県は1日、南相馬市の警戒区域に残されている個人所有の馬26頭について、国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」に出場させるため、区域外に移動させる、と発表した。
市が先月25日に農林水産省に要望し、28日、伝統行事の相馬野馬追を継続させるため、特例的に許可された。
市は県の原子力災害現地対策本部(オフサイトセンター)に警戒区域への立ち入りを申請中で、早ければ2日にも移動させたいとしている。県相双家畜保健衛生所の職員が全頭を対象に放射線のスクリーニング検査を行い、基準値を下回っていることを確認した後、市職員らが市内原町区の馬事公苑に移す。
市は「伝統行事を守るための移動が認められ、関係機関には感謝している。できるだけ早く移動を始めたい」としている。
農水省は全頭の放射線検査のほか、食用として出荷しないことなどを移動の条件としている。