♪♪
はぁ~。
あん?
♪♪~
ぎゃおぉぉぉ!
仁太君。
今日は どうするの?
う…。 行かねえ。
そっか。
じゃあ お仕事 行ってくるね。
《何で
責めないんだろうな 親父》
《まっ そっちの方がいいけど》
いや
いっそ責めてくれた方が…。
駄目だよ じんたん!
学校 行かなきゃ!
あなるに お礼しなきゃー!
って お… お前!
《学校 来なよ》
聞いてたのかよ。
のけモン
一緒に集めてくれたんだから
約束破りは しっぺだよ!
あっ そうだ。 これが
「めんまのお願い」かもしれないよ。
じんたんが
学校に行きますように! って。
そういうことか…。
えっ?
うわっ!
じ… じんた…。 あう。
着替えるから 外 出てろ。
あ…。
あぁ!
《突然 目の前に現れて
訳分からん主張をかました
夏の獣…》
《俺の幻想》
《ただね たぶん
お願いをかなえてほしいんだと
思うよ。 めんま!》
《暦的には初秋だが
夏の獣は 家に居座り続け
追い立てられて
俺は仕方なく…》
《仕方なく…
学校へ》
♪♪~
あっつ!
《セミ…》
《セミ… 人…
セミ… 汗… 汗…》
《汗… 汗… 太陽… 汗…》
《人… 人… 視線…》
気持悪っ…。
《やっぱ…》
あっ。
あっ!
あ…。 う…。
来たんだ 学校。
まあ… な。
そっか。
べ… 別に お前に言われたから
とかじゃねえぞ。
そっか。
あれ?
マジで 宿海?
偉い! 学校 来れたんじゃん。
亜紀! 春菜!
はよっす 鳴子! と宿海。
平気 平気!
1学期 来なかったぐらい
誰も気にしてないし。
つうか 誰も 宿海のことなんて
眼中ないしー。
おーい おい 春菜!
ちょっと! あんまり…。
それにしても
愛の力って偉大じゃね?
あんたが 家 行ってあげたから?
な…!
熱い! 愛が熱いよぉぉ!
やめてよ! こんなやつと…。
あ…。
「熱い」か…。
そうなんだよな。
えっ?
暑さにでも やられてないとさ
こんな低脳なやつらばっかの
動物園みたいなとこ
来る気なんて起きねえし。
じん…。 宿海?
あー やっぱ 帰るの?
ねえねえ。
今のって もしかして…
捨てぜりふってやつ~?
嘘っ!? あれが?
うぅ…。 お留守番。
つまんない!
お邪魔しまーす。
じんたんち 冒険だー!
えーっと
こっちのお部屋はっと…。
ふむふむ。
あっ そっか。
じんたんのおばさん
死んじゃったんだ。
この写真より ずっと
おばさん奇麗だったよ。
めんまの写真もね
あんまり好きくない写真だったの。
でも めんま いつも 写真撮るときピースしちゃうから
ピースしてない写真 あんまり
なかったのかもしれないね。
めんまも死んでるけど
めんまは 取りあえず
今は元気です。
あれ?
また泣いちゃった。
じんたんに怒られちゃう。
エヘヘ。
♪♪~
くだらねえ。
《あなるとの約束なんて
関係ねえ》
《めんまが…。 俺の幻想が
学校に行けって言うんだ》
《俺自身も どっかで…》
《帰るか…》
《駄目だよ じんたん!
学校 行かなきゃ!》
あぁぁぁぁ!
ハァ…。
《帰れない… よな…》
ベントラー ベントラー スペース ピープル。ベントラー ベントラー スペース ピープル。
ベントラー ベントラー スペース ピープル!
ベントラー ベントラー スペース ピープル!
何やってんの?
うぉ!
おっ 相棒!
あ… 相棒?
俺も見たぜ!
見たって 何を?
決まってんだろ? めんまだよ!
えっ?
いや~
俺も 相当 強くなっちまった…。
《何で 俺の幻想が…》
たぶん
奇跡のタイミングだったんだろうな。
俺のションベンが こう
奇跡のアールを描いたんだよ。
そんとき
たぶん デルタだったんだよな?
何かが出るた!
それ 見間違いじゃねえのか?
えっ? ないない!
俺 視力 オスマン並みだし。
めんま
すっかり 大人になっててよ…。
お… 大人に?
おう! いい女だったぜ。
どんな格好してた?
うん?
あいつが 夏 よく着てた
白いワンピース?
めんまって 確か
願い事 かなえてほしくて
戻ってきたんだよな。
俺 最強に 本気 出して 考えっぜ。じんたん!
