世界フィギュア 安藤「神様のご褒美」震災チャリティーも
毎日新聞 5月1日(日)4時0分配信
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日の丸を手に優勝を喜ぶ安藤=モスクワで2011年4月30日、AP |
フリーの女王が、再び世界の頂点に立った。SPトップの金妍児とはわずか0.33点差の2位でこの日に臨んだ安藤は、今季は過去5戦ともフリーで1位と抜群の安定感を誇る。今大会前は調子が上がらなかったが、「SPを大きなミスなく終え、気持ちを強く持てた」。目立ったミスはわずかに1回。一方、今季初戦の金妍児は序盤でミスを連発。シーズンを通して完成度を高めたフリーの質が明暗を分けた。
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グリーグの「ピアノ協奏曲」が静かに流れ出す。冒頭の3回転ルッツ−2回転ループから精密な演技を重ね、三つ目のジャンプとなった2回転半−3回転トーループの後半が2回転になった以外は、ミスが出なかった。
「順位より内容」と安藤は言う。スケート人生で一度たりとも順位を意識したことはないといい、この優勝を「自分のスケートを変えずにやってきたことへの、神様からのご褒美かな」とおどけた。
加えて、今回は東日本大震災の被災者への思いも強かった。安藤自身も子どものころ、交通事故で父を亡くしている。そんな時、生きる希望を与えてくれたのがスケート。「スケートで笑顔になれた。父とスケートを交換した感じ」と振り返る。「自分の演技を見て、一人でも多くの人が笑顔を取り戻せたら」との気持ちが、演技を支えた。
大会後、世界中のトップスケーターとロシアのサンクトペテルブルクで震災復興支援のチャリティーショーに出演する。「日本のヘルプになればいいな」と安藤。世界女王として、その役割を果たすつもりだ。【芳賀竜也】
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最終更新:5月1日(日)4時0分
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