没落する統一グループ、財界70位以下に後退
しかし、1998年の通貨危機の際、統一重工業(自動車部品・機械)、韓国チタニウム、イルソン綜合建設、一信石材という主力企業4社が相次いで不渡りを出し、グループ経営は下り坂に向かった。統一重工業、韓国チタニウムなどは法定管理(会社更生手続き)を経て、2003年に売却された。
統一グループの経営規模拡大がストップしたことは、数字からも分かる。金融監督院と統一グループによると、2010年時点で統一グループ系列14社の総資産は1兆8600億ウォン(約1410億円)、売上高は5400億ウォン(約410億円)で、財界では70-80位圏だ。
05年には系列企業32社で総資産が1兆3000億ウォン(約990億円)、売上高6200億ウォン(約470億円)だったことから、2000年代に入ってからは成長が止まったことが読み取れる。
しかし、営業利益は2005年の320億ウォン(約24億円)の赤字から昨年は46億ウォン(約3億5000万円)の黒字に転換した。グループ関係者は「赤字企業など不採算企業を売却、清算することで系列企業を減らした」と説明した。現在、統一グループの主力企業は、竜平リゾートなどリゾート会社だ。竜平リゾートの昨年の業績は売上高1152億ウォン(約88億円)、営業利益21億ウォン(約1億6000万円)だった。
別の系列会社、イルサン海洋産業は全羅南道麗水市にホテル、ゴルフ場などの海洋リゾートを建設している。
このほか、ソンウォン建設、一和、統一スポーツ(プロサッカーの城南一和を経営)、ピョンイル企画(放送映像制作)、世界日報(新聞)などがある。
統一グループの大株主は、世界基督教統一神霊教会維持財団だ。文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁の四男、文国進(ムン・グクチン)氏が2005年から財団理事長を努めている。文理事長はグループで一般の大企業の会長に当たる役割を果たしている。社員の約30%が統一教会信者で構成されている。
今後の統一グループの経営見通しについては見方が分かれる。同グループ関係者は「リストラを進めた結果、1-2社を除けば、系列企業が黒字に転換するなど基盤を固めている」と説明した。
しかし、財界関係者は「リゾート事業で大きな収益を上げるのは難しい。新たに合併・買収を進めなければ、グループの成長は困難だ」との見方を示した。
扈景業(ホ・ギョンオプ)記者