帰って来た五輪女王！ヨナ首位／フィギュア

　フィギュアスケート・世界選手権第５日（２９日、モスクワ）ブランクがあっても、五輪女王のエッジはさび付いていなかった。金妍児は序盤のミスにも動じず、貫禄の演技で首位発進。「完璧にできず残念だけど、１位には満足している」と余裕の笑顔を浮かべた。

　得点源とする冒頭の２連続３回転ジャンプの１つ目の着氷が乱れ、単発になった。だが、次の３回転の後ろに、すぐに２回転をつけて連続ジャンプにして対応。ほころびを最小限におさえた。スピンは最高難度のレベル４を獲得。構成点はすべての要素でただ１人８点台を獲得して点数を稼ぎ、豊かな表現力で演技点もトップだった。

　バンクーバー五輪の１カ月後に行われた昨年３月の前回世界選手権では、燃え尽きシンドロームに襲われ、ミスが出て真央に次ぐ２位。以降、リンクから離れ、一時は引退もささやかれた。

　今季から指導するピーター・オプガード・コーチ（５１）＝米国＝は「金妍児は真の氷上のアーティストになるために戻ってきた。しっかり準備ができている」。２位のミキティとはわずか０・３３点差。「精神的にハードだったが、戻ってこられてよかった。ファンに新しいキャラクターをみせたい」。女王が真剣勝負に熱くなる。

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