2011年3月2日 23時54分 更新:3月3日 1時45分
京都大など4大学の入試問題が試験時間中にインターネットの質問掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿された事件で、京都府警と警視庁は2日、投稿に使われたNTTドコモの携帯電話の契約者について山形県在住の人物と特定した。捜査関係者によると、その息子(19)が山形県立高校の卒業生で、仙台市の予備校で学んでおり、京大を今年受験している。
投稿を巡っては各大学が偽計業務妨害容疑で警察に被害を申告しており、府警などはこの受験生が投稿に関係したとみて、捜査員を派遣して事情を聴く方針。
また、投稿のあった4大学すべての入試を受けた受験者がおり、その受験者の答案の一部記述がヤフー掲示板に寄せられた回答と酷似していることが捜査関係者への取材で分かった。府警と警視庁は今後、この受験者が契約者の子供と同一人物か確認を進める。
投稿があったのは、同志社大文学部・経済学部の英語▽立教大文学部の英語▽早稲田大文化構想学部の英語▽京大文系の数学と英語--の4大学の入試。全て同一の携帯電話から「aicezuki」の名前で投稿されていた。
京都府警などは、掲示板を運営するヤフー側から掲示板への接続記録の提供を受けてインターネット上の住所に当たるIPアドレスを把握。NTTドコモの携帯電話から投稿されたことを突き止め、同社への任意の照会で、契約者を特定した。
今回の事件を巡っては、京大数学の試験時間中にaicezukiが少なくとも掲示板に13回もアクセスしている上、投稿された問題の記述が極めて正確なことなどから、府警などは複数が関与したとの疑いを強めている。
入試問題の投稿者と同じ「aicezuki」を名乗る人物はヤフー知恵袋に、仙台市内の大手予備校「河合塾」の京大対策のテキスト教材に掲載された英語と数学の問題を投稿したり、「宮城県仙台市でいい精神科・心療内科を教えてください。よろしくお願いします」と絵文字付きで投稿している。【太田裕之、林哲平】