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포토로그 마이가든




아노하나 3화 자막 by 이엘

♪♪


はぁ~。

あん?

♪♪~

ぎゃおぉぉぉ!


仁太君。

今日は どうするの?
う…。 行かねえ。

そっか。
じゃあ お仕事 行ってくるね。

 

《何で
責めないんだろうな 親父》

《まっ そっちの方がいいけど》

いや
いっそ責めてくれた方が…。

駄目だよ じんたん!
学校 行かなきゃ!

あなるに お礼しなきゃー!
って お… お前!

 

《学校 来なよ》

聞いてたのかよ。

のけモン
一緒に集めてくれたんだから

約束破りは しっぺだよ!

あっ そうだ。 これが
「めんまのお願い」かもしれないよ。

じんたんが
学校に行きますように! って。

 

そういうことか…。
えっ?

うわっ!

 

じ… じんた…。 あう。

着替えるから 外 出てろ。

あ…。

あぁ!

《突然 目の前に現れて

訳分からん主張をかました
夏の獣…》

《俺の幻想》

《ただね たぶん

お願いをかなえてほしいんだと
思うよ。 めんま!》

《暦的には初秋だが

夏の獣は 家に居座り続け

追い立てられて

俺は仕方なく…》

《仕方なく…

学校へ》

♪♪~

 


あっつ!


《セミ…》

《セミ… 人…
セミ… 汗… 汗…》

《汗… 汗… 太陽… 汗…》

《人… 人… 視線…》

 

気持悪っ…。

 

《やっぱ…》

あっ。
あっ!

 

あ…。 う…。

 

来たんだ 学校。

まあ… な。
そっか。

べ… 別に お前に言われたから
とかじゃねえぞ。

そっか。

あれ?
マジで 宿海?


偉い! 学校 来れたんじゃん。

亜紀! 春菜!
はよっす 鳴子! と宿海。

平気 平気!
1学期 来なかったぐらい

誰も気にしてないし。
つうか 誰も 宿海のことなんて

眼中ないしー。
おーい おい 春菜!

ちょっと! あんまり…。
それにしても

愛の力って偉大じゃね?
あんたが 家 行ってあげたから?

な…!
熱い! 愛が熱いよぉぉ!

やめてよ! こんなやつと…。

あ…。

「熱い」か…。

そうなんだよな。
えっ?

暑さにでも やられてないとさ

こんな低脳なやつらばっかの
動物園みたいなとこ

来る気なんて起きねえし。
じん…。 宿海?

あー やっぱ 帰るの?

ねえねえ。
今のって もしかして…

捨てぜりふってやつ~?
嘘っ!? あれが?


うぅ…。 お留守番。

つまんない!

お邪魔しまーす。

じんたんち 冒険だー!

えーっと
こっちのお部屋はっと…。

ふむふむ。

あっ そっか。

じんたんのおばさん
死んじゃったんだ。

この写真より ずっと
おばさん奇麗だったよ。

めんまの写真もね
あんまり好きくない写真だったの。

でも めんま いつも 写真撮るときピースしちゃうから

ピースしてない写真 あんまり
なかったのかもしれないね。


めんまも死んでるけど

めんまは 取りあえず
今は元気です。

あれ?

また泣いちゃった。

じんたんに怒られちゃう。
エヘヘ。

♪♪~

くだらねえ。

《あなるとの約束なんて
関係ねえ》

《めんまが…。 俺の幻想が
学校に行けって言うんだ》

《俺自身も どっかで…》

《帰るか…》

《駄目だよ じんたん!
学校 行かなきゃ!》

あぁぁぁぁ!

 

ハァ…。

《帰れない… よな…》

 

ベントラー ベントラー スペース ピープル。ベントラー ベントラー スペース ピープル。

ベントラー ベントラー スペース ピープル!
ベントラー ベントラー スペース ピープル!

何やってんの?
うぉ!

おっ 相棒!
あ… 相棒?

俺も見たぜ!
見たって 何を?

決まってんだろ? めんまだよ!
えっ?

いや~
俺も 相当 強くなっちまった…。

《何で 俺の幻想が…》

たぶん
奇跡のタイミングだったんだろうな。

俺のションベンが こう
奇跡のアールを描いたんだよ。

そんとき
たぶん デルタだったんだよな?

何かが出るた!
それ 見間違いじゃねえのか?

えっ? ないない!
俺 視力 オスマン並みだし。

めんま
すっかり 大人になっててよ…。

お… 大人に?
おう! いい女だったぜ。

どんな格好してた?
うん?

あいつが 夏 よく着てた
白いワンピース?

めんまって 確か

願い事 かなえてほしくて
戻ってきたんだよな。

俺 最強に 本気 出して 考えっぜ。じんたん!

俺 帰るわ。
えっ?

夕飯 俺の当番だし。 じゃあな。

はっ 夕飯? まだ 昼前じゃん。

何? カレー?
8時間 煮込んだカレー!?

俺も食いてー!
おい じんたん! 俺も…。

あれ?

 

《大人になった めんま…》

 

おかえりなさーい!
た… ただいま。

じゃなくて お前!
早かったねぇ じんたん。

えっ? あ… えっと…。

きょ… 今日は始業式だけだからさすぐ お… 終わるし。

 

そうだ!

お前… 何だよ これ。

家庭科してみた!
あ~あ。 好き勝手 やりやがって。

 

これ…。

《腹 減った!》

急げ!
待ってよ!

 

ちょっと 押すな ぽっぽ!
母ちゃん! あれ ある?

あるよ!

うわー!

 

仁太 来てくれたの?

 

ほら!

 

母ちゃん。
うん?

蒸しパン
みんな食べたがってるよ。

ごめんね。

仁太君! おい ちょっと!

 

じんたん?

じんたん…。

じんたん!

食べよ 食べよ!
あ… ああ。

いっただっきまーす!

 

うぅ…。 じんたんの おばさんが
作ってくれたやつのが おいしいや。

レーズン なかったからかな。

もっともっと練習して

もっともっと おいしいの
作ってあげるね。

「もっと」って お前
ずっと ここにいるつもりか?

