東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡って、原子力政策を所管する経済産業省の幹部が電力会社に再就職している実態に批判が高まっている問題で、経済産業省は、電力会社などの役員や顧問に再就職した元職員の数は、過去50年間で合わせて68人とする調査結果を明らかにしました。
この問題について経済産業省は、東京電力や関西電力など電力会社10社と、電源開発と日本原子力発電の合わせて12社について、幹部職員の再就職の実態を調査しました。その結果、過去50年間にこの12社の役員や顧問に就任した元職員の数は、合わせて68人とする調査結果を明らかにしました。このうち資源エネルギー庁長官を最後に退官したあとに、電力会社などに再就職したのは、先月4月東京電力の顧問を一身上の都合を理由に退職した石田徹氏など3人となっています。一方、再就職後、現在も電力会社などの役員や顧問に就いているのは13人としています。電力会社などへの再就職に対する批判が高まるなか、経済産業省は、事務次官などの幹部職員のほか、資源エネルギー庁や原子力安全・保安院で、部長や審議官以上の役職に就いた経歴がある職員は、電力会社への再就職を自粛するよう促しています。