公共機関の借入、現政権の3年間に150%増
韓国土地住宅公社が最も多く14兆ウォン、続いて韓国電力と石油公社
4大河川開発を行う水資源公社は4兆ウォン
公共機関の借入額が3年間に150%近く増加し、昨年はついに70兆ウォン(約5300億円)の大台を突破した。例えば韓国土地住宅公社(LH公社)や水資源公社などは、住宅や4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)開発などの国策事業を推進する過程で財源が足りなくなると、さまざまなところから資金を借り入れている。しかし、これらの資金は銀行などの金融機関から現金で借りているため、借り入れが急激に増えると金利負担がのしかかる。そのため借入金の増加は、公共機関の財務の健全性を脅かす恐れがある。
「アルリオ(お知らせするの意)」と呼ばれる政府系企業経営情報公開システムによると、現在286ある公共機関の昨年の借入金は、総額70兆7684億ウォン(約5兆3580億円)に達した。現政権発足直前の2007年は、公共機関全体の借入金総額は28兆3400億ウォン(現在のレートで約2兆1457億円)だったため、昨年はこれに比べ42兆4284億ウォン(約3兆2123億円)、率にすると149.7%増えた計算になる。
286の公共機関とは、27の公共企業、83の準政府機関、176のその他公共機関を指す。
そのうち公共企業の借入金総額は51兆5976億ウォン(約3兆9066億円)で、全体の73%を占めている。公共企業は全収入の50%以上を自ら稼ぎ出しているため、企業としての性格が強い。
公共企業の中では韓国土地住宅公社が14兆6662億ウォン(約1兆1096億円)で借り入れが最も多かった。2007年に土地公社と住宅公社が統合される前の借入金は総額7兆4601億ウォン(約5644億円)だったが、現在はそれを7兆2061億ウォン(約5452億円)上回っている。住宅建設事業などに必要な資金を借り入れたのが原因とみられている。
続いて借入金が多かったのは韓国電力で、8兆2589億ウォン(約6248億円)だった。韓電は08年以降、経済危機による原油高の状況でも電気料金の値上げが抑制されたため、その損失を埋め合わせるため、3年間に借入金が91.4%増えた。海外での資源開発で資金需要が増えた石油公社の場合、07年時点での借入金は1264億ウォン(約95億5900億円)だったが、昨年は6兆5732億ウォン(約4971億円)へと急激に増えた。4大河川事業を手掛ける水資源公社も、07年時点で借入金はなかったが、昨年は4兆7255億ウォン(約3574億円)を抱えていた。
公共企業の次が準政府機関で、借入金総額は18兆8427億ウォン(約1兆4250億円)と全体の26%を占めた。準政府機関とは、自らの収益よりも政府からの支援に依存する公共機関のことだ。準政府機関の中では「ドゥンドゥン(丈夫の意)学資金(就職後に返済する学資金)」など、学資を融資する韓国奨学財団の借り入れが、8兆3587億ウォン(約6321億円)と最も多かった。
その他公共機関の借入金総額は2281億ウォン(約173億円)で、全体のわずか1%だった。その他公共機関とは各種財団、協会、国立大学病院、政府系研究機関など、公共機関に指定されているが、公共企業や準政府機関には属さない団体や機関などを指す。
方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者