1号機 原子炉建屋内部で作業へ
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1号機 原子炉建屋内部で作業へ

5月2日 4時21分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の1号機では、原子炉の安定的な冷却に向けて、原子炉建屋内部での作業に着手することになり、建屋内の放射性物質を取り除くための準備作業が2日から始まります。作業が順調に進めば、ここ数日中にも水素爆発が起きて以来初めて原子炉建屋に作業員が入ることになります。

福島第一原発の1号機では、格納容器を燃料の高さまで水で満たして原子炉を冷却できるか調べるため、先月27日から2日間、原子炉への注水量を試験的に増やしましたが、格納容器内部の水位を把握できないという課題が残り、水位計の設置など新たな対策が求められています。さらに、原子炉を安定的に冷却するためには、格納容器を水で満たすだけでは不十分で、東京電力は、内部の水を冷やすことのできる熱交換器の設置に向けて具体的な検討を進めていて、今後は配管などの調査が必要となります。こうしたことから、東京電力は、1号機の原子炉建屋内部での作業に着手することを決め、それに先立って内部の放射線量を下げるため、放射性物質を取り除く装置を設置することになりました。この装置は、建屋内の空気を吸い込んで放射性物質を吸着するフィルターを通してから再び建屋に戻すことで、放射性物質の濃度を20分の1程度にまで下げられるということです。東京電力は、2日から設置に向けた準備作業を始め、ここ数日中にも原子炉建屋の内部に作業員が入って設置を行うことにしています。1号機の原子炉建屋の内部に作業員が入るのは、ことし3月12日に水素爆発が起きてから初めてのことです。原子炉建屋の内部で、放射線量が低下して本格的に作業が始められるようになれば、事態の収束に向けて一歩、進むことになりますが、その一方で、原子炉を安定的に冷却する仕組みをどのように構築するのか、依然として大きな課題が残されています。