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広瀬隆と小出裕章の4/29講演会 - 終焉に向かう原子力
大型連休初日の4/29、小出裕章と広瀬隆の二人が出る講演会があり、お茶の水の明大アカデミーホールに出かけてきた。当日は25年前のモスクワを思い出すような快晴。12:30開場、13:00開演の会場に12時過ぎに着いたが、客足は早く、アカデミーコモンのロビーは満杯状態で、係員が規制して建物の外に葛籠折りの待ち行列を作っていた。その群衆も見る見るうちに脹らんで行き、収容人員1200名を超える人数が集まっていることは確実な状況だった。ようやく開場時間となり、運良くホール1階後方に座席を得たが、主催者の生方卓によれば、1000名以上が会場から閉め出される盛況だったと言う。着席して前を見ていると、1時前に佐高信が入ってきて、スタッフに前方の席に案内されていた。入場に時間がかかり、定刻を過ぎても未だ500人が受付を済ませてない状態で、結局、開演時刻は13:30まで延ばされた。ようやく前座のパネル討論が始まり、生方卓と伊藤実と内藤新吾の3人が浜岡原発の危険性について説明した。生方卓は、浜岡原発が立地している地層表面の砂岩の現物を持参して披露、手でポロポロと割れる脆さであることを実演した。中部電力は、「強度な基礎岩盤に支えられているため安全」と宣伝していると言う。また、私は初めて知ったが、浜岡原発の1-5号機の並びが不規則で、他の原発と違って直線の順列に配置されてないのは、地下に活断層が走っていて、それを避けるべく設計したからだという事実も紹介された。
ある程度は予想していたことで、特に驚く事実材料でもないが、浜岡原発の現状は深刻で、周辺住民に対する「アメとムチ」の問題は考えさせられる。御前崎市の年間予算は167億8000万円。そのうち、原発関連の交付金が25億5000万円、中電の固定資産税が45億7000万円で、市の収入の42%を原発で得ている。中電は市行政をシャブ漬け状態にし、無駄な道路やハコモノを作らせ、その維持費の負担に市が直面し始めると、「原子炉をもう1基増設しましょう」と悪魔の囁きを持ちかけるのだと言う。周辺の町内会には中電から買収のカネがバラ撒かれ、町内会が旅行を企画すると中電から50万円がすぐに出る。周辺の住民は、中電にカタる体質が染みつき、飲み代を出せだの、土地を高く買えだのと年がら年中要求し、上は市長や市議から下は末端住民まで、もっと原子炉を増やしてくれと懇請する中毒患者に成り果てている。逆に、原発に反対する住民はアカ呼ばわりされて村八分にされる始末で、得意先から仕事が回らなくなり、中電に雇われた暴力団によって日常的に脅しを受けるという迫害と恐怖に遭っていた。まるで市民社会なき後進国。原発反対を唱えて当選した市議も、あっと言う間に買収と懐柔で寝返り、反対運動が市を動かすことはなかったのである。おそらく、双葉町とかも似たようなものだっただろう。住民の反対運動はあったはずだ。シャブ漬けがあり、アメとムチがあったはずで、現在まで続いていたはずだ。
3人のパネルは予定を早めて終わり、メインイベンターのトップに小出裕章が登壇した。が、議論の中身はYoutubeで既出のものとほぼ同じで、特に新しい話題はなかった。例によって、チェルノブイリの避難民が抱いたネコの写真の話が出た。会場の中には、初めて聞く者もいたに違いなかった。こうした集会は、やはりと言うか、常にほぼ同じ客層が集まってくる。60代後半が中心で、帽子をかぶり、2人か3人で連れ添ってくる高齢の女性が目立つ。昨年の普天間問題の集会もそうだった。APやAFPが写真を撮って報じるところの、日本のantiのprotesterは、どれも同じ年格好と雰囲気の人々が映像の被写体になる。座席周辺にもそういう年配の方々が多かった。こういう集会に行くと、必ずと言っていいほど、私は相対的に若い立場になる。彼らは、どこで、どうやって、この集会の情報を得たのだろうか。おそらく、そうした市民ネットワークがあるのだ。ネットではなく、口コミや物理的な媒体を通じて、集会の情報を得ているのである。そして、本当なら、原発の放射能汚染の恐怖を最も感じなくてはならない層が、身体に重大な被害を負う年齢層が、こうした集会に積極的に参加していない。原発を止める運動の先頭に立たず、主力を担っていない。逆に、右翼掲示板などに屯し、反原発の市民運動に「サヨク」のレッテルを貼って攻撃している連中が、今の20代や30代なのである。浜岡のシャブ中住民も異常だが、ネット右翼の若者も倒錯現象だ。
今、小出裕章の配布資料を読み返しながら、あらためて訴えるべき情報として、原発を止めても電力需要は賄えるというデータを選びたい。この事実と証拠は、ブログをお読みになられている方なら既知の範疇なのだけれど、一般には未だそうなっておらず、原発必要論の主張が蔓延る世論になっている。つまり、電力需要の30%をカバーする原発を停止するなら、江戸時代の生活に戻らなくてはならないとする常套句である。石原慎太郎などが繰り返し言い、マスコミはそれを「常識」にしていて、反論が具体的に上がる機会が公共の言論空間にない。実際には、既存の火力発電所は稼働率50%の状態であり、これを70%に上げるだけで、原子力発電の生産量を十分カバーできるのだ。水力も火力も、日本は発電設備が過剰になっていて、停止している、あるいは稼働率を落としている発電所が全国に無数にあるのである。小出裕章が示したグラフでは、水力発電の利用率は19%に過ぎず、8割の発電能力を遊休させている。要するに、原発の問題は技術ではなく政策の問題なのであって、国の判断一つで済む。全国54基の原子炉を止め、火力発電の電力生産を増やせば、それだけで原発問題はクリアできる。石原慎太郎など右翼の主張には根拠がなく、全くのデマであり、デマがマスコミによって「常識」にスリ替えられているに過ぎない。自然エネルギーの代替案を云々する前に、既存の設備と稼働率の問題として、原発問題は解決されているのである。
