ネットで効果的に物資援助 必要なもの直送


 

 避難所の要望に応じて直接支援物資を送るボランティア「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は、県内や宮城県などで活動の輪を広げている。被災者の要望とボランティア賛同者の支援が合致することで効果的な援助が行われ、特に行政の目が届きにくい小さな避難所や自宅避難者へのきめ細かいサポート役として成果を挙げている。

 同プロジェクトは、仙台市出身で早稲田大大学院専任講師の西條剛央(たけお)さん(36)らが今月上旬に立ち上げた。宮城県南三陸町を皮切りに、陸前高田市や宮古市、福島県いわき市などの小さな避難所や個人宅60カ所以上へ支援をしている。

 支援の流れは、まず各避難所からの要望をインターネットサイトに掲示する。ツイッターで募集開始を告知し、サイトを見た全国の支援者が避難所に直接郵送する仕組み。必要な分量が集まり次第打ち切る。同プロジェクトは物資を仕分ける必要がなく、すぐに届くこともメリットだ。

 西條さんは26日、支援物資を送る陸前高田市の市消防団高田分団詰め所を訪問。大坂淳分団長(53)と支援状況などを確認した。風呂を炊くまきを作るためのチェーンソーを要望したところ、2日後には届けられたという。大坂さんは「ネット力のすごさを知った」と感謝する。

 支給された衣類を自分のサイズに作り直すためのミシン、断水で全自動が使えないために二槽式の洗濯機、行政には要求しづらい化粧品や調味料などさまざまな要望を受け付ける。時間をつぶすための毛糸の編み物セットが喜ばれた避難所もあった。

 西條さんは「大きな避難所には物資が集まりやすいが、末端の避難所には十分な物資が届いていないのが現状。全国には相当数の人が支援したいと思っている。特に自宅避難者には積極的に活用してほしい」と願う。

 同プロジェクトの連絡先は電話が090・9961・3721。公式ホームページはhttp://fumbaro.org/

(2011/04/29)




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