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【スポーツ】

安藤美姫が4年ぶり世界女王

2011年5月1日 紙面から

表彰後、「がんばろうニッポン」と書かれた日の丸を掲げる笑顔の安藤美姫

写真

◇フィギュアスケート世界選手権<第6日>

 ▽30日▽モスクワのスポーツパレス・メガスポート▽女子フリー、アイスダンスフリー▽ペン 田中一正▽カメラ 内山田正夫

 安藤美姫(23)=トヨタ自動車=が逆転で4季ぶりの世界一を勝ち取った。前日のショートプログラム(SP)2位に付けた安藤は、フリー130・21点、計195・79点をマーク。SP首位だった韓国のキム・ヨナ(20)を1・29点上回った。2年連続3度目の女王を目指した浅田真央(20)=中京大=はフリー114・13点、計172・79点で6位、初出場の村上佳菜子(16)=愛知・中京大中京高=は計167・10点で8位だった。

 世界女王の奪還だ。安藤がSP1位の五輪女王・キム・ヨナを逆転し、4年ぶりの世界選手権優勝。荘厳なグリーグの「ピアノ協奏曲イ短調」を滑りきり、ロシアの観客を酔わせた。

 「小さなミスを出してしまったのがすごく悔しいけど、最後大きなミスなく終われたのがうれしい」。今季は5戦してすべてノーミスと、得意にしていたフリー。世界選手権の緊張から連続ジャンプの2発目でミス。だが残りはほぼパーフェクトに滑りきった。

 また逆転だ。得点が加算される後半に、5種類のジャンプを跳ぶため爆発力があるフリー。これで今季5勝のうち4勝が逆転。1年1カ月ぶりに復帰した五輪女王にも、その威力は大きかった。

 キム・ヨナを抜いたことを知ると、ニコライ・モロゾフコーチと抱き合って喜んだ。コンビを結成した直後の06〜07シーズンの世界選手権で優勝。それから4年たっても安藤は「リンクの上で言葉を交わさなくても信頼感がある。私にとって世界一のコーチ」と絶大な信頼を置く。

 いつもファンのために滑ることを心掛ける。「自分のため、順位のために滑ったことはない」。特に今回は、東日本大震災で被災した日本の人々のため。子どもの時に父を亡くした安藤は「周りの支えが励みになった。今回は自分がその力になれたら」との思いで滑った。表彰式を終えると、金メダルを胸に掛け「がんばろうニッポン」と書かれた日の丸を掲げてビクトリースケーティング。会場、そしてテレビの前で応援してくれた母国のファンと喜びを分かち合った。

 前回の優勝は、4回転ジャンプを跳びたがった19歳の時。23歳で難しいジャンプを封印して得た今回の優勝は、大人の優勝といえる。だが「今の大人の体では4回転ジャンプは無理だけど、いつかは跳びたい。それに3連続3回転ジャンプにはトライしていて、たまに着地できる」という。女子の国際大会では誰も跳んでいない大技。円熟の域に入っても、さらなる飛躍を目指す。

 

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