現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 災害・交通情報
  5. 記事

東日本大震災の前兆すべり観測できず 問われる予知体制(1/2ページ)

2011年4月26日22時20分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

図:前兆すべりの仕組み拡大前兆すべりの仕組み

 巨大地震の前触れと考えられている「前兆すべり」が東日本大震災の前に観測されなかったことが、26日に開かれた地震予知連絡会で報告された。前兆すべりの検知を前提とした東海地震の予知体制のあり方が問われることになりそうだ。

 予知連では、山岡耕春名古屋大教授が、国土地理院や防災科学技術研究所などの観測結果をまとめて報告。全地球測位システム(GPS)による地殻変動や、岩盤のわずかな伸び縮みや傾きを観測データを示し、「本震前に前兆すべりのような顕著な変動はみられない」と説明した。

 前兆すべりは、地震を起こすプレート(岩板)とプレートの境界が、地震の前にゆっくりと滑り始める現象。東海地震の予知を目指して、気象庁は東海地方に展開する観測網でとらえようとしている。

 この理論では、東日本大震災の前に前兆すべりが観測されたはずだった。観測網は東海地方の方が充実しているが、マグニチュード(M)9.0という巨大地震でも観測できなかったことは、M8級と想定される東海地震の予知が本当に可能かの検証が必要になる。

 東海地震は、政府が唯一予知の可能性があるとして、大規模地震対策特別措置法で予知した場合に備えた防災体制を構築している。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

関連トピックス

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

放射能汚染で揺らぐ食の安全。何をどう食べればいい、今後水や食品は手に入るのか?

フクシマ以前の国内最悪『レベル4』の事故。その教訓は、今に生かされているのか。

震災で外国要人の訪日キャンセルが続く中、いち早くやってきた仏大統領。その真の狙いは?


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介