駄目ぇ?
だ… 駄目っつうか…。

あっ そうだ お前
ぽっぽんとこにも行ったのか?

え~! 知らないよー。
めんま ずっと おうちにいたよ。

でも あいつ お前 見たって。
あっ! それ めんまの幽霊?

じゃあ お前は何なんだよ?
本間 芽衣子でーす!

話にならねえ。

まあまあかな…。

幽霊でも どうでもいいか。

うん?

いや。


卵の殻 入ってる。

えっ? ん~と

カルシウム?

 

まだ決まらないの?
こっちだって 用事があるんだけど。

悪い もう少し。

 

フン…。
何?

久川。
久川って ぽっぽ?

へぇー。 メアド交換してるんだ。

「めんま発見」?

プレゼントですか?
はい。


うらやましいですね 彼女さん。

あぁ… えっと
ほかにも 色々ありますから

ゆっくり見ていってくださいね…。

いつも付き合わされてるけど
いったい 誰に貢いでるの?

フッ 教えない。

 


うるせぇ うるせぇ!
新聞でーす!

俺んとこ 産経じゃないんだけど。
いいじゃん いいじゃん。 ほらよ。

えっ。 何?

「夏の終わりに
みんなで めんまを探そうの会」?

めんまと納涼とバーベキュー。

まったく
趣旨が分かんねんだけど。

ままままま! とにかく
じんたんは 絶対 参加な!

じゃ!
「絶対」って おい!

 

みんなってことは…。

あ~! 楽しそう!

めんまも めんま 捜したい!
うわっ!

ねえ。 何 持ってく?
誰も 行くって言ってねえだろ!

行くって言って!
はあ?

これ めんまが かなえてほしい
お願いかもしれないよ?

めんま めんまの幽霊 見たいって
思ってたのかも!

お前 ずいぶん 都合よく
使ってないか? お願いってやつ。

ん~?

 


 

ねー 鳴子。

帰り カラオケ行こうよ!
えっ? あ… う~ん…。

 

ごめん。 今夜はパス。
えー!

ねえ。 バーベキューするのに
バイエルンだけで いいの?

冷蔵庫に 持ってけるもんは
これぐらいしか なかったし。

どうせ 誰か
何かしら持ってくるだろ。

めんまの蒸しパンもあるしね!
それは…。

あ…。

うん? あっ!

あーなるー!

ほら じんたん あなるだってば!
一緒に行こうよ!

えっ? あれ? じんたん!

ちょっと!
うぅぅぅ! ねえ じんたん!

どうしたの?

ちょっと 用が…!

じーん… たんっ!!

うわっ! あっ!
うわっ!

 

宿海 何してるの? さっきから。

 

別に。 じゃあ。

えっ?
あー こら! じんたん駄目でしょ!

仲良く 班行動しないと!
あれだけ派手に転んでおいて…。

どうせ 同じ所に行くのに!

こんばんは。
おう!

つるこだー!

ぽっぽ。
つる…。 鶴見さんも呼んだのか?

号外 ちゃーんと読んだか?

みんなっつったら
みんなに決まってんべ!

何? これ。
マサラチャイ。

でも みんなっつっても
ゆきあつは来ないんじゃねえの?

こういうの
絶対 信じなさそうだし。

来るでしょ。
えっ?

 

じんたん
そっち もうちょっと上げて。

お… おう。
じんたん 頑張れー!

よっと! どうよ? このコンロ!

営業所のおっちゃんから
貸してもらったんだ。

焼くもんは?
俺 バイエルン持ってきたけど。

わたし ろうそく。
えっ?

めんま 呼び出すんでしょ?

怪談的には
小道具が必要かと思って…。

怪談?
お… おう サンキュ。

で バーベキューの材料は?

ああ。 わたし 夜は
あまり食べないから気にしないで。

おいおーい。 つるこさん
自分のことしか考えてないぜー!

わがままな女って 俺的には
かなり きちゃうぜ おい!

アホ!
あの…。

わたし 食べ物は みんなが
持ってくるだろうと思って

かぶっちゃうと やだから…。

花火?
子供じゃないんだから。

なっ!?
ヘイヘイヘイ! 平静!

俺は こいつだ!

な… 何? これ。

キールっつってさ
インドに行ったときに食った

牛乳で 甘ーく 米 炊いたやつ。

へぇー。 ゲロみたい!
えっ!

結局 これも
バーベキューじゃないわよね。

だったら こいつ
お好みっぽく焼いてみっか?

バイエルンだけで いい。

 

よし! やっと 付いた!
やっぱ 火がねえとな。

何つうか 集まるもんだな。
何年もたってるのに。

カニって どうやるんだっけ?
カニさん?

あなる カニさん作れるの?

炭と一緒だな。
はっ?

もともと 木 燃やして
作ったもんだろ?

なかなか 火 付かなくてもよ

思い出したら
一気に燃え上がるんだよ。

いい例えでも 何でもねえぞ。
えっ マジ?

 

て… 手伝おうか?

別に。
バーベキューやってて。

だって バイエルンしかないし。
一応 切れ目は入れといたけど。

カニ?

白いワンピース。


そうだよ。 めんま よく着てた。

つるこの言うとおりだよ。
わたし すぐに影響されちゃう。

昔も…。 今だって変わってない。

でも めんまみたいだけど
こんなミニ めんま 着ないし

高校の友達とかは着るけど
でも きっと 白は選ばないし

わたしだって
わたしなりに考えて着てるし…。

そりゃ すぐに流されちゃうけど

わたしなりに…。
それなりに 色々…。

それ わたしに話して
何の得があるの?

「そうなんだ 偉いね」とでも
言ってほしいの?

違う。

たぶん 周りに流されちゃう
わたしのこと

しかってほしかった。

 

わー! ほら じんたん カニさん!カニさんだよ! タコさんも!

うん! うめぇ!
これぞ 本場 ドイツの味!

間違いないわね。

おう!
お前にも分かるか つるこ!