最後に広瀬隆が登場し、1時間以上喋った。広瀬隆の話は初めて聞いたが、予想以上にエキサイティングな内容で面白かった。地震と津波、原発事故、電力会社と政府の欺瞞、次から次へと図とデータと新聞記事を満載したパワーポイントのページが捲られ、情熱的なアジテーションが飛ぶのである。プレゼンテーションは急くように進み、辛辣な言葉で笑いを取り、危機感を煽り、聴衆を興奮へと高めて行く。独特のスタイルの強烈なアジテーション。広瀬隆がここまでエネルギッシュにアクセルを全開できるのは、予言を的中させたという決定的な事実があり、その自信に満ち溢れているからだ。広瀬隆に何も恐いものはない。敵はいない。唯一、恐ろしいのは、次に来る東南海大地震であり、浜岡原発の直下で起きる地震である。昨年の著書『原子炉時限爆弾』は、浜岡原発を直撃する地震の警告だった。広瀬隆にしてみれば、来るぞ来るぞと言っていた地震が予測より東側で起き、浜岡原発の代わりに福島第一が狙われたに過ぎない。全ての問題(電源喪失・ブラックアウト・ECCS不作動・炉心溶融)は予想したとおりに起きた。広瀬隆の議論のユニークな点は、地震分析がある点である。地震発生の因果のメカニズムについて、日本ではそれを合法則的に説明する者が少ない。原子力と同じく、そのアカデミーでは大量の研究者が国費でメシを食い、日々調査研究を重ねているはずだが、次に地震が起こる可能性と合法則性について、広瀬隆のように知見を動員して説得することがない。日本の地震学者の話は、常に起きた後での「後出し」の解説である。
われわれは、地震については、予知不可能なものであり、また列島上のどこで起きても不思議ではないと今では思っている。広瀬隆もそれは同じだが、であれば、間もなく起きる地震に対して、起きる前にすぐに対処をせよと広瀬隆は言うのである。この意見と態度は、やはり正論だろうし、特に今回の体験を踏まえれば、広瀬隆に対して従来のような揶揄や罵倒はできないはずだ。福島原発の事故のようなものは、今後二度と起こしてはいけないし、どこで同じ地震同じ津波が起きても、原発の事故が起きないようにしないといけない。とすれば、常識で考えてわれわれがすべきことは、54基の原発を即停止させるしかない。一見すると、広瀬隆は恐怖を過剰に煽っているように見える。しかし、よく考えれば、地震は必ず起きるのである。待ってはくれないのだ。2007年の新潟県中越沖地震での柏崎刈羽原発での火災が、今回の震災での福島の事故の予行演習であったとすれば、現在は福島の事故と次の事故の間の時間である。原発を停止させることは当然の予防措置だろう。まず原発を止め、火力で電力生産を代替させ、LNGの設備の充実で原発を不要にした後、54基を廃炉にする計画を進める。そして、核廃棄物の処理方法を構想し、同時に自然エネルギーへの転換と省エネ技術の開発を加速化させる。ここまでは、今すぐにでも国民の合意にして、政治で決定すべきことだ。エネルギー政策基本法の改正をして、法律で条文を明記すべきことで、場合によれば国民投票すべきことだろう。
小出裕章は、何よりも必要なことはエネルギー消費を抑えることだと言う。佐高信は、経済だけが人間の幸せではないと言う。それも尤もな意見だろう。私の場合は少し違う。電力使用を効率化する技術開発によって、電力生産を年々減らすという目標と計画を立てることができると思うし、そういう経済を構想するべきなのだ。今回の報道の中でショックだったのは、オイルショック時と比較して日本の家庭の平均電力使用量が5倍に増えているという数字だった。電機メーカーは、あれほど新製品の宣伝で省電力を言い、エコ家電を言いながら、結果的には電力の消費量を増やすことしかできなかった。これについて日本人は猛省すべきで、同じ機能で電力消費を半分に減らす技術開発に取り組むべきなのだ。例えば、照明については、蛍光灯からLEDへの切り換えで、消費電力を半減させつつ寿命を3倍に伸ばしている。これは、技術のブレイクスルーである。他のアプライアンスについても、原理の転換を発想すべきで、可能なことは数限りなくあると思う。技術のイニシアティブを日本が握り直すことで、浪費指向の米国型から脱却できる道はいくらでもある。具体的には、PCがそうだ。電力の需要と供給について、再生可能エネルギーに転換することも重要だが、もっと大胆に、文明論的な哲学の飛躍をして、電力の生産量と消費量を減らし、かつ生活水準を向上させるという挑戦を設定してよいのである。私は、電力については、タバコと同じ位置付けでよいと思う。必要悪の生産。ネガティブな生産物。市場は小さいほどよく、極小になればよいもの。日本には多くの電子工学と電気工学の学舎がある。
ぜひ、電力消費の極小化をテーマに据えて、工場や家庭での挑戦課題に取り組み、画期的な新技術を開発して欲しい。
by
thessalonike5
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2011-05-01 23:30
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東日本大震災
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