2011-04-30 17:54:25

成長期待をどうやって作りだすか

テーマ:ブログ

日本経済の根本的な問題は、成長期待がないということである。 成長期待がないから自然利子率が非常に低く、金融緩和をしても景気が良くならない。


過去を振り返ると、1970年代の高度成長時代、農村から都市へと労働力が流れ込み、人口も増加していた。 労働力を安価に大量に供給できたので規格大量生産で、日本製品は世界を席巻した。


都市部に多くの団地ができ、ニュータウンと呼ばれた。 ニュータウンには商店やデパートが開店し、消費活動は盛んだった。


ところが、現在はどうか。自民党の提唱した、国土の均衡ある発展というスローガンで、地方に公共事業が発注され、都市部への人口流入は減少した。 しかし、公共事業に依存した地方経済は、公共事業の減少とともに、疲弊していった。 


一方、都市部においても、バブル崩壊後、人件費の削減が進み、労働者の賃金は減少に転じた。 さらに従業員の非正規雇用が増加し、雇用は不安定になった。高度成長時代のニュータウンは、エレベーターのない古い団地になり、高齢者ばかりになった。 その結果、商店も撤退していった。 都市部の疲弊も深刻になってきた。 このような状況から、結婚する若者が減り、人口は減少し続けている。

 

第二次産業においては、安い人件費を求めて生産は海外移転が進み、多くのブルーカラーの職が失われた。多くの人々は第三次産業にシフトしなくてはならなくなった。グローバル化、特に、新興国の台頭によって、ブルーカラーの職が失われている。 さらにOA化によりホワイトカラーも過剰になった。


ところが、第三次産業の需要を支える生産年齢人口が減少してきた。 高齢者が多くなり、商業などは顧客の奪い合いになり、大型店による効率化が図られるようになった。 しかし、このことは既存の小型店舗の衰退を招き、特に地方において、シャッター街と呼ばれる、閉鎖店舗の続く街並みが出現している。


このように人口動態の問題や、国際競争(グローバル化)から、日本国内に成長期待が持てなくなっている。 これが、現在の不況の原因である。

 

これを、簡単に政府財政支出の拡大や、金融緩和といった方法で解決することはできない。 なぜなら、根本的な構造問題は、財政支出の拡大や、金融緩和では少しも解決できないからである。 


それでは何をすればよいのか。 これは以前のエントリーで述べたように、日本国内だけに目を向けることをやめるということである。 即ち、伸び盛りの国に進出し、そこの活力、即ち、人材、市場、生産力を日本経済に組み込むことで、日本を発展させる。 こういった方法しか、私には考えられない。 つまり成長期待も輸入してしまうわけである。

 

こういった状況判断をするならば、TPPには積極的に参加するべきであり、日本国内に財政出動して金をばら撒くといった、効果の薄い経済政策をするべきではないことは明らかだろう。 まして、グローバル化に背を向け、保護主義に走るなど自殺行為である。

  • なうで紹介
  • mixiチェック
  • ツイートする

コメント

[コメント記入欄を表示]

1 ■ちょっと聞きたいのだが・・・

TPPによって安い労働力が入ってくる→賃金が下がるので『家計の金融資産』が増えない(それどころか減る)。するとこれから増大する社会保障費が増え続け、赤字国債を発行せねばならない一方でその国債受け皿となっている『家計の金融資産が増えない』からTPP参加はあんたの言う ”ザイセイハタン” を促進する下策になるのではないかな?
まさかTPP推進を目論むあまり、今更になって「家計の金融資産を国債残高が上回った時、日本は財政破綻するというのは嘘でした」などと言い出すつもりなどなかろうと思うが・・・ これについてはどう説明するのかな?

2 ■Re:ちょっと聞きたいのだが・・・

>boarsheadさん

安い労働力が入ってくる、というのは正確ではなくて、賃金が世界標準に収斂するということです。 高い賃金が欲しければ、高スキルを身に付けるしかないということです。

鎖国のようなことをしても、仕事は外に行ってしまいます。 グローバル化というのはそういうものです。 そしてより衰退を早めるだけです。 日本だけの高賃金は決して維持できるものではない。 

日本人は教育程度が高いのだから、皆、高賃金を得るべく高スキルを身につけるでしょう。 

公共事業を国家の主要産業にできるわけじゃない。 鎖国しても展望は全くありません。

3 ■いや、だから

賃金が世界標準に収斂する=今の賃金に比べて明らかに国民の賃金が下がるのだから家計の金融資産は伸び悩む。
 それゆえに、貴方らのいう『ザイセイハタン』を早めるのではないか と聞いているのだが・・・
つまり
日本国の財政を守るという事を考えるとTPPなど入ってはならない と。
 散々貴方らは「家計の金融資産を国債発行額が上回れば、日本は破綻する」といって来たのだから、よもや家計の金融資産を目減りさせるような政策(=TPP)に賛成することなどありますまいな。

4 ■Re:いや、だから

>boarsheadさん

それは低スキルの仕事の話でしょう。 TPPに参加しなければ、海外でのビジネスチャンスが減るから、企業業績にはマイナスですよ。 TPPは労働市場の開放が目的なんだから。

高スキルの仕事を増やすことが目的でしょう。 低スキルの仕事は海外に生産を移して移管してしまい。 開発や企画を日本でやればいいわけですよ。 

製造まで日本でやっていたら、高スキルの仕事は増えないでしょう。 世界を工場にして、日本は研究開発と本社業務に特化すればいいでしょう。 こちらの方が賃金は高いわけだし。  

世界の低賃金労働者と同じことをやっている日本人に高給を払って行けというのは、国を滅ぼせというのと同じですよ。 

世界の賃金は同一仕事、同一賃金になって行かざるを得ないんですから。  

もしそれを阻止できるというのなら、方法を示して下さい。

5 ■代わりに答えてあげよう

生活水準を下げればいいんです.そうでしょう?そう主張してませんでしたか?

