韓国の中高生に広がる化粧ブーム(上)

「美形シンドローム」「ガールズグループ」の影響大、登校前に30分かけて化粧 

校則などお構いなし、休み時間のトイレは「パウダールーム」

食品医薬品安全庁「子どもは皮膚が弱いため、トラブルの危険性大」

 「そのティント(唇の色素を生かして発色させる化粧品の一種)、私も塗ってみるわ」

 「うわー、オレンジ超きれい」

 慶尚南道の女子中学校で国語を教えるキム教諭(34)は数日前、教室に入った途端ため息が出た。生徒たちが化粧ポーチを持ち寄って「新製品の品評会」をしていたのだ。ポーチの中にはパウダーファンデーション、BBクリーム、ティント、アイライナー、マスカラ、マニキュアなどの化粧品がぎっしり入っていた。

 化粧した生徒たちの顔も、それぞれだった。ファンデーションを塗って顔が白っぽくなっている生徒もいれば、まぶた用の接着液を塗って二重まぶたをつくり、アイラインを引いている生徒もいる。ティントを塗って唇が赤くなっている生徒も数人いた。

 休み時間になると、トイレは「バウダールーム」に様変わりする。十数人の女子生徒が鏡の前でヘアスタイルを整えたり、化粧を直したりしている。互いに眉毛やアイラインを描き合う姿も見られる。

 化粧は校則違反に当たるため、当初はキム教諭も化粧した生徒を見付けるたびに「やめなさい」と注意していた。「すぐに顔を洗って来なさい」と洗顔フォームを渡したこともあった。所持品検査を行い、化粧品を没収したことも何度もある。それでも全く改善する気配がないため、最近では「あなたたちのような幼い年齢で化粧するのは、肌に良くない」と言って説得している。

 キム教諭は「化粧している生徒があまりにも多く、いちいち追いかけて注意するのは大変。こんな大変な戦いはない」と話す。

 生徒たちはデパートの化粧品売り場でも主要な顧客になっている。また、化粧品各社は人気キャラクターをデザインした商品を相次いで発売している。

ソウル・明洞の化粧品店で、女子生徒たちが化粧品を選んでいる。女子中高生が小遣いで購入する化粧品のうち一部の激安商品は、肌のトラブルを起こす危険性があるとして、教諭や保護者たちが懸念している。21日撮影。/イ・ジュンホン客員記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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