事件【放射能漏れ】東電、津波被害再評価後回しで間に合わず 東海第2と明暗+(2/2ページ)(2011.4.3 20:13

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【放射能漏れ】
東電、津波被害再評価後回しで間に合わず 東海第2と明暗

2011.4.3 20:13 (2/2ページ)
岸壁の多くの施設が破損した福島第1原発。中央が1号機、その左が2号機=3月31日(防衛省提供)

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岸壁の多くの施設が破損した福島第1原発。中央が1号機、その左が2号機=3月31日(防衛省提供)

 しかも東電は19年7月に起きた新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が、設計想定を上回る揺れに見舞われ、建屋の破損などで運転停止に追い込まれた。このため、同地震の揺れを考慮した耐震強化を行い、21年にようやく保安院からの了承を得て、その後に津波被害の再評価に入っていた。

 福島第1原発は建設当時、昭和35年のチリ地震による津波を考慮し、3.1メートルの津波を想定。さらに土木学会が14年に出した指針に基づき、最大5.7メートルに引き上げた。ただ、冷却用の海水を循環させるポンプなどが「ほぼむき出しの状態」(東電)で設置されるなど、津波に対する防備の甘さを指摘する声があったが、審査の長期化もあり、震災まで対策がとられることはなかった。

 これに対し、東海第2原発では、再評価と同時に茨城県が19年10月に出した「津波浸水想定」に基づき対策を実施。冷却用海水ポンプを守るため、従来あった3.3メートルの防護壁に加え、昨年9月に取り囲むように側面にも2.8メートルの壁を設けた。同原発に押し寄せた津波は5メートルと福島第1の半分以下だったこともあるが、ポンプや電源は一部浸水しただけで、冷却を継続できた。

 同社では「厳しい基準に合わせ、先に対策を取ったことが功を奏した」と話している。

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岸壁の多くの施設が破損した福島第1原発。中央が1号機、その左が2号機=3月31日(防衛省提供)
海側から見た福島第1原発の(右から)1号機、2号機、3号機、4号機。真水を積んだ米軍提供台船の接岸作業に付き添い、海上自衛隊員が撮影した=3月31日(防衛省提供)

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