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多くの原発 電源車が出力不足

4月29日 17時52分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力の福島第一原子力発電所の事故を受けて、各地の原発では、電源の喪失に備えて新たに電源車などを配備しましたが、その多くが、原子炉を継続的に冷やして100度未満の安定した状態にするには出力が足りないことが分かりました。

全国のすべての原発では、福島第一原発の事故のあと、経済産業省の原子力安全・保安院の指示に基づいて、電源車などの移動式の発電機が新たに配備されています。NHKで、東京電力の福島第一・第二原発を除く全国15か所の原発で、電源車などの出力を調べた結果、このうち12か所の原発では、40キロワットから800キロワット程度のものにとどまっていて、原子炉の状態の監視や弁の操作などはできますが、原子炉を継続的に冷やして100度未満の安定した状態にするには出力が足りないことが分かりました。また、残る3つの原発では、3000キロワットを超える電源車を配備していますが、すべての原子炉を同時に冷却できると答えたのは、北海道電力の泊原発だけで、残る2か所ではすべての電源を賄うことはできないとしています。さらに、出力が低い電源車を配備した12か所の原発では、いずれも大型の電源車や発電機を追加で配備する計画ですが、その時期については、関西電力がことし9月までとしているのに対し、九州電力は1年以内、北陸電力は2年以内とするなど、対策のばらつきが浮き彫りになっています。