アメリカ政府は、長年分からなかったオサマ・ビンラディン容疑者の行方を探るため、共に行動しているとみられる連絡役の男を数年かけて追跡し、今回の作戦に結び付けたことが分かりました。
オサマ・ビンラディン容疑者が殺害された作戦について、アメリカ政府の高官は2日、電話で記者会見を行いました。それによりますと、4年前、アメリカが拘束した複数のテロの容疑者の情報からビンラディン容疑者の連絡役を務める1人の男の存在が浮上したといいます。そして、CIA=中央情報局がこの男の行方を追跡した結果、2年前、この男とその弟がパキスタン国内の特定の地域で活動していることが分かり、さらに去年8月になって、首都イスラマバードの北およそ50キロのアボタバードで兄弟が暮らす住宅を突き止めたといいます。この住宅は2005年に建てられ、広さは周辺の家の8倍ほどもあり、周囲を高さ5メートルもの塀や有刺鉄線で囲まれており、住宅の価格は100万ドル(日本円にして8000万円以上)に上るものとみられます。このためCIAでは、アルカイダの重要な人物をかくまうために建てられたものとみて監視を続けたところ、連絡役の兄弟のほかにもビンラディン容疑者の妻を含む家族とみられる人物が暮らしていることが分かり、かなり高い確率でビンラディン容疑者自身も潜伏していると判断しました。こうした情報に基づき、オバマ大統領は、ことし3月から少なくとも5回の会議を開いて対応を協議し、先月29日に作戦を実行する命令を下したということです。作戦は2日早朝、少数の部隊によってヘリコプターを使っておよそ40分にわたって行われ、銃撃戦の末、ビンラディン容疑者とその息子とみられる人物を含む4人を殺害したということです。ビンラディン容疑者は、最後まで抵抗を試みたということですが、その場で部隊に射殺されたということです。