'11/5/1
客引き風景一変 摘発半減
風俗店などの客引きを事実上、全面禁止した改正広島県迷惑防止条例の施行から1日で5年。改正前に比べ、県警が客引き行為で摘発した人数は半減した。一方、広島市中区の流川・薬研堀地区を中心に、風俗店などの無料案内所は倍増。歓楽街の風景は一変した。
中四国地方最大の歓楽街、流川・薬研堀地区。4月27日午後11時、薬研堀通りと仏壇通りの交差点にいた客引きは男3人だけだった。この交差点を客引きが占拠した光景は、5年前を境に見られなくなった。代わって出店が目立つのが無料案内所。ピンクや黄のネオンを光らせている。
県警生活環境課によると、風俗店などの店員による客引きを禁じる風営法と、県迷惑防止条例に違反した客引き行為の摘発は、昨年1年間で延べ5件、逮捕者数は同10人。2005年の19件20人、06年の11件17人からほぼ半減した。同課は改正条例の施行以降、流川・薬研堀地区や福山市松浜町などで客引き自体が減ったと説明する。
一方、同課が把握している県内の無料案内所は11年3月時点で68店。06年末の35店から倍増した。
案内所は改正条例で、開業時に県公安委員会への届け出が義務付けられた。歓楽街のビルなどにテナントとして入居し、契約する風俗店や飲食店の写真やイメージ画をパネル掲示。従業員が来店者の希望に応じて店を紹介する。店からの広告料などが主な収入源とみられている。流川・薬研堀地区には、その多くが集中する。
【写真説明】薬研堀通りと仏壇通りの交差点。客引きの姿に代わって、無料案内所が増えた