俺 帰るわ。
えっ?
夕飯 俺の当番だし。 じゃあな。
はっ 夕飯? まだ 昼前じゃん。
何? カレー?
8時間 煮込んだカレー!?
俺も食いてー!
おい じんたん! 俺も…。
あれ?
《大人になった めんま…》
おかえりなさーい!
た… ただいま。
じゃなくて お前!
早かったねぇ じんたん。
えっ? あ… えっと…。
きょ… 今日は始業式だけだからさすぐ お… 終わるし。
そうだ!
お前… 何だよ これ。
家庭科してみた!
あ~あ。 好き勝手 やりやがって。
これ…。
《腹 減った!》
急げ!
待ってよ!
ちょっと 押すな ぽっぽ!
母ちゃん! あれ ある?
あるよ!
うわー!
仁太 来てくれたの?
ほら!
母ちゃん。
うん?
蒸しパン
みんな食べたがってるよ。
ごめんね。
仁太君! おい ちょっと!
じんたん?
じんたん…。
じんたん!
食べよ 食べよ!
あ… ああ。
いっただっきまーす!
うぅ…。 じんたんの おばさんが
作ってくれたやつのが おいしいや。
レーズン なかったからかな。
もっともっと練習して
もっともっと おいしいの
作ってあげるね。
「もっと」って お前
ずっと ここにいるつもりか?
駄目ぇ?
だ… 駄目っつうか…。
あっ そうだ お前
ぽっぽんとこにも行ったのか?
え~! 知らないよー。
めんま ずっと おうちにいたよ。
でも あいつ お前 見たって。
あっ! それ めんまの幽霊?
じゃあ お前は何なんだよ?
本間 芽衣子でーす!
話にならねえ。
まあまあかな…。
幽霊でも どうでもいいか。
うん?
いや。
卵の殻 入ってる。
えっ? ん~と
カルシウム?
まだ決まらないの?
こっちだって 用事があるんだけど。
悪い もう少し。
フン…。
何?
久川。
久川って ぽっぽ?
へぇー。 メアド交換してるんだ。
「めんま発見」?
プレゼントですか?
はい。
うらやましいですね 彼女さん。
あぁ… えっと
ほかにも 色々ありますから
ゆっくり見ていってくださいね…。
いつも付き合わされてるけど
いったい 誰に貢いでるの?
フッ 教えない。
うるせぇ うるせぇ!
新聞でーす!
俺んとこ 産経じゃないんだけど。
いいじゃん いいじゃん。 ほらよ。
えっ。 何?
「夏の終わりに
みんなで めんまを探そうの会」?
めんまと納涼とバーベキュー。
まったく
趣旨が分かんねんだけど。
ままままま! とにかく
じんたんは 絶対 参加な!
じゃ!
「絶対」って おい!
みんなってことは…。
あ~! 楽しそう!
めんまも めんま 捜したい!
うわっ!
ねえ。 何 持ってく?
誰も 行くって言ってねえだろ!
行くって言って!
はあ?
これ めんまが かなえてほしい
お願いかもしれないよ?
めんま めんまの幽霊 見たいって
思ってたのかも!
お前 ずいぶん 都合よく
使ってないか? お願いってやつ。
ん~?
ねー 鳴子。
帰り カラオケ行こうよ!
えっ? あ… う~ん…。
ごめん。 今夜はパス。
えー!
ねえ。 バーベキューするのに
バイエルンだけで いいの?
冷蔵庫に 持ってけるもんは
これぐらいしか なかったし。
どうせ 誰か
何かしら持ってくるだろ。
めんまの蒸しパンもあるしね!
それは…。
あ…。
うん? あっ!
あーなるー!
ほら じんたん あなるだってば!
一緒に行こうよ!
えっ? あれ? じんたん!
ちょっと!
うぅぅぅ! ねえ じんたん!
どうしたの?
ちょっと 用が…!
じーん… たんっ!!
うわっ! あっ!
うわっ!
宿海 何してるの? さっきから。
別に。 じゃあ。
えっ?
あー こら! じんたん駄目でしょ!
仲良く 班行動しないと!
あれだけ派手に転んでおいて…。
どうせ 同じ所に行くのに!
こんばんは。
おう!
つるこだー!
ぽっぽ。
つる…。 鶴見さんも呼んだのか?
号外 ちゃーんと読んだか?
みんなっつったら
みんなに決まってんべ!
何? これ。
マサラチャイ。
でも みんなっつっても
ゆきあつは来ないんじゃねえの?
