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原発賠償4兆円、政府が試算 電気料金値上げ前提(1/2ページ)

2011年5月3日3時1分

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 東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う損害賠償をめぐる政府内の試算が2日、明らかになった。具体的な金額を入れて試算しており、賠償総額を4兆円、東電の負担を約2兆円と想定した。東電を中心に電力各社が10年にわたって負担する内容で、東電管内は2割近い電気料金の値上げを前提にしている。

 賠償の枠組みの案は複数あるが、最も東電の経営環境を厳しくみた案が有力。現在、関係閣僚らが最終調整を続けている。

 試算によると、賠償は東電が担う。東電は自己資金で足りない分について、電力各社で新たにつくる「機構」から支援を受ける。機構には国も公的資金を拠出。公的資金は、東電を含む電力各社が毎年4千億円を10年間にわたって返済する。

 内訳は、東電は毎年1千億円を特別負担金として拠出。残る3千億円を東電を含む、原発を保有する電力9社で負担する。各社は電力量に応じて負担し、全国の電力量の約3分の1を占める東電は、約1千億円の負担となる。これらの賠償資金を確保するため、関係者によると、東電管内は約16%の大幅な値上げになる見通しだ。

 東電以外の8社は、残りの約2千億円を負担。これは、約2%の料金値上げ分に相当する。4兆円の賠償額の負担割合は、東電が約2兆円、東電以外の8社が計約2兆円になる見込みだ。

 機構は東電が発行する優先株1.6兆円分を引き受ける。賠償負担による東電の信用低下や東電債の格下げを避けるためだ。

 また、福島第一原発1〜6号機の廃炉費用を1.5兆円、火力発電の燃料費増を年約1兆円とみている。リストラでは、来年度までに年1500億円、計3千億円の不動産や株式売却を進める。

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