2日の東京株式市場は、前週末の米株高に加え、国際テロ組織アルカイダの最高指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者死亡の発表が相場を押し上げ、全面高の展開となった。日経平均株価の終値は、3連休をはさんだ4月28日終値比154円46銭高の1万4円20銭と東日本大震災が発生した3月11日以来、約1カ月半ぶりに1万円の大台を回復した。ただ、大震災の影響や円高基調など懸念材料も多く、先行きには慎重な見方が支配的だ。
米企業の好調な決算を背景にした米株高を受け、2日の東京市場も午前から買いが先行。同容疑者死亡が伝わると「テロ懸念が後退し、海外投資家が株式に投資しやすくなる」との思惑から午後の取引開始直後に2日の最高値となる1万17円47銭をつけた。幅広い銘柄に買いが入り東証1部全体の約8割の銘柄が値上がりした。
ただ、震災の影響で企業の11年3月期決算発表では「部品調達や電力不足など不確定要素が多い」(富士通の山本正已社長)と12年3月期の業績予想を公表しないケースが続出しており、投資家が株を買い進みにくい情勢だ。【弘田恭子】
毎日新聞 2011年5月3日 東京朝刊