6 ■>1 

>TPPにより安い労働力が入ってくる

はい、これは正しい。しかしながら、以下のAとBではAのほうが有利じゃありませんか?

A. 外国人労働者が日本国で労働→日本生活し、日本に税金を支払う。企業は当然法人税を日本国に納める。海外労働者が1年以上日本に留まる場合は、その労働は日本のGDPにカウントされる。
B. 日本に存在した企業が安い労働力を求めて海外に移転・直接投資を行う→日本から派遣された社員も、現地で採用した労働者もその国で生活し、社員や労働者の支払う税金も、企業の税金もその国の歳入となる。

おや、「二者択一にするのは詭弁」という声が聞こえますねぇ。それではAとBの他に、選択肢をサービスしましょう。

C.日本国が国内の私企業に対し海外移転や海外投資を禁止し、労働者は全て日本国民を使う事を命ずる。企業の生産物は基本的に(随意契約以外、つまり外国から「他国ではなく日本の製品を売ってくれ」と頼まれない限りは)国内で消費する。企業が立ち行かなくなった場合は、国が救済する。

如何ですか?

7 ■>1

>TPPによって安い労働力が入ってくる→賃金が下がるので『家計の金融資産』が増えない(それどころか減る)。

この→が成立するのは、海外の安価な労働者でも代替できる仕事をする一部の国民だけです。
単純に考えても、それを雇う雇い主の収入は上がりますし、それによって企業の業績が上がれば、安い労働者に代替できない社員の賃金は上がり、金融資産も減らない(それどころか増える)でしょう。

また、>6にも関連しますが、海外から来た安い労働力は日本で生活し、日本で納税しますので、日本で金融資産を持つ事も十分考えられます。

従って、この→は必然ではありませんから、誤りです。

8 ■ブログ主は

結論ありきの論理破綻論者。財政破綻を破綻論理で主張する。到底納得できない。今回も逃げると思う。(魚拓お願いします)

9 ■>7 ダウト

>この→が成立するのは、海外の安価な労働者でも代替できる仕事をする一部の国民だけです。
単純に考えても、それを雇う雇い主の収入は上がりますし、それによって企業の業績が上がれば、安い労働者に代替できない社員の賃金は上がり、金融資産も減らない(それどころか増える)でしょう。

企業の業績はこれでは上がらない。逆に苦しくなる。なぜなら、代替されるのは決して「一部の国民」ではなく、マクロで見ればデフレスパイラルが加速するだけだから。従い、逆に安い労働者に代替できない”ほんの一部”の社員の賃金も下がる。

木を見て森を見ずの典型だ。

10 ■誰も言ってもいない極論持ち出す手法

>>teleius225さん

>公共事業を国家の主要産業にできるわけじゃない。鎖国しても展望は全くありません。

そのとおりです。そして「鎖国論」だの「公共事業を国家の主要産業に論」をわざわざ持ち出してくるのはteleius225さんだけです。
だれもそんな事言っていないんですが。。。

誰も言ってもいない極論持ち出す手法は
teleius225さんが言っていた「仮想敵が必要な人々」そのものではありませんか?
http://ameblo.jp/teleius225/entry-10871220556.html

ずっと前から某blogで色んな方々に指摘されているようですが。

11 ■無題

 話がずれて申し訳ないですが、
 ありていに言えば、グローバル競争に勝つには、人間を奴隷のようにこき使えばいいのです。移民工場地帯特区を設け、低賃金労働者を世界から連れてくる
(別に日本人でもいい)。その隔離された特区で格安の人件費でモノを生産する。
 しかし対抗するには、世界中もそれをやるしかない。すると雇用環境が世界的に悪化します。結局中産階級がいなくなり、人類は低賃金奴隷と資産家に分裂。不幸な社会になります。しかし残念ながらこれを乗り越える知恵というのは今のところないということを考えるべきかもしれませんね。

12 ■いや、そもそも人の話全然聞いてないだろ

いや、高スキルの仕事を増やすチャンスだとか、海外でのビジネスチャンス云々ではなくて
「日本の財政」はどうなるのか という事を再三聞いているのだが、財政の「ざ」の時も出てきていないよね。
この程度の読解力も持ち合せていない、他人に対して論理的な説明すら出来ない様な者が「俺様はJ大学で博士号をとっているんだぞー」などと、厚かましいにも程があると思わぬか。
 低スキルの仕事を海外に移す? なるほど、それならまずは自分の専門分野に打ち込む事もせず、門外漢の分際で昼夜問わず、他人のブログにいちゃもんを付け、データ付きで反論されても自分にとって都合の悪い事は全てスルー、もしくは意味不明な逆切れを繰り返し、しまいにはアクセス禁止を喰らったという非常に低スキルな「ごくつぶし」大学教員をとっとと海外へ移住させるべきだと思うのだが。異論はあるまいな。

コメント投稿

コメント記入欄を表示するには、下記のボタンを押してください。
※新しくブラウザが別ウィンドウで開きます。

一緒にプレゼントも贈ろう!

アメーバに会員登録して、ブログをつくろう! powered by Ameba (アメーバ)|ブログを中心とした登録無料サイト