リビア:政府側巻き返し 首都周辺の一部奪還

2011年3月2日 20時17分 更新:3月3日 1時17分

1日、リビア東部のベンガジで、高射砲の使い方を学ぶ反政府勢力の「志願兵」=AP
1日、リビア東部のベンガジで、高射砲の使い方を学ぶ反政府勢力の「志願兵」=AP
2日、アジダービヤで戦車に上り、反カダフィ政権の象徴となっている旧リビア王国の国旗を振る反体制派の住民ら=ロイター
2日、アジダービヤで戦車に上り、反カダフィ政権の象徴となっている旧リビア王国の国旗を振る反体制派の住民ら=ロイター

 【カイロ和田浩明、ラサジール(チュニジア東部)藤原章生】リビアの最高指導者カダフィ大佐を支持する治安部隊は2日、反政府勢力に掌握された都市の奪還を目指し反転攻勢を激化した。支持派は大佐の牙城の首都トリポリ周辺部を中心に守りを固め、首都を死守する「緩衝地帯」化を狙っているようだ。

 中東の衛星テレビ・アルアラビーヤなどによると、カダフィ支持派の軍や民兵は2日、反政府勢力が掌握する東部マルサエルブレガを攻撃し、少なくとも14人が死亡した。その後、反政府勢力が押し返した模様だ。マルサエルブレガは主要な石油積み出し港の一つ。

 軍はまた、近くの町アジダービヤでも反政府勢力と衝突し、少なくとも16人が死亡した。反政府勢力はここで基地や武器庫を制圧している。

 AP通信によると、カダフィ支持派はトリポリを見下ろす高台にあるガリエンと、首都西方のシブラータを奪還した。

 リビアの人権団体は2日、パリで記者団に対し、一連の騒乱でのカダフィ政権の弾圧による死者数が6000人に達したと発表した。このうち3000人がトリポリでの死者という。

 反政府勢力とカダフィ支持派の攻防は一進一退の様相だ。トリポリ以西の地中海沿岸部では、反政府勢力はアズザウィーヤの一部とズワラの町中を掌握しているが、カダフィ支持派は主要道を押さえているとみられる。

 リビア第2の都市の東部ベンガジを掌握する反政府勢力は1日、体制側を離反した軍部隊の指揮の統一を図る「軍事評議会」を設置、組織化を進めている。反政府勢力で作る「国民評議会」は2日、記者会見し弾圧に対抗するため「国連の支援下で(カダフィ支持派に対して)空爆するよう求める」と述べた。

 ◇国連制裁に反発 カダフィ大佐

 一方、カダフィ大佐は2日、トリポリで演説し、東部を実効支配する反体制勢力を「テロリスト」と批判し「石油や領土を支配するための外国勢力の陰謀だ」と主張した。大佐は国連安保理による政権幹部の資産凍結などの制裁措置は「ウソの報道に基づいた間違った決定」と反発、安保理に調査を求めた。

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