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城島 神風V打!連勝で4月5割締め!!

 お立ち台でガッツポーズを見せる城島(撮影・飯室逸平)
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 お立ち台でガッツポーズを見せる城島(撮影・飯室逸平)

 「阪神6-2ヤクルト」(30日、甲子園)

 甲子園を神風が吹き抜けた。阪神は初回、1‐1の同点とし、2死満塁の好機で打席に城島健司捕手(34)。左翼上空へ打ち上げられた打球は、平凡な左飛と思いきや…。浜風にほんろうされた左翼・畠山がまさかのバンザイ。走者一掃の決勝二塁打となった。チームは連勝で4月5割締め。虎の黄金週間はまだまだこれからが本番だ。

  ◇  ◇

 城島は照れくさそうにお立ち台へ上がった。第一声で「風です!!」と言い切ったように、浜風が味方したラッキーな決勝タイムリー。それでも左膝を手術した昨年11月から、ファンの大声援を一身に浴びるこの瞬間を目指してきた。完全復活を果たしたジョーが、満員の聖地を見渡すと最高の笑みを浮かべた。

 1点を追う一回、ブラゼル二ゴロの間に同点に追いつき、なおも2死満塁の場面だった。カウント1‐1からの3球目、真ん中高めのスライダーをフルスイングすると、打球はレフト方向へ高々と上がった。

 しかし…聖地の歓声は徐々にしぼんでいった。誰もが捕られたと思った。その瞬間、右翼から左翼に強く吹き付けていた浜風が味方し、畠山がまさかの“バンザイ”。緑の芝生の上に白球が落ちると、ため息が大歓声に変わった。走者一掃の3点二塁打に、本人も「ラッキーと思ってました」と二塁ベース上で満面の笑みを浮かべた。

 「僕らの世界は結果がすべて。これだけ練習を頑張りました、苦しいリハビリをやってきましたなんて必要ない。絶対に見せん!それがプロでしょ?」。手術直後から始まったリハビリを、城島は一切、報道陣には公開しなかった。1月に鳴尾浜を訪れた際には、報道陣が他の取材で一時的に出払ったすきに虎風荘から抜け出し、球場脇にある阪神バスのバス停に座って迎えの車を待つほど徹底していた。

 再発したら終わりという状況で、超人的な復活ロードを歩みきったジョー。これまでいろんな選手のリハビリを担当した石原チーフトレーナー補佐は、開幕に間に合った要因を「城島が一番、我慢強かった」と評する。

 手術直後に開幕へ向けたリハビリの計画を組んだ。意外にもジョーは調子がいいからといって、その工程を飛ばすことは一度もなく、誰よりも地味な作業を地道にこなした。すべてはグラウンドで結果を残し、ファンを熱狂させるために‐。我慢強く、この日が来ることを信じていたからこそ、奇跡的な回復を成し遂げられた。

 チームは苦しんだ4月を勝率5割で乗り切った。打率が低迷した際にはヤジも飛んだが「自分が褒められて伸びるタイプだというのは書いておいてください!」。上昇気流に乗る5月へ‐。“主役”の完全復活は、何よりも頼もしい。

(2011年4月30日)

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