安全対策に盛り込んだ。

 通常、原子炉や使用済み燃料プールの冷却には淡水が使われ、海水を注ぐと設備が激しく傷む。同省原子力安全・保安院によると、緊急時の海水使用を定めた原発事業者は極めて珍しい。緊急安全対策を報告した原発事業者は関電が初めてという。

 同省は3月末、電源を失い冷却機能が働かなくなった場合でも、燃料損傷を防ぐ対策を取るよう各事業者に指示。関電は「現場で速やかに対応できるよう、海水注入の責任を所長が持つと明確に定めた」としている。

 関電は報告に、電源喪失時でも中央制御室などに給電できるよう電源車を配置し、訓練を実施したことも盛り込んだ。保安院が近く立ち入り検査し、内容を確認する。



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