意外とおいしい!
マジか?

だろ?
じんたん カニさん焦げちゃう!


デザートみたいっていうか…。

それにしても
「めんまのお願い」ね…。

おう。
お前も手伝ってくれるよな?

信じてるの? それ。

わ… わたしは…。

あ… カニさんが…。

信じてもいいって思ってる。
えっ?

そう。 なら わたしも。
えっ?

おう! やってくれるか!

さっすが つるこ!
ねえ じんたん!

やっぱ 超平和バスターズは…。
超平和バスターズは やっぱ

最高だな!
「超平和」?

久しぶりに聞いたわね
その名前。


うっわ! 超懐かしいんですけど!

何 言ってんだよ。
みんな現役だぜ!

泣くなよ。

な… 泣いてないよ!

泣いてないもん…。

この分だとさ
めんまも懐かしくなって

ひょっこり戻ってくるんじゃね?

ぎゃぁぁぁ!

何だ?

えらい歓迎ぶりだな。
ゆきあつ!

久しぶり!
えっ? あ…。

安城だよな?
そうよ! 久しぶり!

野菜と 骨付きリブ
持ってきたぞ。

あと
ハーブソルトとオリーブオイル。

うひょ! さすが ゆきあつ。やっぱ 来たか。

使えない女どもとは
ひと味 違う!

何を!?

それにしても びっくりしたぜ。
てっきり めんまが来たんだと…。

めんまなら いたぞ さっき。
嘘!?

マ… マジでかよ!?
どこにいた? めんま どこ!?

あっちの沢の方。
よっしゃ!

行くぞ じんたん!

オー!
おい!

