南アフリカに対する渡航情報(危険情報)の発出
2010年08月12日
●ヨハネスブルク,プレトリア,ケープタウン及びダーバン :「十分注意してください。」(継続)
☆詳細については,下記の内容をよくお読みください。
1.概況 南アフリカは,観光資源等に恵まれた経済大国であり,政情は基本的に安 定していますが,治安面では,銃器を用いた犯罪が多発しています。同国滞 在中に武装強盗等に遭遇する可能性がありますので,十分に注意してくださ い。日本人被害者の中では,特に長期滞在する在留邦人や出張者,個人旅行 客の強盗窃盗被害が複数報告されています。その一方で,団体旅行客の犯罪 被害はほとんど発生していません。詳しくは下記を参照してください。
(1)南アフリカでは,2009年4月の総選挙を経て,翌5月に与党のアフリカ 民族会議(ANC)のズマ総裁が大統領に選出され就任しました。一方,同 年8月には同大統領の支持基盤である労働組合が賃上げを求めて全国規模 のデモを行い,その際に一部のデモ隊がごみをまき散らすなどの示威行 動も行いました。また同じ時期から,政府による住宅供給や,電気・水 道・下水等の行政サービスが改善されないことに対する反発から一部の タウンシップ(Township,いわゆる黒人居住区。以下,「タウンシップ」) において住民による焼き討ちや公道封鎖事件が度々発生しています。 最近では,2010年3月にヨハネスブルグやプレトリア周辺のタウンシッ プで抗議デモ隊が暴徒化し,その都度,警察が鎮圧する事件が10件以上 発生しています。また,同年6月から7月に開催されたサッカーワールド カップの期間中においても試合会場の警備員による賃上げストライキや デモが行われ,警察が厳しく対応した経緯があります。 南アフリカの政情は基本的に安定していますが,同様の事件は引き続 き発生する可能性があります。 (2)南アフリカの犯罪発生率は高く,ズマ政権は,治安関連予算の増額を 発表し,治安当局による取り締まりを強化するとともに,警察官の増員 や施設の充実を図ってきていますが,周辺諸国からの不法移民を含む貧 困層の流入,外国人を含む組織化された犯罪シンジケートの活動,大量 の銃器の不正流通などは現在も続いています。
2.地域情勢 :「十分注意してください。」 以下の情報は犯罪に遭遇する可能性の高い地域について説明するものです が,これら地域において大規模な催し物などが行われる場合があります。そ うした行事の会場に行かれる際には,可能な限り会場の近くまで車で移動し てください。一般に,これらの会場の警備は厳重ですが,会場から駐車場ま での間は警備が手薄になりますので,徒歩で移動する際には周囲に十分注意 してください。また,下記に記載のない場所でも犯罪被害は発生しています ので油断は禁物です。犯罪手口の詳細については「安全対策基礎データ」を 参照してください。
(1)ヨハネスブルグ ヨハネスブルグの市街中心地(Central Business District(CBD),カ ールトンセンター付近からヨハネスブルグ中央駅及びヒルブローに至る地 区)は,サッカーワールドカップ会場であったエリスパークスタジアムも 含めて,殺人,強盗,強姦,恐喝,暴行,ひったくり,車上狙い,麻薬売 買等の犯罪が,時刻,場所を問わず発生しています。CBDに位置するヨハ ネスブルグ中央駅付近や長距離バスターミナル等においては,邦人旅行者 が付近を通行中に首絞め強盗(旅行者を複数で襲い,突然背後から首を絞 めて所持品を奪う強盗)に襲われる事件が頻発しています。これらの事件 は白昼,人通りが多い所でも発生しており,中には長距離バスから下車し た直後に襲われた例もありますので,可能な限り市中の公共輸送機関の利 用は避け,CBDには立ち入らないようお勧めします。やむなく長距離バス を使う場合には,宿泊先や訪問先に出迎えを依頼し,出迎えが来るまでタ ーミナルビル内に留まるようにしてください。また,タクシーを利用する 場合には宿泊先等を通じて信頼できる業者を手配し,利用してください。 タウンシップ(いわゆる黒人居住区)内においては,他のアフリカ諸国 からの不法移民を狙った襲撃事件が発生していること,行政サービスが不 十分であるとする不満からデモや暴動が度々発生していること,一般犯罪 の発生率も高いことから,ソウェトなどの有名なタウンシップであっても 信頼できる案内人の同伴なしに立ち入ることは避けてください。