【室井昌也コラム】韓国経験者が集う楽天二軍へ

 パク・チャンホとイ・スンヨプが入団したオリックスに韓国では関心が高いが、一方で派手さはないが、韓国と関わりがある面々がそろう球団がある。それは楽天だ。

 24日に行われた、横浜とのファーム公式戦。「今シーズンLGは調子いいですね」と声をかけてきたのは、昨季LGで抑えを務めた岡本真或だ。「今年はなぜか三振がよく取れます。理由は…わからないです」。彼らしい、ちょっとはぐらかすような表現で、調子の良さを伝えてきた。岡本はここまで二軍戦3試合に登板し無失点。9つのアウトのうち、8つを三振で奪っている。

 その他、楽天には元メジャーリーガーのキム・ビョンヒョンと、昨季、トゥサンで14勝を挙げたヒメネスがいる。この2人はここまで出場はなく、チームには帯同していない。球団関係者は「キム・ビョンヒョンは足を捻挫したが、幸い軽傷でピッチングも始めた。熱心に練習に取り組んでいる」と話す。またヒメネスは近いうちに実戦登板が予定されているという。

 首脳陣では一塁ベースコーチに、関川浩一コーチ(前SK)、三塁に種田仁コーチ(前サムソン)が立つ。関川コーチは「(チョン)グンウがホームランをよく打っていますね」と言い、種田コーチは「ペ・ヨンソプの調子がいいみたいですね」と話すなど、驚くほどに韓国の状況をよく知っていた。日々、インターネットで韓国の様子をチェックしているという。

 両コーチに日本に復帰して感じる、韓日の違いについて尋ねると、関川コーチは「韓国の選手の方が野球に取り組む姿勢が貪欲。日本の野球についてもたくさん質問をしてきた」と話す。チェ・ジョンが「村田(修一=横浜)のような右方向に打てるバッターになりたい」と申し出て、村田の映像を見せたり、似ている選手の打ち方を教えたこともあったという。

 種田コーチは「日本の選手が韓国のことを聞いてくることはない。それは自分たちの方が韓国よりも上だと思っているからでしょう。だけど彼らに言うんです。“おまえら二軍選手は、韓国に行っても、レギュラーにはなれないぞ”」。

 両コーチは韓国でのコーチ経験で、指導の幅が広がったという。その理由として種田コーチは「韓国の選手は結果が出ない原因と理由、解決方法をちゃんと説明しないと理解してもらえない」と言い、関川コーチは「通訳を通さなければならないので、より細かく説明した」と話す。どちらも韓国で、より基本に戻る機会を得たという。

 関川コーチは楽天の選手たちを見ながら、「韓国から選手を連れて来たいですよ。モ・チャンミン(現・サンム)とか打力がありますから」と、古巣の選手を懐かしんだ。

 以前は日本から韓国へ渡ると、「都落ち」という印象を持たれていたが、現在ではそれが薄れている。韓日の実力が拮抗してきたことと、グローバルな視野で野球を見ることが、今後の野球人生でプラスになると、経験者達が語っているからだ。

(スポーツ朝鮮4月26日付掲載分)

(韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑著者)

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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