ちょ… ちょっと待って!あいつら…。

お前だけじゃ
なかったみたいだな。

は…? 何を…。

めんま 見えるの。

♪♪~


전파녀 3화 자막.. by 이엘

(時計が秒針を刻む音)
(真)うん?
♪~
               
(流子)丹羽君のご趣味は?
趣味っていうか深海の生き物に興味があるかな
深海魚? エビとか カニとか?
そうそう
〈俺はやつらに夢を感じざるを得ない〉
〈少なくとも宇宙に希望を託すよりかは〉
〈地続きで神秘性も手頃だ〉
かわいいのいる? ついこう…
釣り上げたくなるぜ! って感じの
キモかわいいのならう~ん キモか…
〈せめて かわいいにしとけよ〉
(チャイム)
〈席替え後 前川さんとはほとんど会話しなくなり〉
〈リュウシさんとも席が離れた〉
〈でも昼休みには リュウシさんがテコテコ俺の席へ来て〉
〈一緒にご飯を食べている〉
〈学校生活はおおむね良好に回っている〉
〈これがいわば 自転車の前輪〉
〈問題がくすぶっているのは家庭生活の後輪〉
〈三日に一度は自転車で〉
〈他の日はエリオが自前の足で訪れる〉
〈記憶を失って浮かんでいた海を〉
〈宇宙人の痕跡を探し求めて〉
〈記憶がないことがそんなに怖いかね~〉
〈怖いかもな やっぱり〉
〈それってほとんど死んでるようなもんだもんなあ〉
〈コスプレ前川さんとはときどき夜に遭遇する〉
〈エリオは決まって先に帰った〉
宇宙人の存在について どう思う?
(前川)宇宙人?
藤和に感染したか?
いや 単純な興味
ふ~ん そうだね~
宗教と大差ないと思ってるよ
信じるやつがいてそれで儲けるやつがいる
目の前にないものを崇拝して心のよりどころにするって点で
私はそう感じる
へえ~ なりほど
本当に藤和がらみじゃないのかい?
ちょっとね
おッ
〈町を案内してくれるというから休日に会おうという話になって〉
おはよう
ああ 暑いういっす ええと
オシャレな普段着ですね
ああ これ?ごめんね 朝練 長引いちゃって
着替えに帰る時間なくて
すっげえ恥ずかしいけど待たせるのもなあって
いや いいけどね 全然自転車は?
走ってきた何で?
自転車に乗るとヘルメットかぶるからああ うん
だから髪セットしてもクチャクチャになるから 走ってきた
〈かわいさ魔人だね~〉
おッ 今日は調子いいな徒歩より早い
丹羽君ワケ分かんないこと言ってる
おりゃ!おお サーカスマンだ
・(店員)2名でお待ちの丹羽様
はい! ワクワクだすだすうん なんともカルシウムカラーちびっ子には人気なさそうなのできゃわいいキャロットジュースを注入と
(鼻歌)
1号が完成したただちに飲みたまえ
えッ 俺が?自信あり
では 試飲
(せきこむ)
甘み少なかった?俺 炭酸ダメなんだ
ごめ~ん言ってくれたらよかったのに
でも 失敗は成功のお母さんだから
つまりお母さんは必ず失敗しないと
生まれないってことですな
よ~し 今度こそ丹羽君の口からビーム出しちゃうぜ~
それ いつ完成するのかな?
(流子)成功を生むためにはお父さんもいるよねおしどり夫婦~
リュウシさん 特技とかある?
リュウコやっちゅうに
特技ね~
10円玉を… いや
ひもを… う~ん
たまに小学生料金で
バカ…
ないな~ いやいやあるとも今のナシブンスカブンブン!
無理しなくても…シケーな
違う 失敬な
特技あるよ いっぱいあるよ
あッ そうだ
小学生のとき 先生に花壇でシクラメンを咲かせるのが
クラス一うまいと褒められました
花咲か粒子をたーんとばらまいていたんだね
そんときに植えたのはヒヤシンスっちゅうオチがあるけどね
では どうぞどうぞ
もう1個 聞いてもいい?
いいよ いいよ
リュウシさんにとって
神秘って何?
う~ん
ちょっと待ってまじめな脳みそを使うから
ウイーン ガシャン
ええとね 結論出ましたはい
こうしてることですお待たせしました
トマトサラダ 二人前のお客様
そちらです
ごゆっくりどうぞ
はああ うう~確かに店員さんには
不思議がられてたね
違う まだ続きがあるのですオホン
目で何かを見たり 耳で聞いたり口で言ったり
みんな不思議だなって思うの
仕組みってさ 理科とかで習うけど正直 全然 実感湧かないしそれから普段使ってるものとかも電話の仕組みなんて全然知らないもん
自転車も何で速いか分からない
そう考えると 分かってることいくつあるのかなあって
でもちゃんとなぜか生きてられるの神秘が組み合わさって私を生かしてるんだなあって
たまに寝る前とかに感心しちゃうな
だよね
いや 浅学でお恥ずかしいっす
どもどもでございます
リュウシさん 合格
合格? わあ~ッ!
〈それから駅周辺を色々ナビしてもらい〉
〈非常に有意義な休日の過ごし方だった〉
またね~
おんやあ?
乗ってくかい?それとも運転してく?
(エリオ)原始道具を自ら使用することは恥だから不要
つーか 飛べばいいんじゃね?歩くより楽だろ
まあ 飛べないよな宇宙人のくせに
また川に落ちるもんな 自転車ごと
なくした記憶がどこかにあるって信じたかったんだろ
きっと宇宙人がいてそいつの手元にって
だけど お前は飛べなかった
宇宙人でさえなくなった
だから布団を巻いたんだろ
飛べないのは自転車に乗れないからだって
〈無能を封じて言い訳のわらにしがみつく〉
〈それ自体は否定しない〉
〈ただ それに宇宙人を利用していることが〉
〈負の琴線に触れる〉
じょう舌に言い訳 語らないのか?
知的生命体じゃない者に言葉を持つ気はないの
あっそ
・(女々)マ~コちゃん あ~そ~ぼ
年を考えろ 年を
(女々)いいじゃないマコ君 まだまだ子供なんだし
そっちじゃねえよ
ふ~ん 深海生物
何しに来たんですか?
マコ君と最近 すれ違い気味だからお話でもしようとね
1回でも意思がかみあったことありました?
ほ~ら そういう態度マコ君 つれないもん
じゃあ 聞きますけどなになに? スリーサイズはナイショよ
エリオってどういう経緯で生まれたんですか?
あのさあ マコ君はい
私 今 ノーブラなのよそこから話は広がるんだろうな
話せるようなことは何もないのよね
あれよ ドリンクバーで色々混ぜて遊んでたら
妙においしい謎ジュースが完成しちゃったみたいな
あんた何やってんだよ
宇宙人にアブダクションされて授かった説も 根強く子孫繁栄中
単に遊び人だっただけだろオッケー 認めましょう
そして あなたがお父さん黙れ
あなた~ 一緒に遊びましょう
ほら 早く~うるさい
遊ぶったって 何もありませんよ
マコ君がいるじゃない
ババ抜きでもしましょ私 スーパー強いわよ
〈本当に遊ぶのかよ〉
何か賭けましょう マコ君が勝てばどんな願いでもかなえてあげるわ
ギャルのパンティーくれって言ったら?
マコちゃんたら大胆ギャル言うてますがな
そんなの隣の部屋からいくらでも調達できるじゃない
変なマコ君そうだそうだ 俺は変です
だから言わせてもらうがあんたの脳みそは大変だ!
はい どうぞ
で?デロリアーン!
