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平成23年4月4日

海への流出、止まらず−「高分子ポリマー」投入も難航

放射能汚染水・福島第1原発

picture 福島第1原発2号機の取水口付近にある「ピット」と呼ばれるコンクリート製立て坑で亀裂が見つかり、内部に たまった高濃度の放射性物質を含む水が海に流出している=2日午後(経済産業省原子力安全・保安院提供)
 深刻な状況が続く福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、東京電力は3日、2号機の取水口付近にあるコンクリート製立て坑「ピット」から、海に直接流出している高濃度の放射性物質で汚染された水を止める作業を進めた。2日に生コンクリートでピットを埋めたが失敗したため、「吸水ポリマー」と呼ばれる紙おむつに使われる吸水性樹脂を地下管路の上流に投入。しかし、流出は止まらなかった。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は記者会見で、4日朝まで効果を見る考えを示したが、特殊なコンクリートで地下管路をふさぐ3番目の方法も検討していると述べた。色付きの水を流し、流出ルートや流量の確認も行う。

 2号機では以前から、原子炉の損傷した燃料棒から出たとみられる核分裂生成物を含む水が、タービン建屋地下と海岸方向に延びる冷却用海水配管トンネルに大量にたまっている。この汚染水が取水口のごみ取り装置を動かす電源ケーブルの地下管路を通じ、ピットに入っているとみられ、亀裂から勢いよく海に流出しているのが2日朝発見された。

 地下管路の上流二十数メートル地点には、太いトンネルとの接続部があり、東電は3日午後、地上からトンネルに1メートル角の穴を開けた。重機を使い、粉末状の吸水ポリマー8キロとおがくず60キロ、ちぎった大量の新聞紙を投入。管路側に入って詰まるよう、機械でかき混ぜた。ポリマーは水を吸うと20倍程度に膨らむという。

 管路は幅1・1メートル、高さ0・7〜0・9メートル。断面はレンコン状で、電線を通す直径10センチの穴が計15個開いている。

 汚染水の表面付近の放射線量は毎時1000ミリシーベルト以上と高く、運転中の原子炉水より約1万倍も濃度が高い放射性ヨウ素131などが含まれる。同原発周辺で採取された海水からは、高濃度のヨウ素131の検出が続いており、影響が懸念される。



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