ソウェト 付近には,サッカーワールドカップの決勝戦会場となったサッカーシティ ー・スタジアムがありますが,試合の無いときは近寄らない方が賢明です。 同市北部郊外のサントン,ローズバンク,ハイドパーク,ブライアンス トン,フォーウエイズ,デンファンやその周辺地区は一般的には比較的安 全と言えますが,ショッピングセンター内の銀行や宝石店,ファスト・フ ード店に武装強盗団が押し入り,警備員や駆けつけた警官との間で銃撃戦 となった事件や,在留邦人がよく利用するレストランの営業時間中に拳銃 強盗が押し入り,店からだけでなく客からも金品を強奪する事件も発生し ています。また,車を尾行して住居前で止まったところを襲撃する尾行強 盗や,犯罪捜査を口実に通行する車を止めて身分証明書や財布等の提示を 求め,財布から高額紙幣を抜き取る偽警官による被害も報告されています。 同市東部のブルマ地区にある中国人街は,在留邦人も利用する地域ですが, 必ずしも安全ではありませんので,常に周囲への注意を怠らないなど十分 注意することが大切です。 ヨハネスブルグ空港(O.R.Tambo国際空港)には,最近,メーターを備え たタクシーが客待ちをするようになりました。利用にあたっては空港ロビ ー内のタクシースタンドで事前に料金額(市内までの一律料金,又はメー ターによる課金)を確かめてから乗車してください。可能であれば,空港 到着前に宿泊先や旅行会社を通して送迎車(タクシー含む)をあらかじめ 依頼しておくことをお勧めします。 同空港と市内サントン地区を結ぶ高速鉄道(Gautrain,ハウトレイン) は安全に利用できます。但し,サントン駅から安全に利用できる交通手段 が限られていますので,宿泊先や訪問先に同駅への出迎えを依頼すること をお勧めします。また,途中駅周辺の治安は悪いので途中下車はなるべく 避けてください。 (2)プレトリア 首都プレトリアは,ヨハネスブルグの北方約70kmに位置しており,犯罪 発生傾向もヨハネスブルグと似ています。セントラル地区において強盗や 窃盗等の犯罪が日常的に発生しており,サッカーワールドカップ会場であ ったロフタス・スタジアムがあるサニーサイド地区やプレトリア・ウエス ト地区でも武装強盗や殺人・強姦といった凶悪事件,スマッシュ・アンド ・グラブ(下記3.(4)(イ)参照),カージャック,自動車・バイク 盗,車上狙いが多発しています。マメロディなどの近隣のタウンシップに おいても一般犯罪の発生率が高いので,立ち入ることは極力避けてくださ い。 日本国大使館付近のブルックリン地区など,以前は比較的に安全であっ た同市南部郊外においても一般住宅への武装強盗の襲撃事件が増加してい ます。また,プレトリア駅周辺やバスターミナル付近では,日中でも邦人 旅行者が路上強盗(首絞め強盗)に遭う事件が報告されておりますので, 鉄道又はバスを利用される方は,あらかじめ宿泊先又は旅行業者等に送迎 車を依頼するようにしてください。また,市内滞在中は,周囲に対する警 戒を怠らず,身の安全を第一に考えて慎重に行動してください。 (3)ケープタウン 観光地として有名なケープタウンにおいても犯罪件数は高水準で推移し ており,他都市と同様に十分な注意が必要です。市街中心地(Central Business District (CBD))は,日中の人通りが多い時間帯は比較的安全 であり,徒歩による観光を楽しむことができます。但し,単独で散策して いた邦人旅行者が中央駅前で路上強盗に遭う事件等が過去に報告されてい ますので,時間帯を問わず複数名での行動を心がけ,訪問先は観光名所や 人通りの多い場所に限定することが賢明です(中央駅やグランド・パレー ド周辺は観光客も少なく一人歩きはお勧めできません)。また,週末は日 中であっても閑散とするエリアが多く注意が必要です。 夜間のオフィス街(アデレー・ストリート等の商業ビルが立ち並ぶエリ ア)は日中の賑やかさとは対照的に,人通りが絶えて寂しい場所になりま すので,歩くことは避け,移動には必ず車を利用するようにしてください。 