あんたのせき髄を黙らせろ!
そっちが勝ったら何を要求する気?
そうね じゃあ…今の女と別れなさい
俺の力を超える願いはかなえられないんだよ!
・(女々)きゃ~ん女々たんの勝ち~ッ
13連敗って何だ?
私の持ってきたトランプを認めたこと
それとカードを切って配るのを私に任せたこと
この二つが敗因ねイカサマじゃん
さてと ここ ここ お話ししよ
ええ?
で 話って?
エリオがキレイだからって構ってるなら
諦めなさい
うん? マコ君?
いや あのいきなり抱きつかれたので
ああ 心臓ドキってるわね
もう一度 言うわね
エリオがキレイだから構ってるなら 諦めなさい
興味本位でこれ以上近づくのはやめた方がいいから
それ 言いに来たんですか?うん そう
もう放っておきなさいとご忠告
そういうわけにも…
何で? 他に気になる子とかいるでしょ?
それともやっぱり エリオ一筋?
好きとか そういうのはないですよ
じゃあ 何で一緒に行動してるの?
興味があったから
〈他に まあ 成り行きとか〉
極力一人でいたいんだからそれを尊重してあげればいいのよ
だから女々さんも極力無視を?そう
でも エリオのことかわいがってはいるでしょ?
あのボールチェア何十万とかするのに
物を与えるだけじゃダメなのよ親として
叔母さんは結構いい親だと思いますけど
産む前から育てる覚悟と準備をしてないと
いい母親じゃないのよ その時点で
正直ね いつ身ごもったか覚えてないの
妊娠してた時期の記憶も曖昧っていうか
気づいたら あの子がウチにいたような そんな気さえする
何でエリオのこと親戚中に隠してたんですか?
あの子が陰口叩かれるの嫌だったのよ
出所の分からない子だってね
へえ~
話がそれちゃったけど マコ君がね
エリオの苦労とかしょいこむ必要は全くないの
私の話 納得できた?
あとでゆっくり考えてみます
ヒエッ一緒に寝ましょう
いい加減寝なさい何時だと思ってるの
マコ君が寂しいかなと思って
いや 寂しいのはそっちの方では?
そうかもね
(ドアが閉まる)
はあ…
〈うーん そこまで…〉
化粧してないからそんなにニオイ残らないと思うわ
ギャ~ッ!
ギャーッ ギャーッ ギャーッ!
頭がタコ焼きになるわよ
ワープ? 足音どこに捨てやがった
エリオの部屋に隠れて もとい寝顔を見に行ってたの
そしたら マコ君がキャーッ キャーッ
〈自殺モノの思い出がまた一つできた〉
〈ついでに弱みも力強く握られた〉
〈エリオの抱える わらの安心感は〉
〈宇宙人信仰によって支えられている〉
〈宇宙人には つけいる余地がある〉
〈本人も心底 妄想に染まりきってるわけではない〉
〈一方記憶の方はどうしようもない〉
〈エリオが何も思い出せないなら〉
〈俺個人にできることは何もない〉
〈じゃあやっぱり宇宙人粉砕ぐらいしか〉
〈俺の手が届く範囲にないってことだ〉
〈幻想を ぶっ壊す!〉
〈いやいや そんな熱血キャラじゃないからな 俺〉
〈外見に釣られて構うなと女々さんは言った〉
〈俺は事実 そのとおりだったから〉
〈年長者の意見はうのみにするべきな〉
〈珍しい大人の助言であるのは間違いない〉
〈そう俺の理性も語っている〉
〈しかし現実はエリオとかかわってエリオのことを考えている〉
〈自称宇宙人で 自称空を飛べて自称人間を査定して〉
〈本質何も自称できるものを持たない藤和エリオ〉
〈気に入らない〉
〈宇宙人を後ろ向きに信じていることが我慢ならない〉
〈神秘とは希望であるべきだった〉
〈深海に思いをはせて俺が未知の生物を夢想するように〉
〈前へ前へと押しやってくれる存在であるべきだった〉
〈それを自分の過去へと置き〉
〈後方の安全確認程度の立場しか役割を与えない藤和エリオは〉
〈地球人失格だだけど あいつは宇宙人じゃない〉
〈だから だ~か~ら〉
〈将来は知ったことじゃない〉
〈でも 今許せないことだけは解消してやる〉
よ~し よ~し よ~し
〈よ~し!〉
今から一緒に空を飛んでやる
できなかったらお前 地球人になれ
〈思い出した〉
〈この自転車 「E.T.」の撮影に使用されたモデルだ〉
〈だからって空を飛べるなんて信じちゃいないけど〉
〈相手のためじゃなく 自分の考えを押しつけて塗りつぶす〉
〈そんな自己中心に満ちたフライトだ整備不良を言い訳にはさせない〉
〈きっちり地球の重力に押し潰されていただこう〉
おい E.T. カゴに乗れその方が気分出るだろ
飛べるなら宇宙に帰ればいいさ
そのままな
速度 変わんねえ
〈ギリギリまで崖に高速で近づき〉
〈エリオが死の恐怖をちらつかせたら即減速 進路修正〉
〈即時 帰路につき地球人認定書でも発行しよう〉
〈これはチキンレースなのだ〉
〈エリオが根負けするまでの〉
おッ 重ッ
おッ おッ おッ?
〈ちょッ 待て おいこんな速度 マジで止まれない〉
〈ブレーキ きかねえ!〉
〈横にそれたら絶対死ぬ止めるか? 足出すか?〉
〈いや 出すよ これはマズイって〉
〈…って飛んだ! 止まる気配なし〉
〈下り坂怖い まんじゅうより怖いもう こうなったら念じる〉
〈止まれ止まれ止まれ止まれ!〉
〈俺もマコトだぞ止めてみせろ 時を止めろ〉
〈止まれ止まれ止まれ止まれ~ッ!〉
(何かつぶやく)
〈飛べと 海が ガードレールが〉
〈あああ~ッ あ~ッ もう〉
〈もう もう もう!〉
このまま 行っちまえ~~ッ!
〈ア~イ キャント〉
(二人)フラ~~イ!
飛んでる
飛んでる まだ
アッハハー あッ あッ あッ
ああ~~ッ 落ちる~ッ!
(せきこむ)
どうして? 私は宇宙人だから飛べるはずなのに
いや 飛んだよ 絶対 ちょびっと
3マイル ペーハーなのに認めないといけないのか
地球人か 私 何で?
いや 分かるけど さっぱりだ
ざまあみろ と言えば分かりやすく俺が悪者になるんだろうな
おい エセ宇宙人地球の海水の味はどう?
あんばいの加減が悪いもてなしの心が足りない
全然ダメじゃねえか 宇宙どころか江ノ島にも着かなかったぞ
秘書のやったことです私は一切関与しておりません
失敗したことに変わりないから俺主犯でも全然構わないけどね
こんなこと 何の意味があったの?
理由とか動機とか必要か?当然…
みんな仲良くえッ?
人間の理想だよ とりあえずこれ目指すと色々迷わなくて済む
嘘クサ~ 仲良くなるどころかすっげー傷ついた
よりどころもぶち壊されて悪寒するし
いとこの勝ち誇った顔がすっごく宇宙協定違反だし
1回も傷つけ合わずに 円満なまま終わる関係なんて絶対ないだろ
意味分かんないしつーか 何も始まってないし
今が初対面だ 地球に帰還した美少女と仲良くなりたい
存在しない記憶で悩んだり苦しんでるなら
グチぐらいなら聞いてやりたい
今日は そのためのレクリエーションだ
仲良くなるにはお互いを知る必要がある
つまり自己紹介は大事だあッ 私 藤…
〈おい まだ最後まで言ってねえ〉
おい 地球人 名を名乗れ
藤… 藤…
藤和エリオ
おいっす 俺は丹羽真 よろしく
うん
♪~

