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【レポート】

マクドナルドより安い焼肉店!? - "100円焼肉"、安さと人気の秘密に迫る

2 高級店並のサービスを実施

2011/02/22

大畑加代子

    "切り立て"の肉のおいしさにこだわる

    100円焼肉を始めたきっかけに関して勘坂社長は、「まず話題性です。『100円のもの全部持ってきて』といってもらえるような、注文のしやすさを演出したかった」と話す。もちろん100円メニューだけはなく、その他の牛肉メニューは、黒毛和牛を使った「和牛カルビ」(399円)、国産和牛を使った「和牛トロホルモン」(199円)、「和牛ユッケ」(294円)などがあり、和牛とは思えないような価格設定に驚く。

    「和牛ユッケ」(294円)は、国産和牛のモモ系赤身肉を使用。2人に1人が注文する大人気商品。国産牛を使った「和牛カルビ」(399円)は一番人気メニューで、6割が注文する。国産和牛の小腸を使用した「和牛トロホルモン」(199円)は、味噌ベースのタレ味がおすすめ

    フードメニューは45品あり、焼物は牛肉メインで18種類、100円〜380円の価格帯で販売する。さすがに「この安さで経営は大丈夫!? 」と心配してしまうが、客単価は2,300円から1,800円へと下がったものの、客数は前年比110%。売上も昨年をクリアしているそうだ。なるほど、これで安心して100円メニューが頼めます。

    肉はブロック状態で店舗へ運び、各店の厨房で手切りする。カット仕立てのおいしさを楽しませる

    人気の理由の1つでもある低価格、しかしながら安かろう悪かろうでは今のお客は付いてこない。低価格と質の両立あってこその人気である。肉類は、黒毛和牛やアメリカ産、オーストラリア産の厳選したもので、日本各地の業者から良質のものを仕入れている。業者に1次加工してもらったブロック状態で店舗へ運び、各店の厨房でサク取りして手切りする。チェーン系ではカットした状態で仕入れて盛り付けるだけだったり、サク取りまでしてあってスライスするだけという店が多い中、同店では切りたてのおいしさにこだわっているのである。そのため社内で教育を行ない、社員全員が規格どおりに肉をカットできる「精肉マイスター」という社内資格を獲得しているという。

    お客の名前を覚え、各テーブルに店長がご挨拶

    「焼肉酒家 えびす」を経営するフーズ・フォーラスの代表取締役社長・勘坂康弘氏

    また接客面も重視しており、かの名高いホテル「ザ・リッツ・カールトン」等を参考にしたという勘坂社長が従業員と共にプログラムを作り上げ、スタッフ教育も充実させている。リピーターでなくともお客の名前を覚えるのは基本で、さらにスタッフの名前をお客に覚えてもらえるよう心がけているとのこと。

    お客が来店するとまず入口で名前を尋ね、「○○様ご来店ありがとうございます。担当の△△です」と名乗り、その後も様々な局面でお客の名前を呼ぶ。またタイミングを見計らいながら、各テーブルへ店長が挨拶にまわるなど、高級店並のサービス。店舗スタッフとお客の間に交流が生まれ、まるで個人店に来ているように、馴染み客の感覚で通うことができる。

    「食を通して空間も楽しんでほしい」という勘坂社長の方針で、店舗もスタイリッシュなデザインにより非日常的な雰囲気を演出している。外観は黒と赤、店内は黒と青をテーマカラーに、まるで焼肉店とは思えないようなお洒落さ。学生から家族客、デート利用まで様々なお客が通ってくるのも頷ける。今後、関東地区では神奈川や東京の郊外ロードサイドを中心に出店を進め、2020年度には300店舗が目標とのこと。いやはや、早く家の近くにもオープンして欲しいものだ。



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