東日本大震災で被災した宮城県石巻市などで活動中の陸上自衛隊第14旅団(香川県善通寺市)の隊員が、津波で児童の約7割が死亡・行方不明となった石巻市立大川小の児童とみられる女児から捜索活動に感謝する手紙を受け取った。コピーが他の隊員にも配られ、心の支えになっている。
女児が陸上自衛隊第14旅団の隊員に手渡した手紙(同旅団提供)
手紙は「つなみのせいで、大川小学校のわたしのおともだちがみんなしんでしまいました。じえいたいさんががんばってくれているので、わたしもがんばります」とつづられていた。広報を担当する伊丹秀喜2等陸尉(47)は「手紙に大きな力をもらった。気持ちに応えられるよう、一日も早い復興に力添えしていきたい」と話している。
第14旅団によると、4月6日午後2時ごろ、大川小から遠くない宿営地にいた3等陸曹の男性(32)に、青いワンピース姿の女児が近づいて来た。恥ずかしそうに「はい、これ」と封書を手渡し、母親とみられる女性の車ですぐに立ち去った。
封筒の中には子どもが使うような動物のイラストが描かれた1枚の便箋に、手書きで感謝の気持ちを伝える言葉が並んでいた。「日本をたすけてください。いつもおうえんしています。じえいたいさんありがとう」とも。筆者の名前は書いてあったが、姓はなかった。旅団によると、同じ名前の女児が大川小の低学年に在籍している。
旅団は手紙をコピーし、大川小の捜索を担当している第50普通科連隊(高知駐屯地)をはじめ、現地で活動する旅団の全ての部隊に配布。多くの隊員が財布や手帳などに入れて持ち歩いている。(共同)
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