仙台　連勝　山崎公約させられ弾

　楽天が今季初の３連勝を飾った。０−１の２回、山崎の３号ソロと嶋の適時二塁打で計２点を奪い逆転すると７回にも１点を加えた。先発のラズナーは６回途中まで１失点で２勝目。オリックスは１０安打しながら１点に終わった。

　楽天の主砲・山崎が今季Ｋスタ初アーチを、東日本大震災で被災した東北のファンに贈った。１点を追う２回、中山の４球目、外角高めをとらえ、３号ソロを右翼最前列にたたき込んだ。

　「Ｋスタ・ナンバーワン！！　お客さんがいっぱいの中で野球ができて本当に幸せ。早くこの地元で本塁打を打ちたかったから２戦目で打ててよかった」

　開幕戦で復興宣言が行われたＫスタでの今季１号。直前の３球目に自打球が左足首を直撃し、痛さに一時は立ち上がることができなかったが、逆に無駄な力を入れずに打席に立てた。足を引きずりながらダイヤモンドを１周する姿は痛々しかったが、宮城のファンには最高の贈り物となった。

　実は、星野監督はこの一発を予言していた。被災した宮城県北部の南三陸町立歌津中学野球部の約２０人をグラウンドに招待。その前で「きょうは武司が３本ホームラン打つからな」と宣言。その場に居合わせた山崎は慌てて「３三振かも」と取り繕ったものの、いったん交わした約束をしっかりし果たした。

　ヒーローインタビューでベテラン主砲は、スタンドで観戦した歌津中ナインを笑顔で指さした。「１本打ったから許してくれよ、な！！　約束果たしたんで、君たちも家族や近所のみんなを助けてやれよ」

　むちゃぶり予告アーチが成功。星野監督は「まだまだ若いんだな。押し込んで打ったもんな」と衰え知らずのパワーに目を丸くした。今季初の３連勝で２位に浮上。Ｋスタ宮城で、楽天の快進撃の勢いが増した。　（鶴田真也）