こういうの
絶対 信じなさそうだし。
来るでしょ。
えっ?
じんたん
そっち もうちょっと上げて。
お… おう。
じんたん 頑張れー!
よっと! どうよ? このコンロ!
営業所のおっちゃんから
貸してもらったんだ。
焼くもんは?
俺 バイエルン持ってきたけど。
わたし ろうそく。
えっ?
めんま 呼び出すんでしょ?
怪談的には
小道具が必要かと思って…。
怪談?
お… おう サンキュ。
で バーベキューの材料は?
ああ。 わたし 夜は
あまり食べないから気にしないで。
おいおーい。 つるこさん
自分のことしか考えてないぜー!
わがままな女って 俺的には
かなり きちゃうぜ おい!
アホ!
あの…。
わたし 食べ物は みんなが
持ってくるだろうと思って
かぶっちゃうと やだから…。
花火?
子供じゃないんだから。
なっ!?
ヘイヘイヘイ! 平静!
俺は こいつだ!
な… 何? これ。
キールっつってさ
インドに行ったときに食った
牛乳で 甘ーく 米 炊いたやつ。
へぇー。 ゲロみたい!
えっ!
結局 これも
バーベキューじゃないわよね。
だったら こいつ
お好みっぽく焼いてみっか?
バイエルンだけで いい。
よし! やっと 付いた!
やっぱ 火がねえとな。
何つうか 集まるもんだな。
何年もたってるのに。
カニって どうやるんだっけ?
カニさん?
あなる カニさん作れるの?
炭と一緒だな。
はっ?
もともと 木 燃やして
作ったもんだろ?
なかなか 火 付かなくてもよ
思い出したら
一気に燃え上がるんだよ。
いい例えでも 何でもねえぞ。
えっ マジ?
て… 手伝おうか?
別に。
バーベキューやってて。
だって バイエルンしかないし。
一応 切れ目は入れといたけど。
カニ?
白いワンピース。
そうだよ。 めんま よく着てた。
つるこの言うとおりだよ。
わたし すぐに影響されちゃう。
昔も…。 今だって変わってない。
でも めんまみたいだけど
こんなミニ めんま 着ないし
高校の友達とかは着るけど
でも きっと 白は選ばないし
わたしだって
わたしなりに考えて着てるし…。
そりゃ すぐに流されちゃうけど
わたしなりに…。
それなりに 色々…。
それ わたしに話して
何の得があるの?
「そうなんだ 偉いね」とでも
言ってほしいの?
違う。
たぶん 周りに流されちゃう
わたしのこと
しかってほしかった。
わー! ほら じんたん カニさん!カニさんだよ! タコさんも!
うん! うめぇ!
これぞ 本場 ドイツの味!
間違いないわね。
おう!
お前にも分かるか つるこ!
意外とおいしい!
マジか?
だろ?
じんたん カニさん焦げちゃう!
デザートみたいっていうか…。
それにしても
「めんまのお願い」ね…。
おう。
お前も手伝ってくれるよな?
信じてるの? それ。
わ… わたしは…。
あ… カニさんが…。
信じてもいいって思ってる。
えっ?
そう。 なら わたしも。
えっ?
おう! やってくれるか!
さっすが つるこ!
ねえ じんたん!
やっぱ 超平和バスターズは…。
超平和バスターズは やっぱ
最高だな!
「超平和」?
久しぶりに聞いたわね
その名前。
うっわ! 超懐かしいんですけど!
何 言ってんだよ。
みんな現役だぜ!
泣くなよ。
な… 泣いてないよ!
泣いてないもん…。
この分だとさ
めんまも懐かしくなって
ひょっこり戻ってくるんじゃね?
ぎゃぁぁぁ!
何だ?
えらい歓迎ぶりだな。
ゆきあつ!
久しぶり!
えっ? あ…。
安城だよな?
そうよ! 久しぶり!
野菜と 骨付きリブ
持ってきたぞ。
あと
ハーブソルトとオリーブオイル。
うひょ! さすが ゆきあつ。やっぱ 来たか。
使えない女どもとは
ひと味 違う!
何を!?
それにしても びっくりしたぜ。
てっきり めんまが来たんだと…。
めんまなら いたぞ さっき。
嘘!?
マ… マジでかよ!?
どこにいた? めんま どこ!?
あっちの沢の方。
よっしゃ!
行くぞ じんたん!
オー!
おい!
ちょ… ちょっと待って!あいつら…。
お前だけじゃ
なかったみたいだな。
は…? 何を…。
めんま 見えるの。
♪♪~