夜間はロング・ストリートやその周辺エリアが現地の若者や各国旅行者で 賑わいますが,麻薬密売業者等が多く,邦人旅行者の路上強盗被害も報告 されていますので,同エリアを訪問する際には不用意に行動するのではな く,事前にガイドブックや現地事情に詳しい人から情報を得て,目的地ま で宿泊先などで手配したタクシー等で直行することが賢明です。 V&Aウォーターフロント(Victoria & Alfred Waterfront)地区は,警備 員が多数配置されていることもあり,夜遅くまで観光客や現地人で賑わっ ています。夜間は複数名での行動が賢明ですが,周囲に対する警戒を怠ら ない等の基本的事項を厳守すれば,路上強盗等の犯罪被害に遭うリスクは 低いと言えます。なお,同地区に隣接するグリーンポイント地区にはサッ カーワールドカップの試合会場となったケープタウン・スタジアムがあり ます。日中は安全と言えますが,夜間は人通りが少ない場所ですので近寄 らないよう注意が必要です。 タウンシップには,ギャングや麻薬密売者,売春婦等が多く,例えば, ケープタウンの代表的なタウンシップであるニャンガやカエリチャ地区の 殺人事件発生率は南アフリカ最高水準です。タウンシップへの訪問を希望 する場合には,レンタカー等での単独訪問はせず,必ず現地事情に詳しい 案内人を同伴させて下さい(観光案内所にてタウンシップ・ツアーの情報 があります)。 市街地や海岸線を一望できるテーブルマウンテンは年間を通し観光客で 賑わっています。最近は警備が強化され犯罪被害も減少傾向にあり,常に 周囲への注意を怠らないなど基本的注意事項を厳守すれば犯罪被害のリス クは低いと言えます。テーブルマウンテン頂上へはケーブルカーを利用す る他に徒歩による登山も可能ですが,登山客に対する強盗被害事例が過去 にありますので,登山をする場合には,当日の天気やルートを事前に確認 し,複数名での行動を心がけてください。 ケープ半島には喜望峰やボルダーズ・ビーチ(同ビーチに生息するペン ギンが有名)等の観光名所があり,多くのツアーが組まれていますが,信 頼のおける旅行会社のツアーに参加すれば犯罪被害に遭うリスクは低いと 言えます。レンタカー等で自ら運転する場合には,タウンシップ等の地域 に迷い込むと危険ですので,事前にルートをよく確認するようにして下さ い。 最近ケープタウンでは,乗り合いタクシーに扮した車両(運転手と乗客 が結託)に客をおびき寄せ車内で金品を強奪するという事件が複数発生し ています。人の少ない不慣れな場所からの乗合いタクシー利用は極力避け, 特に夜間は短距離であっても信頼のおけるタクシー会社を利用するように してください。 また,邦人旅行者や在留邦人からのクレジットカードの被害(スキミン グ被害)報告も増加傾向にあります。高級ホテルやレストランであっても 油断は禁物です。 (4)ダーバン 市中心部のセントラル地区などの治安状況は悪く,殺人,住居侵入強盗, 路上強盗の犯罪が多発していますので,昼夜を問わず市中心部では一人歩 きは避け,慎重に行動してください。同地区では人通りが多くにぎやかな 通りに,荒れて閑散とした通りが隣接しているところがあります。危険だ と思ったら,直ぐに引き返してください。通り抜けようとすると更に危険 な地域に立ち入ってしまうことがあります。セントラル地区のダーバン国 際会議場と隣接の高級ホテル周辺,海岸沿いのマリーンパレード通りにあ る高級ホテル街でも,散策中の邦人旅行者が強盗やひったくりに遭う被害 が発生しています。これらのホテルに投宿する際には,周辺事情について ホテル側に尋ねるようお勧めします。 セントラル地区北側にあり,サッカーワールドカップの試合会場となっ たモーゼス・マヒダ・スタジアムとその周辺の公園や,同地区南隣のポイ ント地区にあるシーワールド付近は日中は安全と言えますが,夜間は人通 りが絶えて寂しい場所ですので,行動にはご注意ください。 ダーバン空港と市内及び郊外のホテルを結ぶシャトルバスや,ダーバン 市内の観光ポイントを結ぶ巡回バスが最近導入されました。導入されて間 がないため,使用は日中のみに限り,また乗車前に料金を確認するなど十 分注意してください。ちなみに,移動手段としては宿泊先や旅行会社が斡 旋するタクシーか,又は運転手付きレンタカーの方が信頼できます。