![第1回 “サービス業”で勝負する!](http://megalodon.jp/get_contents/58366993)
実は、起業をするまで飲食業で働いた経験はなかったのです。ですから、「 何で創業しようか?」 と本当に色々悩みました。創業したのが28歳ですが、起業を決意したのが23歳、5年間も悩み抜いたことになります(笑)。もちろん天井をじーっと見つめていただけではなく、行動は起こしていました。
大学卒業後は2年間、商社で働きました。その後3年間事業選定をして起業することになるのですが、起業するにあたって、考えていたのは 「 自分が楽しいと思える事業をやろう 」 そして 「 ある程度大きな会社に育てたい 」 ということでした。
学生時代にディスコでアルバイトしていました。今の若い方はジュリアナがぎりぎりだと思いますが、我々はマハラジャ世代でした。いわゆる黒服のアルバイトだったのですが、お客様に目一杯サービスをすると 「 今日は楽しかったわ 」 などと言われて笑顔で帰られるのですね。お客様が凄く喜んでいただくのを見る度に、こちらも楽しい気分になる。「 おっ、彼女たちは俺のファンになったんじゃない?」 などと、ほとんどナルシストの世界ですね(笑)。
学生時代の楽しかった思い出からサービス業にしようとターゲットを定め、規模の大きい外食産業なら多くの上場企業もありますし、大きな企業に育てることができると考え外食企業を立ち上げることに決めました。
外食企業と決まれば、次は業態です。サービスを活かすことができて、ある程度の単価をいただけるのは何かという観点から業態を決めようと考えました。商社を退社後に業態選定のために半年ほど東京に行きました。たまたまといいますか、タイミング良くといいますか、当時牛角や焼肉さかいが出始めた頃だったのですね。これは行けるんじゃないかと思いました。
実は頭の中にぼんやりと 「 焼肉屋 」 があったのです。学生時代に友人の父親に焼肉屋に連れて行ってもらったのですが、「 こんなに美味い食い物があるのか 」 と感動したことがあったのです。「 焼肉ってこんなに高い食い物なのか 」 と逆の感動もしましたが(笑)。私自身肉が大好きでしたし、リーズナブルに提供できれば絶対いけると思いました。焼肉は単価が高い店が多く、牛角などが出始めたとはいえまだ後発でもいけるだろうと考え、焼肉業態にしようと決めました。
資金調達は自力でやりました。東京から戻ってきてから地元の工場への派遣で2年半ほど働いて1000万円ほど貯めました。お金を貯めるのは非常に簡単なことで、使わなければいいんですよ(笑)。月に30万円貯めれば2年半で900万円貯まるじゃないですか。それまでの貯金に車を売った代金を加えれば1000万円になるんですよ。
当時は手取りで32~33万円くらいだったと思いますが、その内30万円を貯蓄に回していたんです。正直、私の場合は環境に恵まれていたと思います。両親と同居していましたので、多大なる協力をしてもらいました。朝夕食は自宅で、昼食は弁当をつくってもらっていました。飲み物も水筒を持っていっていましたから、2年半の間コンビニにも入りませんでしたね(笑)。
よく 「 起業するために苦労されたでしょう 」 と聞かれるんですが、私は苦労したと思ったことが1度もないんですよ。遊びたい盛りの若い時でしたが、最短で1000万円貯めるという目標がありましたから。もちろんお金を使えるほうが気持ちが良いですが、” 今日は1円も使わなかった ” ” おっ今日で1週間1円も使わなかった ” というのも結構気持ちが良いもんなんです(笑)。なんだかゴールに向かってちゃんと進んでいるなと実感ができるんです。これは、起業を目指す方へのメッセージなのですが、『 目標のゴールは短い方が良い 』 ですよ。当時の生活も2~3年が限度で、さすがに5~10年先の話になるとかなり厳しかったと思います。当時を振返っても苦労どころか楽しかった思いのほうが強いですね。
今、「 当時の生活をしろ 」 と言われたら・・・。できなくはないと思いますが、やっぱり嫌ですね(笑)。
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