「楽天3‐1オリックス」(30日、K宮城)
少年との約束を守るため立ち上がった。1点を追う二回、楽天・山崎の打席。3球目に左足首に自打球を当て、へたり込んだ。激痛に顔をゆがめながらも再び打席に入ると続く4球目、外角直球をライナーで右翼席へ突き刺した。足を引きずりながらベースを1周した。
約束の一発だった。この日は被災地、南三陸の歌津中学校の野球部員約20人が観戦に訪れた。宮城県内でも津波の被害が大きかった地域。自宅が流された生徒もいる。試合前の練習後には生徒らに「ホームランを打つよ」と約束した。その場にいた星野監督からは「今日は武司が3本打つからな」と、勝手に3倍増され思わず苦笑いしたが、必ず打つと心に決めて試合に臨んだ。指揮官は「あの打球が入るとはね。自打球を当てて力が抜けたんでしょう」とニヤリと笑った。
主砲のバットから飛び出した地元Kスタ宮城でのチーム1号が逆転勝利へ導いた。ラズナーと呼ばれたお立ち台ではスタンドに向かって叫んだ。
「南三陸の歌津中の野球部員が大変な中、応援に来てくれて打つと約束したけど、みんな、1本打ったから、許してくれよ。みんな、近所の人を助けてやってくれ。頼むぞ」
本拠地で楽天ファンの声援を力に変えて今季初の3連勝で2位に浮上した。前日、嶋はスピーチで「誰かのために闘う人間は強い」と言った。その言葉を42歳のベテランが証明した。
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