JIN 2화 자막.. by 이엘

今 評判の安道名津ですよ

脚気にも効く
体にいい お菓子だよ


大人気ですな 脚気に効く菓子は

はい 医学所のほうでも

効用を説いてもらうと助かります

実は あるお方が

脚気の疑いがございまして

あんドーナツを
献上していただきたいのです

どなたにですか?

 

はあ 和宮って人ですか

 

左様でございます

松本先生の患者さ…

 

それって こッ 皇女・和宮!

口にするのも
畏れ多いお方でございますぞ

和宮様は 亡き帝の内親王様

上様の御台所であらせられる
最も高貴なお方でございます

 

実は 大の甘い物好きで
いらっしゃいましてな

近々 お忍びで
田之助の芝居を楽しまれる

よい折がございますので
ぜひ その席で

田之助さんの?

私は これを皮切りに
先生を 奥医師にとも

ちょっと待ってください
うん?

 

仁友堂のものを

本道のものとして
和宮様に ご献上されるのは

無論

本道なりの工夫を施すつもりじゃ

お主は これに何が入っておるのか
述べれば それでよい

しかし
仁友堂は

お主の本道で
食うておるそうではないか

教えてもろうても
罰は当たらぬと思うがのう

 

あの 何か…

 

和宮様に

あんドーナツを献上することが
決まったんです

あ~ッ あ~ッ あ~ッ

皆さん し~ッ

くれぐれも
秘密でって言われてますんで

それにまだ やると
決まったわけじゃありませんから

えッ…

いや…

あんドーナツの作り方を
松本先生に渡してしまえば

それで済むわけですし

 

おっしゃるとおりでございます

大奥は しきたりや
人との交わりが難しく

些細な そそうが命取りになる場所
かかわりにならぬのが一番

何 言うか!

和宮様でっせ

 

何か ご心配なことが?

 

いいんですかね

私みたいな人間が
大奥に出入りしたり

奥医師になったりとか

当代一の名医で
いらっしゃいますのに

 

身元も明かせないわけだし

ある日 突然 いなくなることも
あるかもしれないし

 

あッ…

 

左様でございますよね

先生は いつか必ず

いらっしゃらなくなって
しまうのでございますものね

すぐに どうこうってことは
ないと思うんですけど

もう二年も このままなんだし

私としたことが
つい 忘れておりました

宮様の献上の件は

先生の よろしきようになさるのが
一番かと存じます

あッ…

 

この操練所も
取り潰しってことになりそうだよ

悪いがは 幕府の石頭ぜよ

亀弥太や北添が
池田屋で捕まったがは

やむにやまれぬ
あいつらの憤りゆえじゃ

それを 十把一からげに

攘夷派の巣くつじゃち

 

ここで 皆で生きていけりゃいいと
思ってたんだけどな

故郷に帰れねえ奴も
多かったからよ

 

《もしかして先生は ワシらの運命
知っちょるがかえ?》

 

ワシらの故郷には

陸も海も続いちゅう

 

帰れんちゅうがは

まっと違うがじゃ

 

五百両!?

南方様のご注文は 全て
特別なものばかりでございますし

もう少し 何とか
お支払いしましょう

そんな 薩摩藩からもらった治療代
全部 なくなっちゃいますよ

大丈夫です
私が やりくりいたします

でも どうやって

先生は どうぞ お先に
患者が まいってるやもしれませぬ

はい

 

〈仁友堂には 金がない〉

 

〈たまの大きな治療費は
医療道具に消え〉

〈ペニシリンの製造は いまだ〉

〈濱口様の援助に頼りきり〉

〈先生達には
一度も 給料を払えていない〉

〈もちろん 咲さんにも〉

 

〈あんドーナツが御用達になれば
仁友堂は潤う〉

〈献上は
ありがたいというしかない話だ〉

〈だけど ここのところの俺は〉

〈あまりにも 歴史上の人物に
かかわりすぎている〉

〈この上
和宮様に会ったりでもしたら…〉

 

〈こうなってくると 何だかもう〉

〈ここに骨をうずめろと
言われている気がしてくる〉

 

〈江戸は いいところだけど〉

〈ここで 死んでもいいと
思えるかと聞かれれば〉

〈「いい」とは
言い切ることはできない〉

〈俺にも 残してきた親もいれば〉

〈友達もいる〉

〈それに ここにいるかぎり〉

〈未来が どうなったかを
知ることはできない〉

 

〈それでも〉

〈「いい」と言い切れる日など
来るのだろうか〉

 

野風さん

 

先生が ずっと…

 

〈そんな日は たぶん…〉

 

〈永遠に来ないような気がした〉

 

               

長屋を 追い出されたんですか!?

色目を使っていると
言われんしてなあ

昔の旦那衆にでも
職を口利きしてもらえぬかと

 

あの…

お妾さんになるなんて
考えてないですよね

 

ちゃんと堅気になりんす

先生に いただいた命

大事に使いんすよ

 

あの よかったら
仁友堂で働きませんか?

 

そんなこと言っても
お給料とか 出せないんですけど

その… 食べるくらいは困らないし

ありがたいお話でありんすけんど

先生は あちきに

何ゆえ そこまで ご親切に

 

それは…

 

野風さんに
幸せになってほしいからです

 

せっかく
助けること できたんですから

 

へえ

 

先生 すっかり遅くなってしまい…

 

咲さん

 

野風さん 何ゆえ ここに?

 

あの… 咲さん 実は

まさか また岩が!?

 

相変わらずでおざんすなあ 咲様は

 

落ち着き先が決まりんしたら
すぐに出ていきんすゆえ

変な遠慮は なさらないでください

困ったときは
お互いさまでございます

できるだけのことは
いたしんすので

 

あッ おはようございます

おはようございます

よろしゅうお願いいたしんす

こちらこそ

 

野風さん 頑張ってくれてますね

先生 少し出てもよろしいですか?

はい

 

先生 献上の件は
どうなさるおつもりで?

 

ちょっと まだ

ちょっと ふんぎりが

お心が決まりましたら
早めに お知らせくださいませ

 

また今日は 多いですねえ
人が増えましたゆえ

ああ なるほど

 

あの あれは おいくらでしょうか

まけて 一両くらいで

一両…

 

咲ではないか

こんなところで 何を?

 

南方先生は その…

ご存じなのか? お前が
このようなことをしているのは

つまらぬことで
お心を煩わせたくはないのです

よい話も来ております

もう
しばしのことかと思いますので

 

松本先生が
まだ返事ないって こぼしてたよ

何 迷ってんだい? 先生は

作り方を教えてしまえば
誰でも 作れるものですし

欲がないねえ

あんがとよ 先生

あんドーナツの作り方なんて
どうするんですか?

芝居ん中に こいつを作る場面を
入れようと思ってさ

ウケがよさそうじゃねえか

張り切ってるんですね 田之助さん

あの方は
日本で一番寂しい お姫様だからね

寂しい?

