2011年4月26日22時20分
地震予知連会長の島崎邦彦東大名誉教授は「東海地震のような前兆すべりは観測できなかった」と認めた上で、「(観測条件や地下の特性は)東海とは同じではない」と話した。
東海地震の予知は、地震学者にも「今の地震学では予知できない可能性の方が高い」とする意見や、ロバート・ゲラー東大教授のように「政府は不毛な短期的地震予知を即刻やめるべきだ」との指摘もある。しかし、予知の可能性は残されており、政府は失敗した場合に備えながらも、予知体制を維持している。
気象庁地震予知情報課の土井恵治課長は「前兆すべりがとらえられなかったことは事実だが、『なかった』と証明されたわけではない。東海地震の予知体制が否定されたわけではなく、今後も見逃さないように観測を続けていく」と話している。(松尾一郎)