釜山貯蓄銀行は巨大な不動産会社だった!?(下)
朴然琥会長ら21人起訴
このように不動産関係の事業に融資された資金は、2010年の時点で5兆2000億ウォン(約3961億円)に達した。これは韓国の全金融機関が自ら行っている事業向けに融資している総額(66兆5000億ウォン=約5兆345億円)の7.8%に相当する。検察の関係者は「釜山貯蓄銀行グループは、まさに韓国最大規模の不動産企業だった」とコメントした。
■大株主の年俸やボーナスに191億ウォン
事業がうまくいかず損失が膨らむと、今度は粉飾決算で自分たちの違法行為を隠した。釜山貯蓄銀行グループの5行は、2009年と10年に自己資本比率(BIS)を8%以上に高めるため、総額2兆4000億ウォンの粉飾決算を行った。自己資本比率が8%以下に低下すると、融資などでさまざまな規制を受けるからだ。
大株主らはこのような粉飾決算の手口で、6年間に329億ウォン(約24億9300万円)の配当金と、191億ウォン(約14億4700万円)の年俸やボーナスを手にした。とりわけ09年と10年、釜山貯蓄銀行と釜山第2貯蓄銀行は4000億ウォン(約303億円)から9000億ウォン(約682億円)の純損失を記録し、銀行の存続が危ぶまれるほどの状況だったにもかかわらず、両行とも黒字を記録したかのように装い、4人の役員が63億ウォン(約4億7700万円)の配当を手にした。一方この粉飾決算にだまされ、昨年はサムスン夢奨学財団が500億ウォン(約37億8700万円)、ポステック(旧・浦項工大)が1000億ウォン(約75億7400万円)の有償増資に参加している。
■金融監督院も黙認か
検察はこれらの汚職が可能だった背景として、釜山貯蓄銀行グループの監事を務める複数の金融監督院OBの協力があったと説明している。相互貯蓄銀行法には、一定規模以上の銀行は会計や財務の専門家を監査委員会に含めるよう定めている。しかし金融監督院OBの釜山貯蓄銀行グループ監事らは、違法融資などに自らも積極的に加担し、また粉飾決算にも協力していたという。
検察関係者は「貯蓄銀行は金融監督院との関係を考慮し、金融監督院に監事の推薦を要請する。すると金融監督院側は退職予定の職員を銀行側に推薦する。このような形はすでに定着しており、推薦された監事らは、本来やるべき業務をしっかりと行うことができない」と語る。検察は「釜山貯蓄銀行は金融監督院の監査から逃れるため、金融監督院OBの監事に窓口としての役割を任せていた」とみて、捜査を進めている。
アン・ジュンホ記者