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プレステ情報流出 ソニー会見も対応や安全性に不信感

毎日新聞 5月2日(月)2時11分配信

プレステ情報流出 ソニー会見も対応や安全性に不信感
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プレイステーションのネットワークへの不正アクセスで個人情報が流出した可能性がある問題で会見するソニーの平井一夫副社長(中央)ら=東京都港区で2011年5月1日午後2時8分、木葉健二撮影
 個人情報流出問題で初めて会見したソニーは1日、停止しているゲームなどへのインターネット配信サービスを5月中に全面再開する方針を明らかにした。だが、ソニーの対応を巡っては「情報開示が遅い」などと批判が高まっているほか、流出規模の特定もできておらず、システムの安全性に対する利用者の不信も根強い。ソフト配信事業を成長戦略と位置づけるソニーに厳しい局面が続きそうだ。【弘田恭子、乾達】

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 「膨大なデータを解析する作業に時間がかかった。お客様になるべく確度の高い情報をお伝えしたいと思った結果だ」。会見したソニーの平井一夫副社長は、問題発覚から会見まで時間がかかった理由の釈明に追われた。

 ソニーの対応については、米下院エネルギー・商業委員会が先月29日、公表に時間がかかった理由などを問いただす質問状を平井副社長あてに送付し、5月6日までの回答を求めた。米ミズーリ州やコネティカット州の司法長官も「ソニーの対応は受け入れがたい」との声明を公表した。

 ネット配信サービスの主力の家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」は、世界で5000万台以上が売れ、うち4割強が北米だ。さらに、クレジットカード社会の米国では、カード情報漏えいの影響が大きく、今回の流出問題に神経をとがらせ、社会問題化しつつある。米国での批判の高まりを背景にソニーは大型連休中の異例の会見開催を迫られた。

 だが、不正侵入から10日以上過ぎても流出の全容は不明だ。平井副社長は「どのデータがどれくらいの量、流出したのかは残念ながら断定できていない」と認めた。対応を誤ればリコール(回収・無償修理)問題で批判を浴びたトヨタ自動車の二の舞いになりかねない。

 さらに、攻撃されたデータセンターは、各サーバー間に防御システムを構築していたが、ハッカーは、ゲームなどのデータを管理するサーバーの脆弱(ぜいじゃく)さを突き、防御システムをすり抜けて、個人情報を管理するサーバーにアクセスした。会見したソニーの長谷島真時(はせじま・しんじ)CIO(最高情報責任者)は「業界ではよく知られた脆弱性だったが、システムを管轄する子会社の責任者が認識していなかった」と説明。新たに長谷島CIOを最高情報セキュリティー責任者に任命して体制を強化することも公表したが、ソニーの会見後、インターネットの掲示板には、利用者から「素人ならまだしもメーカーが知らないではすまされない」などとお粗末ぶりに不満の書き込みが相次いだ。

 専門家は「ソニーというブランドに加え、パソコンより家庭用ゲーム機は安全というイメージも崩れた」(ゲームジャーナリストの小野憲史さん)と指摘する。

 ソニーは、米アップルなどに対抗しようと06年に開始したゲーム向けソフト配信サービス「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」に加え、10年4月にテレビなど向けの動画・音楽の配信サービス「キュリオシティ」を始めた。ソフト配信事業を12年度に3000億円まで成長させる目標を掲げる。

 次期社長の有力候補とされる平井副社長だが、経営責任は明言を避け、「ユーザーの信頼を勝ち取るべく全社一丸となって取り組む」と強調。しかし、「クレジットカードの再発行手数料などの補償に数十億円かかる可能性もある。約7700万人もの顧客情報を持ちながら、流出するリスクについて経営判断が甘かった」(IT業界に詳しいジャーナリストの西田宗千佳氏)との指摘もあり、信頼回復はいばらの道だ。


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最終更新:5月2日(月)2時36分

毎日新聞

 

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