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シリア:「政府は国民を虐殺」ダルアー市民が電話で訴え

 【カイロ和田浩明】「シリア政府は国民を虐殺している。国際社会が止めてくれ」。アサド政権が民主化勢力の武力弾圧を続ける南部ダルアーの男性住民が1日、毎日新聞の電話取材に訴えた。治安要員が家々を回って人々を拘束したり、無差別発砲で全員が殺害された家族も。水や電気は止まり、燃料や薬品も不足。死亡した住民を埋葬できず、遺体を大型冷蔵庫で保管中だという。「我々は破滅に向かっている」。男性はそう語った。

 ダルアーはシリア各地に拡大した民主化要求デモの発火点。国内外のシリア人権活動家によると、政権批判の落書きをした少年らの逮捕・拷問に怒った住民の抗議活動が3月中旬から激化、当局は武力鎮圧を図ったが失敗した。

 衛星電話で証言したのは壮年の男性。住民の死者は約200人に達したという。イスラム教徒が礼拝で結集するモスク(礼拝所)は一部を治安要員が占拠。屋上に狙撃手が配置されている。

 シリア政府は先月25日に騒乱鎮圧のため国軍を投入。ダルアーには戦車も派遣し、封鎖状態に置いている模様だ。男性によると、展開したのは米政府が人権侵害を理由に経済制裁を発動したマーヘル・アサド氏(アサド大統領の弟)が率いる第4師団。アサド家につながりを持ち治安機関と連携する「シャビーハ(暴漢)」と呼ばれる武装集団も活動中だという。

毎日新聞 2011年5月1日 21時40分

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