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◆楽天3―10オリックス(1日・Kスタ宮城)オリックス・西勇輝投手(20)が1日の楽天戦(Kスタ)に先発し、7回途中まで3失点に抑えて、ハーラートップタイの3勝目。自身も反省しきりの投球内容だったが、相手がミスの連続で、それに付け入った打線が今季初の2ケタ得点。実力とツキを併せ持つ西のユウちゃんから目が離せない。
トレードマークの笑顔はなかった。ルーキー時代の09年9月21日にプロ初登板した思い出の地、Kスタでのヒーローインタビュー。「ふがいないピッチングをして野手に迷惑をかけました。1年目は緊張したけど、3年目なんで緊張はしなかった。でも、自分らしい投球ができなくて悔しい」。6回1/3を7安打3失点。敗戦投手のような雰囲気だったが、開幕から負けなしで楽天・岩隈に並ぶハーラートップタイの3勝目。チームの連敗を止めたのは紛れもない事実だ。
普段との違いはすぐにバッテリーを組む伊藤に気付かれた。初回は2者連続三振など躍動感のある投球で完璧な立ち上がり。だが…。相手のミスを絡めて、ここまで1試合平均2・1点しか取っていなかった打線が一挙6点を奪った直後の3回。先頭の横川、松井稼に簡単に連続アーチを許した。マウンドに駆けつけた伊藤は語気を荒らげた。
「6点もらって(力を)抜いてるんじゃないぞ。余裕を持って投げるのと抜いて投げるのとは違う」
1歳年上の女房役のゲキに気を引き締めた。7回1死一塁で聖沢の打球を左すねに受け、内野安打となったが、ここまで3試合で走者を背負った場面で安打を許したのはこれが初めて。要所では低めを意識し、白星につなげた。
プロ2年間0勝の男が今やチームの勝ち頭へ。昨年プロ初先発した8月12日のソフトバンク戦(ヤフーD)。勝利投手の権利まであと一人のところで逆転を許した。その悔しさを胸に、秋季キャンプでは投げ込み、春は走り込みと目的意識を持って取り組み、腕の振りが速くなったと実感するまでになった。
岡田監督も「安定してる? 勝ってる要因やろな。ストレートの速さ、変化球のキレ、コントロールにしても『1年間ローテーション入ってやってくれるな』とキャンプからそれくらい成長していた」と、チーム6勝中3勝を挙げている20歳の右腕に目を細めた。チームの連敗を止めた“西のユウちゃん”の快進撃は止まらない。
(2011年5月2日10時49分 スポーツ報知)