相思相愛の許婚がいたのに
公武合体だなんだって

生まれ育った京から

言葉も しきたりも違う
大奥に連れてこられてさ

もう一生 故郷には戻れねえんだよ

 

一生?

つかの間でも
笑わしてやりてえじゃねえか

 

そういえば 野風さん
お故郷は どこなんですか?

 

あちきには故郷など ありんせんよ

またまた
もう花魁やないんですから

吉原に行く前に 親は死にんしたし

故郷と呼べるようなところは…

 

あんれ…

先生?

《いいよ 仁先生》

 

故郷がないんですね 野風さんも

 

先生!

 

松本先生!
松本先生 おられますか?

 

あんドーナツの献上
やることにしはったんでっか

はい 松本先生に
先ほど 申し上げてきました

そうでっか よかった

 

当日の同行は
女性をとのことですので

咲さん お願いできますか?
はッ はい

もっとよい小麦や玄米を
用意いたしましょう

では 卵や砂糖を使って
もっと色々 試してみましょうか

より やわらかく
できまするか?

玄米の潰し方を
変えてはいかがでしょう

揚げ具合も
変えてみましょう

色々 試してみましょうか

 

宮様に 脚気に効く菓子をと
進言したところ

仁友堂から
あんドーナツを献上することが

既に 決まっておると告げられたが

それは… まったく

献上を失敗に終わらせよ

 

それは…

 

いよいよ明日でございますな

はい

先生 着物 ちゃんとしたの
持ってはりましたっけ?

えッ… これじゃ駄目なんですか?

相手は 宮様でっせ

 

こんな いい着物
どうしたんですか?

兄に借りました

 

あッ ちょうど

ありがとうございます

 

あの…
何ゆえ 急に献上をお決めに?

初めは あまり気乗りもせぬ
ご様子でしたのに

 

和宮様は 故郷に戻れない方だって
聞いたんです

ある日 突然

全然 違う世界に
ほうり込まれたんだって

 

それを聞いたら 自分で
持っていきたくなったというか

おじさんが何 青臭いこと
言ってんだって感じですよね

いえ 分かります

それに もっとしっかりしなくては
いけないと思ったんです

野風さんのこともあるし

 

野風さん?

 

野風さんも 実家がないらしくて

他で働くのも難しそうだし

だったら ここに居ていただくのが
一番だと思うんです

 

そうなると
自然と お金もかかるわけで

 

野風さんは 未来さんの
ご先祖やもしれぬ方ですものね

 

あの手術があって 未来はもう

生まれなくなったのかも
しれないし

もう どうすることも
できないかもしれないけど

せめて 野風さんには
幸せになってほしいというか

 

それが 未来にできる
唯一の罪滅ぼしというか

 

野風さんの人生によっては

新しい未来が 生まれる可能性が
あるかもしれないし

 

咲さん?

 

あの 少し…

 

その… 少し

情けなくなってしまいまして

 

情けない?

 

私どもで
変えられなかった お気持ちを

野風さん いえ…

未来さんは たやすく変えて
おしまいになられるのだと思うと

 

あッ…

少し 少しですよ

 

〈そこにあったのは
俺と咲さんの生活の足跡だった〉

〈咲さんは
着物や持ち物を売っていた〉

〈日々の生活に消えていく 些細な〉

〈だけど 欠かせないもののために〉

 

《兄に借りました》

 

《あッ ちょうど》

 

《少し
情けなくなってしまいまして》

 

〈いつ
消えてしまうかもしれない男の〉

〈たった一日のために〉

 

〈でも だからといって〉

〈俺は どうすればいいんだろう〉

 

〈こんな中途半端な身の上で〉

〈中途半端な気持ちで〉

 

〈何を言えば いいんだろう〉

 

咲さん

 

あの…

 

浅はかなことを申し上げました

 

野風さんの手術を願ったのは
私でございます

責めは 私にもございますのに

すみませんでした

咲さん

 

さあ 作りましょう

 

どうかなさいましたか?

ずっと不思議に
思っていたのでござりんす

なぜ 先生も咲様も

かように
ご親切にしてくださんすのか

 

早速 お毒味役にまわして
和宮様に食べていただきましょう

はい

 

宮様でございます

 

               

 

良順 そこにある箱を
もう少し 近うへ

 

中を

 

宮様! それは
まだ毒味も済んでおりませぬ

 

これは
お菓子ではない お薬であろう

良順 その者達は?

あんドーナツを考案いたしました
南方という医師と

その弟子でございます

 

面を上げよ

 

先生 一度目は
面を上げてはなりませぬ

えッ!?

 

えッ?

 

おいしい お薬でありました

あ… はい!

 

宮様

 

お気に召して
いただけたようですね

はい


 

宮様!?

いかがなさいました 宮様!

宮様ッ!

 

御簾を下ろせ!

 

胸が 胸が…

治療しやすい別室へ移し
急ぎ 油を お飲ませせよ

 

宮様 宮様…

 

宮様!

 

松本先生 一体 何が?

宮様は
毒を盛られたようでございます

症状からして
恐らくは ヒ素

 

あの どのような治療を?
油を飲ませ その後 ミョウバンの粉を

胃の腑を洗っては どうでしょう
い… 胃の腑を洗う!?

胃の中に入ってる毒を
洗いだすのが

最も はやく
確実な治療だと思いませんか?

しかし そのような治療は
誰も できませぬし

奥医師ではない先生が 宮様を…
方法は お教えします

 

奥医師でもない者に
お任せすることはできませぬ

この者は 指示をするのみ
治療をするのは 私でございます

今は 何より
宮様の命を救うことが大事

お含みくださいませ!