同市 郊外は比較的安全と言えますが,ホテルロビー等での置き引き事件が発生 していますので,手荷物などに十分注意を払うなどの用心が必要です。 (5)他の都市 南アフリカでの犯罪は,都市部で多く発生しており,手口等も似通って います。上記4都市ほどではありませんが,サッカーワールドカップの試合 開催都市となったポートエリザベス,ブルームフォンテイン,ネルスプリ ット,ポロクワネ,ラステンバーグやその他の都市においても拳銃強盗な どに遭遇する可能性がありますので,十分注意してください。また,宿泊 先等から防犯情報を入手することをお勧めします。 (6)上記以外の観光地 ガーデンルート(ケープタウンとポートエリザベスを結ぶ海岸線の観光 ルート)は安全といえますが,日本人観光客が置き引きの被害にあった例 がありますので,携行品については上記都市と同様に注意を払ってくださ い。 クルーガー国立公園やその周辺についても同様ですが,それに加えて大 型野生動物に対する注意が必要です。公園のレンジャーなどから説明され る注意事項を良く守ってください。
つきましては,上記の各地域に渡航・滞在される方は,犯罪や事件に巻き 込まれないよう,それぞれの情勢を踏まえ,十分注意してください。
3.滞在に当たっての注意 旅行者及び滞在者は,下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるよ うにしてください。また,外務省,在南アフリカ日本国大使館,在ケープタ ウン出張駐在官事務所,現地関係機関等より最新情報を入手するよう努めて ください。滞在に当たっては,「安全対策基礎データ」を参照するとともに, 下記の各事項についても十分注意してください。
(1)渡航者全般向けの注意事項 (イ)南アフリカの大都市では,強盗事件が非常に多く発生しています。 上記2.に列記した地区以外でも,滞在中に強盗に遭遇する可能性が あります。このため,次の点に注意してください。 (a)銃器やナイフなどの武器を持った強盗に遭遇した時は,生命に危 険が及ぶ可能性がありますので,抵抗したり相手を刺激するような 行為や言動は避けてください。多額の現金は持ち歩かないでくださ い。 (b)クレジットカードや国際キャッシュカードは,盗難時に直ちに失 効手続がとれるよう,番号や連絡先を別途記録しておいてください。 また,クレジットカードを複数お持ちの方は,万一に備えてホテル の金庫に1枚保管するなどして,盗難に遭ってもその後の行動,滞在 などが続けられるように工夫してください。 (c)銀行やATM等から現金を引き出した直後に強盗に襲われる事件や, カード情報の読み取り機を仕掛けられたATMを介して,現金が不正に 引き出される事件が発生しています。人通りの多いショッピングセ ンター内であっても安心できません。ATMから現金を引き出す際は周 囲の状況に注意を払うようにしてください。 (ロ)クレジットカードのデータを不正に読み取って多額の引き落としを 謀るスキミングの被害もあります。クレジットカードを使用する際に はカードから目を離さないようにしてください。多くのレストランで は清算用のカード読み取り機を客のテーブルまで持ってきますが,そ うでない店の場合には自分でレジまで赴いてください。高級ホテル レストランにおいても,従業員が買収されている可能性がありますの で,油断は禁物です。 (ハ)タウンシップ(いわゆる黒人居住区)に信頼できる案内人の同伴な しに立ち入ることは避けてください。また,タウンシップに限らず, 多数の人が集まる場所でデモや暴力事件を見かけた場合は,当事者だ けでなく,見物人も含めて暴徒化し,略奪行為に発展する可能性があ りますので,直ちにその場を離れてください。 (ニ)南アフリカへの渡航に当たっては,日本のパスポート所持者が観光 や業務で90日以内の滞在を目的とする場合には査証(ビザ)は不要で すが,事前にパスポートの残存有効期間が滞在予定期間に加え,30日 以上あること及び南アフリカ入国時に未使用の査証ページが2ページ 以上あることを確認してください。