強盗殺人:黙秘被告に死刑求刑「更生は不可能」…東京地検

2011年3月4日 11時34分 更新:3月4日 13時2分

 妻子に対する殺人罪で20年間服役し、出所半年後に東京・南青山で面識のない男性を殺害したとして強盗殺人罪に問われた無職、伊能和夫被告(60)に対し、東京地検は4日、東京地裁(吉村典晃裁判長)の裁判員裁判で「人生で3人を殺害し、人命軽視は甚だしく更生は不可能」として死刑を求刑した。弁護側は無罪主張し、被告は公判を通じて無言を貫いたまま結審。裁判員は究極の選択を迫られる。判決は15日に言い渡される。

 裁判員裁判での死刑求刑は全国6件目。死刑判決は3件だが、これまで無罪主張の被告に死刑が言い渡された例はない。

 検察側は論告で▽現場室内から検出された被告の掌紋▽被告の靴底に付着した被害者の血痕▽犯行時刻前後に近隣の防犯カメラで撮影された被告とみられる男の映像--などから「間接証拠を総合すると被告が犯人でなければ説明がつかない」と主張した。弁護側は「被害者宅は玄関が無施錠だった。被告は被害者が何者かに殺害された後に空き巣目的で入った可能性がある」などと反論。「黙秘は憲法で保障された権利で、不利に考慮してはならない」と述べた。

 被告は公判でも黙秘し、3日の被告人質問は約30分で打ち切られた。4日は裁判長に「何か言いたいことはありませんか」と促されたが、立ったまま目をつぶり黙り続けた。【伊藤直孝】

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