 

宮様を寝台に
左側を下にして寝かせてください

 

もう少し 上に

止めてください

そのあたりが 胃の中 10センチ

 

あッ…
3寸程度の位置にくるはずです

口のところに印をつけてください
はい

 

その先端に油を塗りつけ
ゴム管を挿入してください

お開けください

 

印のところまで 入りましたぞ

スポイトを管につないで
胃の中のものを吸引してください

 

よし

 

もう何も出ませぬ
では 洗浄に移ります

スポイトを抜き
漏斗を つないでください

 

止めてください
その位置から 湯を流し入れます

一回の量は 一合から一合半で

急激に入れると
おう吐を誘発しますので

ゆっくり お願いします

 

終わりました

では 管を下へ
はい

 

何と
いいんです それを

液が透明になるまで
繰り返してください

 

南方先生

 

透明になりましたぞ

続いてこれを… 炭を溶かした湯に
下剤を混ぜたものです

残ってる毒を 炭に吸着させ
体外に排出させます

 

もう大丈夫です あとは自然に
排せつされるのを待ちましょう

ありがとうございました
いえ 間に合って よかったです

橘咲 吟味のため
そなたを捕縛す!

 

咲さん
南方仁

吟味のため そなたを捕縛す!

お待ちくだされ
これは一体 何のまねだ!

宮様は その者の菓子を
召し上がられました

菓子は毒味したではないか

毒味前のものも
召し上がられておいでです

あのときのものが原因なら 症状が
出るまでに時がたちすぎておる

その者は
奥医師である 松本殿ですら

知らぬ治療を示してみせました

自ら 毒を盛り 力を示し

出世を
たくらんだのやもしれませぬ

それは あまりのお言葉

先生は ここに来ることすら
畏れ多いと 悩まれておりました

先生は…
この者どもを お目付へ

 

私達は 何もしてません

 

その人だけでも 離してください

咲さん 咲さん!

 

咲さん!

 

いずれにせよ あの者らは
吟味されるべきです

そうでしょうな

 

毒味役 そのほか
大奥の皆様方も等しく

 

牢入り

 

おいッ

 

大牢 二人のうち
入れ墨 一人~

 

早く 入れ

入れ墨 さあ来い!
まけてやるぞ

新入り さあ来い…


 

よく来たなあ 新入り

 


誰か!

 

誰か ある!

 

お前ら!

命のツルは 持ってきたか?

へい 二両二分で

着物に縫い込んであります

しけてやがんな

 

お前は?

 

あの ツルって?

俺達に渡す金だ!

そッ そんな金は…

牢を甘く見んじゃねえ! や~ッ

 

代わりに やるよ

 

兄貴

 


 

宿に行ってなあ
ツルを持ってこさせれば

出られるぞえ

あの… 女の人も
こんな目に あうんですか?


 


 

一体 何が起こったんや

当家に伝えにきた役人も

詳しいことは
知らされておらぬようであった

お調べは行われるんですやろ?
ほしたら 先生の無実は必ず

しかし 大牢送りであるからな

大牢の中では お裁きによらず
無法に殺される者も多いと聞く

えッ!?

 

ツルがあれば
免れるやもしれぬが

ツルとは?

牢名主や役人に渡す 賄賂のことだ

そんな 金など

 

では あちきは これで

ここに とどまり
お仲間と みなされては

どのような おとがめを受けるか
分かりんせん

ちょうど よき働き口も
見つかりんしてなあ

お二人には
よろしくお伝えくださんし

 

あれが
吉原の流儀なんですか?

 

福田先生
どうかなされたのですか?

 

もしや
何か ご存じでおられるのか

 

何や?

何を知っとるんや 吐け!

 

かわいそうだけどよ

 

あの男 殺されるぜ

えッ?

医者は普通 揚がり屋に送られんだ
大牢に送られるってことは

お上は あわよくば 牢の中で
死んでくれと思ってるってことだ

 

何ゆえ 先生が そのような目に

お待ちください
何ゆえでございますか!

 

〈何も分からなかった〉

〈誰が 何のために
和宮様に ヒ素を盛ったんだろう〉

 

〈俺に罪を なすりつけるために?〉

〈それとも 俺を陥れるために?〉

《・お前のやったことが
意に沿わぬことであったら》

《神は 容赦なく
お前のやったことを取り消す》

 

〈これは〉

〈そういうことなのか?〉

 

死体…

ツルを払わねえと
こうなるんだよ

 

どうだ えッ?

 

払えません

 

私が持ってる金は
患者が払った なけなしの金

 

命のツルです

 

一緒に働いてくれる仲間は

それに手をつけようともせず

 

ツメに火をともすように
暮らしてます

 

あなた方に払う金は

 

ありません

うッ う~ッ…

 

〈俺は このまま ここで
取り消されてしまうのか?〉

〈それが 神の意志なのか?〉

 

《咲さん!》

 

口では
分かったようなことを言いながら

私は ずっと
心の底では望んでおりました

先生が お戻りになる日など
来なければよい

 

できるなら

ずっと ここに居てほしい …と

 

もしや そんな私を哀れと思い

 

願いを お聞き届け
くださったのでしょうか

 

なれば どうか

 

もう一度だけ
哀れと思うてくださいませ

 

どうか 先生をお助けください

 

今すぐに

 

今すぐに 先生を未来へ
お戻しくださいませ

 

〈これは 幻か?〉

〈それとも このまま死ねば
俺は 戻れるのか?〉

 

〈でも ここで戻ってしまったら〉

〈どうなるんだろう?〉

〈咲さんが どうなったかを
未来から知ることは〉

〈きっと できない〉

 

〈あの不器用な優しさに
応えることはできない〉

〈あの笑顔を見ることはできない〉

 

〈それでも いつか
新しい日々の中で〉

〈「それでよかった」と
言い切れる日が〉

〈来るんだろうか〉

 

〈そんな日など〉

 

〈そんな日など…〉

 

〈絶対に来ないと思うなら〉

 

あ~ッ

 

元は うちの医師に

献上を うまくいかぬようにしろと
脅しをかけてたんです

本道の奥医師ならば
大奥と通じることもできます

これは 医学館の陰謀では…

そうであれば
もう どうにもならないかもしれぬ

この件のお調べは
医学館がすることになったのだ

 

〈俺は ここで〉

〈生きるしかないんだ〉

この野郎!



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