拉致被害者家族で元東電の蓮池透さん辛口エール「想定甘い」

2011.04.30


蓮池薫さん【拡大】

 北朝鮮の拉致被害者家族の蓮池透さん(56)が、2009年まで東京電力に勤務していたことをメディアに明かし、古巣に辛口エールを送っている。

 写真週刊誌「FLASH」の最新号や30日付朝日新聞朝刊によると、蓮池さんは1977年に東京理科大卒業後、東電に勤め、最初に配属されたのが福島第1原発だった。「3号機、4号機に関しては、新入社員のころに保守点検の仕事をやっていたので思い入れがあります」と告白。当時は、「原子炉の炉心損傷が起きる確率は年間で10のマイナス7〜9乗、つまり1千万年に1回程度と説明された」という。

 それだけに大津波による原発事故には「われわれの想定が甘かったと言わざるを得ない」とした上で、原子炉の冷却が遅れたことを大いに嘆き、不眠不休の現場の疲労を心配。当初、東電、官邸、保安院とバラバラだった会見やリーダーシップのあるスポークスマン不在に「情報の一元化をはかるべきだ」と指摘する。

 弟で拉致被害者の薫さんや実家の両親は新潟県柏崎市の柏崎刈羽原発から3キロ圏内に住み、「とくに不安がっています」。東電は「すいません、頑張ります」というばかりといい、「きちんと説明して、両親を安心させてほしい」との心痛を寄せている。

 

注目サイト