[本文へ]

文字サイズ文字を小さくする 標準 文字を大きくする

速報

海老蔵、襲名演目「勧進帳」から再出発…7月2日・復帰舞台

この記事についてつぶやくこの記事をYahoo!ブックマークに登録 この記事をlivedoorクリップに登録
原点回帰の舞台復帰となる市川海老蔵

 昨年11月の暴行事件のため、無期限謹慎処分を受けていた歌舞伎俳優の市川海老蔵(33)が、10か月ぶりに出演する東京・新橋演舞場の「七月大歌舞伎」(7月2~26日)の演目が30日、明らかになった。2004年に海老蔵を襲名した際の公演で演じた「勧進帳」「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」など、昼夜計4演目に出演。現在の名前を継いだ際の“初心”に戻り、新たなスタートを切るつもりだ。

 謹慎を解かれ、ついに表舞台に戻ってくることが決定した海老蔵。復帰の舞台は、自らの「原点回帰」となる。

 先月10日に復帰時期が発表されて以降、松竹と父の市川團十郎(64)が協議した上で決定した演目には、昼の部に「勧進帳」と「楊貴妃」、夜の部には「春興鏡獅子」と「江戸の夕映」が選ばれた。関係者によると、海老蔵の意向は一切入っておらず、与えられた役を真摯(しんし)に演じるという気持ちだったそうで、演目を伝えられると「分かりました」と答えたという。

 とりわけ、「勧進帳」「春興鏡獅子」が選ばれたのには、海老蔵が芸道にまい進してほしいという強い気持ちがこもっている。ともに、04年5、6月の東京・歌舞伎座で行われた「11代目市川海老蔵襲名披露公演」で演じられたもの。歌舞伎ファンならずとも広く知られた「勧進帳」は、成田屋(市川家の屋号)に伝わる「歌舞伎十八番」のひとつだ。

 成田屋、そして歌舞伎界に汚点を残してしまった海老蔵にとっては、お家芸をきっちりと勤め上げるのは、これ以上ない汚名返上の場になる。何度も演じている役とはいえ、これまでとは違う、新たな気持ちで臨むことは間違いない。

 一方、「楊貴妃」は中村福助(50)、中村梅玉(64)の相手役として出演。“脇役”での出演は、他の歌舞伎俳優に助けられて今があるということを、海老蔵に再認識させるための配役と考えられる。また「江戸の夕映」は、團十郎が演出を手掛けており、父の元で芸を磨くことを意識した演目といえる。

 いずれも、海老蔵を全力で支えていくという周囲の意思の表れ。海老蔵も、その意気に応え、久々の雄姿を見せてくれるはずだ。

 ◆勧進帳 源義経一行が奥州へ逃げる際の、加賀国・安宅(あたか)の関での物語。山伏に化けた弁慶が、何も書かれていない巻物を勧進帳(寺に寄付を募る願いが書かれたもの)と見せかけて読む場面や、関所を守る富樫と弁慶との問答、義経を追う弁慶の飛び六方(花道への引っ込み)など、見どころの多い人気演目。海老蔵は、暴行事件により中止となった今年1月のル テアトル銀座公演では弁慶を演じる予定だったが、今回は襲名披露公演時と同様に富樫役。弁慶は父の團十郎が演じる。

[2011/5/1-06:05 スポーツ報知]

お薦めアイテム

芸能写真特集

芸能写真特集

芸能最新記事

芸能記事一覧

エンタメ動画

芸能関連ブログ&コラム

報知ブログ&コラム

ウチノ姉さん芸能ナイショ話

田中好子さんの訃報で

 田中好子さんの急死は、その一報に多くの人が「えっ!」と思わず声を出してしまうほ...続きを読む

文化社会部長の後悔日誌

歌人の気概

 11日付けの日本経済新聞の文化面(最終面)に、ある意味、衝撃的な記事を見つけた...続きを読む

芸能コラムここだけの話

東京の空の色

 このコラムも3か月ぶりの更新になります。このたびの東日本大震災で被害に遭われた...続きを読む

高尾友行「タカの目」

横沢さん追悼で和田さんに触れたら…

 フジテレビの名物プロデューサーだった横沢彪さん(享年73)の訃報に触れた前回、...続きを読む

検索
マガジン報知
報知新聞社出版局
スポーツショップ報知
スポーツショップ報知

ページTOPへ