足りない場合には、南アフリカ入 国を拒否される可能性があります(海外の南アフリカ大使館の案内で は1ページ以上とされていますが,2ページ以上ないとして南アフリカ への航空機搭乗を拒否されたケースも出ています)。また,第三国を 経由して南アフリカに入国する際にも同様に必要ですので,少なくと も訪問国数分以上の未使用のページが必要となります。)。 (ホ)外出時にパスポートを所持していなかった在留邦人が警察に拘束さ れるという事件も発生していますので,滞在中は常にパスポートを携 行するようにしてください。 (ヘ)南アフリカからその周辺国に陸路で移動する場合には,国境の検問 所において必ず双方の国の出入国手続きと税関手続きを受けてくださ い。南アフリカから隣国に入国する際に,国境ゲートを開閉する係官 のあいまいな指示のために入国印を得ないまま隣国に入国してしまっ た日本人旅行者が,出国時に入国印が無いという理由で逮捕拘束され たケースが出ていますので,十分注意してください。 (ト)ヨハネスブルグ空港での乗り換えの際に,飛行機預け入れの荷物の カギが壊されて貴重品を盗まれたり,荷物そのものが紛失する例が目 立ちます。貴重品,カメラやビデオなどの他,若干の着替えなども機 内持ち込み荷物にするなどの用心が必要です。また,最近では,各航 空会社とも機内持ち込み荷物の規定(サイズ、重量)が相当厳しくな っていることにも留意が必要です。 (チ)南アフリカでは,十分な医療を受けられる医療機関は,私立病院に ほぼ限られており,その医療費は高額ですので,事前に海外旅行保険 に加入することをお勧めします。なお,クレジットカード付帯の保険 だけでは保証金額が十分でないため,症状が重い場合には自己負担額 が極めて高額になることがあります。 (2)団体観光旅行者向けの注意事項 添乗員や現地ガイドが同行する団体観光旅行者の犯罪被害例はほとん どありません。これは,全日程で宿,食事,交通手段があらかじめ手配 されていることから,犯罪者に狙われるスキが少ないためと思われます。 ただし,その一方で,体調不良となっても日程を変えることができずに 無理を重ねて入院に至るケースが起こっています。南アフリカは日本か ら遠く,時差が大きく,南半球にあるため季節は逆であり,また一部の 都市や観光地は高地にあります。疲労が蓄積しやすいことに留意して, 旅程に余裕のあるツアーを選ぶよう心がけてください。健康上の注意に ついては「安全対策基礎データ」をご参照ください。 (3)個人観光旅行者向けの注意事項 (イ)南アフリカには近距離鉄道や市中バスなどの公共輸送機関はありま すが,観光客用に整備されていないため観光に便利ではありません。 また,車内や駅・バスターミナル内外での犯罪発生率は高いので利用 することはお勧めしません。市内観光などは,宿泊先や旅行会社が手 配するツアーを利用してください。移動には,宿泊先を通してタクシ ーを依頼するか,レンタカー(運転手付きのサービスあり)を依頼し てください。 (ロ)ブルートレインなどの長距離観光列車は比較的安全ですが,2010年 4月には脱線事故が発生しました。今後も類似の事故の発生や途中駅 停車時などの際に犯罪に遭う可能性が皆無ではありませんので,乗務 員の安全に関する説明には注意を払ってください。グレイハウンドな どの長距離バスも比較的に安全ですが,乗降時には十分注意してくだ さい。特に,大都市のバスターミナル周辺では強盗被害が多いので, 利用される際には宿泊ホテルや旅行社を通して送迎車を利用してくだ さい。 (ハ)ケープタウンのある西ケープ州等では,これまでにも邦人旅行者が 希少動植物の違法採取の容疑で逮捕される事件が発生しています。貴 重な動植物が生息する南アフリカでは,自然保護の観点から近年取締 りが強化されていますので,不用意に昆虫その他の動植物等の採取等 はしないでください。 (4)長期滞在者,出張者向けの注意事項 (イ)交差点で停車中に助手席側窓ガラスを割り,座席においてあるバッ グ等を強奪する「スマッシュ・アンド・グラブ」が多発していますの で,車のドアは必ずロックし,助手席等外部から見える場所にバッグ やウエストポーチ,貴重品等を置かないでください。ちなみに,女性 一人での運転は被害に遭いやすい傾向にあります。また,ヒッチハイ クしている者は乗せない,暗闇では停車しない等の注意も必要です。 (ロ)住居や勤務先への侵入強盗が増えています。また帰宅時に不審車両 に追尾され,自宅前で止まったところを武装強盗に襲われるといった 被害例もありますので,住居や勤務先の防犯対策に万全を期すととも に,外出の際には犯罪に巻き込まれないよう身の周りの安全に十分注 意してください。 (ハ)過去に,正規の労働許可(労働査証)を取得するよう,南アフリカ 内務省より警告を受けたにもかかわらず,業務のためとして,労働査 証を取得せずに90日以内の南アフリカ滞在を繰り返す例が報告されて います。この場合は,たとえ所属会社内では長期出張の扱い(現地へ の転勤扱いではない)であっても,あらかじめ在日南アフリカ大使館 から労働査証を取得するようにしてください。 (ニ)ナイジェリアを主な舞台として頻発してきた国際的詐欺事件(いわ ゆる「419号事件」)が南アフリカにおいても頻繁に発生しており, 邦人の被害も度々報告されていますので十分注意してください。この 事件は詐欺だけに止まらず,武装した犯人による監禁、身代金要求と いった犯罪手口も出てきています。2008年9月には偽の商取引におびき 寄せられた日本人出張者が誘拐され,身代金を要求される事件が発生 しましたが,南アフリカ警察により救出されました。しかし,外国人 被害者の中には殺害された例がありますので,十分な注意が必要です (詳細については,「安全対策基礎データ」及び広域情報を参照して ください。)。 (ホ)現地に3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですの で,到着後遅滞なく最寄りの在南アフリカ日本国大使館又は在ケープ タウン出張駐在官事務所に「在留届」を提出してください。また,住 所その他の届出事項に変更が生じたとき又は南アフリカを去る(一時 的な旅行を除く)ときは,その旨を届け出てください。なお,在留届 は,在留届電子届出システム(ORRネット, http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。また, 郵送,FAXによっても行うことができますので,在南アフリカ日本国 大使館まで送付してください。
4.隣国のナミビア,モザンビーク及びジンバブエの危険情報にも御留意く ださい。
(問い合わせ先) ○外務省領事局海外邦人安全課 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2306 ○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ) 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1 電話:(代表)03-3580-3311(内線)3680 ○外務省領事サービスセンター(海外安全担当) 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902 ○外務省海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/ http://www.anzen.mofa.go.jp/i/ (携帯版) ○在南アフリカ日本国大使館 住所:259 Baines Street, corner Frans Oerder Street, Groenkloof, Pretoria 0181, Republic of South Africa. 電話: (27-12) 452-1500 FAX : (27-12) 460-3800~1 ホームページ: http://www.za.emb-japan.go.jp/index_jp.html ○在ケープタウン出張駐在官事務所 住所:2100 Main Tower, Standard Bank Center, Heerengracht, Cape Town, 8001, Republic of South Africa 電話: (27-21) 425-1695~6 FAX : (27-21) 4182116
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