事件【放射能漏れ】東電、津波被害再評価後回しで間に合わず 東海第2と明暗+(1/2ページ)(2011.4.3 20:13

  • [PR]

[事件]ニュース トピック:放射能漏れ

  • メッセ
  • 印刷

【放射能漏れ】
東電、津波被害再評価後回しで間に合わず 東海第2と明暗

2011.4.3 20:13 (1/2ページ)
岸壁の多くの施設が破損した福島第1原発。中央が1号機、その左が2号機=3月31日(防衛省提供)

クリックして拡大する

岸壁の多くの施設が破損した福島第1原発。中央が1号機、その左が2号機=3月31日(防衛省提供)

 東京電力福島第1原子力発電所事故で、東電は平成21年から津波による被害の再評価を進めていながら、結果的に3月11日の震災に間に合わなかった。18年に国の耐震指針が改定されたのを受け、揺れに対する設備の耐震性の評価と対策を先に進め、津波対策は後回しになっていたためだ。同原発1~4号機は、約14メートルの津波で非常用発電機が水没しすべて使えなくなり、冷却機能が失われ、深刻な危機を招いた。

 一方、日本原子力発電の東海第2原発(茨城県東海村)では、再評価と同時に冷却用設備に防護壁を設置するなどの対策を行い、冷却機能の喪失を免れ、明暗を分けた。関係者からは「タイミング的に残念な結果になった」(経済産業省原子力安全・保安院)と悔いる声が出ている。

 国の原子力安全委員会は、12年10月に起きた鳥取県西部地震の揺れが従来の耐震性の想定を超えたため、18年9月に「耐震設計審査指針」を改定し、耐震基準を強化。津波についても「極めてまれだが発生する可能性があると想定される」レベルに備えるよう定めた。

 改定に基づく保安院の指示を受け、東電も含む電力各社はすべての原発の安全性の再評価に着手。ただ、保安院の審査は、施設の耐震性の評価・対策を先に行い、その後に津波対策を講じる手順になった。

このニュースの写真

岸壁の多くの施設が破損した福島第1原発。中央が1号機、その左が2号機=3月31日(防衛省提供)
海側から見た福島第1原発の(右から)1号機、2号機、3号機、4号機。真水を積んだ米軍提供台船の接岸作業に付き添い、海上自衛隊員が撮影した=3月31日(防衛省提供)

関連トピックス

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2011 The Sankei Shimbun & Sankei Digital