1943年に公開された「姿三四郎」(97分)は、翌年、当時の国策により79分に短縮される。戦後その復元が試みられたが、カットされたネガフィルムは戦時の混乱により紛失しており原形に戻すことはできなかった。現在広く出回っているものはこの79分バージョンである。(当チャンネルでも今までこのバージョンでの放送)ところが、1990年代に入り、ロシアのゴスフィルモフォンド(国立映画保存所)で削除されたシーンの一部が発見される。戦後、満州映画協会に保存されていたフィルムをソ連軍が接収し、持ち帰ったものの中に「姿三四郎」が含まれていたのである。これは79分バージョンではカットされているいくつかのシーンを含んでおり、それらを照合し12分のシーンが追加された「姿三四郎 最長版」(91分)が2002年に発表された。今回、日本映画専門チャンネルでは、この「姿三四郎 最長版」を新たにデジタル処理しハイビジョン化、TV初放送。 |