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最も参考になったカスタマーレビュー
43 人中、42人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
民主主義への遥かな道のり,
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レビュー対象商品: 民主主義がアフリカ経済を殺す 最底辺の10億人の国で起きている真実 (単行本)
ポール・コリアー氏の前著をお読みの方ならご存じだろうが、コリアー氏はまともな学者である。人目を引く目的で過激な論を打つわけではないし、データの裏付けのないまま極論を展開するわけでもない。
本書の邦題は、やりすぎじゃないかと思う。 コリアー氏は民主主義=普通選挙という狭い概念と民主審議="普通選挙+前提条件"というもっと広い概念の二つの概念を使いわけながら本書を書いている。後者の民主主義が先進国で機能している民主主義であり、その上で前提条件の整わない国々で、普通選挙だけを導入しても機能せず、混乱の種になる事を示しているのである。 コリアー氏は、民主的に政権を選べば全てがうまくいくと、単純に信じている人に警鐘を鳴らしてるのだと思う。 そして、社会・経済が安定していることや暴力が無いことを、普通選挙より重要な事と考え、それらが普通選挙の導入だけでは達成されない事を示している。すでにイラクという失敗事例を見てる我々には、総論としてのコリアー氏の持論は理解できるだろう。では何が問題なのか?本書ではその理由が詳細に説明されている。 為政者の利己心が長い時間をかけて近代民主国家を作り上げたというコリアー氏の持論は、不満な人もいるだろうが評者は納得が行く。 また、本書は結論にいたる思考プロセスも示されているのが読んでいておもしろい。 標準的な理論で説明できない事象がある時、その理由を推定する。この時の洞察の鋭さがコリアー氏の魅力であるが、それだけではただの評論家である。コリアー氏は経済学者であり、経済学的な手法、つまりデータをもとに洞察の妥当性を統計的に検証する方法を用いるのだ。本書に示された内容はそうした検証をへた結果だ。自分がカバーできないことは、数多くの他者の論文を引用しており、これもまともな学者らしい。 本書が大変深刻な問題を扱ってるのは事実だが、知的興奮を覚える内容なのも確かだ。
22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
希望の一冊(できることはいろいろあるみたいです),
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レビュー対象商品: 民主主義がアフリカ経済を殺す 最底辺の10億人の国で起きている真実 (単行本)
邦題は若干ミスリードではないかと思われます。
情緒的な議論に陥りがちだからこそ本書の分析が重要なのに、この邦題では情緒的な混乱を 助長するのではないかと、心配してみたり。 経済的水準といった他の要因との組み合わせの如何によって、民主的と思われる選挙プロセス の導入などが破壊的に作用する場合もあるということであって、著者が「成熟した」民主主義を 肯定的に評価している点は一貫してブレていないように思いますが。 むしろ所得水準や地理的要因、歴史的経緯、民族的・宗教的多様性などと並んで、情勢分 析のための一変数として、統治形態を定量的分析に導入しているのであって、場合によっては (この場合を厳密に確定していく推論経緯も本書に詳しいですよ)民主的プロセスがネガティブな 影響を及ぼす場合もあることを提示しています。 しかしながら、経済学的な定量分析の威力たるやすさまじい。 一見するとそうした分析を適用し難いと思われる複雑な問題(かつ一般的認識に馴染まない 歴史的個別的な性格が強いと思われる分野)での議論の蓄積には活目。 社会学者や政治学者は、経済学者にもっと学ぶべきかもしれません。 そして分析から得られる提言もたいへんに重要だと思います。 「武力衝突はその動機となりそうな問題に対処することでは防げず、唯一、武力衝突自体の発 生を困難にすることでしか阻止できない」(184頁)など、本書の末尾でまとめられる提言以外にも、 あちこちに重要な示唆が満載です。 また、本書に代表されるように、世界には、困難な問題の前に踏み止まって真摯に努力を続ける 研究者や実務家たちが大勢いるのだと知らされることも、本書が伝えてくれる大きな希望かと。 本書の基礎となった研究のいくつかは、ここで検索できるみたい。全文は有料みたいですが。 http://papers.nber.org/
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
思いが裏目になる現実、そしてそれに対する処方箋,
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レビュー対象商品: 民主主義がアフリカ経済を殺す 最底辺の10億人の国で起きている真実 (単行本)
何も無いところに民主主義を持ってきても駄目!というお話です。そんなところに民主主義を
持ち込むと、なまじ為政者の正当性を担保する形になり、却って一般国民の状況は悪くなる…と いうことを、タイトルの通りアフリカの最貧国群(ジンバブエ等)を実例に、且つ冷静に証明 しています。 (投票率は、政策よりもメンタルなもの、つまり好きか嫌いかの方が上がるとも) また、独裁制に対する民衆の抗議は、所得が上がらないと顕著にならない(p204)とも述べて います。チュニジアに始まった中東解放運動(勝手に命名)も確かに、最貧国では無いのです。 中産階級も出ては来ましたが、それ以上に大金持ちと最貧層の二極化の進度が速いのです。 皆が貧しければ我慢もできますが、隣りの昨日まで貧乏だった人が今日は金持ち…それは納得 しません。 加えて、国際社会(援助国)の援助が、最貧層を抑圧する政府の延命を助けている。内戦を 防ぐには、そこに簡単に武器が流れない仕組みを作る方が先決等、数字を以っての論拠なので 示唆に富む点が多いです。 では、そんな問題がある国々が浮上するためにはどうすればよいのか?富める側に居る人達は 何が出来るのか・すべきなのか?という点も、しっかり述べられております。 それは…機能するアカウンタビリティーの導入。しかし、これは最貧国の場合、周りに参考に なる国々が無いので保留。現実的な解はタンザニアで行われた、政治的リーダーシップによる 民族国家としてのアイデンティティーの構築。 そして、間違ったことをするとクーデター等を使って介入する(為のルールを仕込んでおく) お金の出所を管理する、安全保障を援助国に代行してもらう(最貧国は全てを自分では賄えない 位の規模なのに、それを自前でそろえようとするから、財布の中身が乏しくなると)。 後はこれらをどう実行するか、どれくらいのスパンでするか?ということ。富める国も今の 制度が根付くまでに、かなりの時間をかけ、血を流しました。ただ、その経験を生かすことで 最貧国に住む10億人を救う可能性もあるのです。 富める側に生を受けた者として読んでおく価値のある一冊です。
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