プロレスラー長州力が、福島・大熊町からの避難者約300人が生活する県立郡山高校で、ひっそりと炊き出しを行なっていたことが判明した。
この炊き出しはマスコミへの事前告知は一切なく、極秘に行なわれた模様だ。
目撃した男性(39歳)がいう。
「サンバイザーを異常に目深に被っていましたが、その男がすぐに長州力だってわかりましたよ。嬉しくなって『ありがとうございます!! 長州さんですよね!?』と声をかけたんですが、終始、「名乗るアレじゃないですから」と言いながらカレーと豚汁を振舞ってました。どっからどう見ても長州さんでしたけどね(笑)」
ツイッターでは「長州力と見られる男が炊き出しなう」「名乗るほどのもんじゃありません男(笑)」などと大きな話題になっていたようだが、どうやら本物だったようだ。
関係者によると、今回の炊き出しは1週間前に突如、長州氏が「じっとしていても仕方がない。誰もこなくて寂しい思いをしている避難所に炊き出しに出向きたい」と提案。自ら現地のボランティア団体に直接連絡を取ってこぎつけたという。
「実は当初、長州さんが炊き出しを希望していた日は、他のボランティア団体の予定が入っていたんですが、原発の風評被害からか、この団体が突然キャンセル。それを知った長州さんが『お前ら、逆の立場だったらどう思うんだ? ガッカリするだろ? 現地で暖かい食事を楽しみにている人達をアレさせるわけにはいかない』とふたつ返事で応じたと聞いています」(関係者)
山口県出身で、大学は東京。にも関わらず、長州氏を突然の極秘炊き出しへと駆り出したものは一体、何だったのだろうか?
「現在、藤波辰巳さん、初代タイガーマスクさんと一緒に立ち上げたレジェンドというプロレスイベントの実行委員長のご家族が被災されるなど、身近な人間が何人も被災されているんです。また今回の福島をはじめ東北地方はプロレスのサーキットでよく行ってましたし、いつも居心地のいい暖かさで優しく迎えてくれた場所のようで、『長州力という名前を育ててもらった恩返しをしないといけない』と本人は語ってました。そんなわけで居てもたってもいられなくなったんでしょう。長州は一度、行くといったらきかないんですよ。本当は2週間くらい各地を回りたいみたいでしたけど。」(マネージャー氏)
そこで、長州氏を直撃した。
――極秘炊き出しの真意を教えてください。
「福島をはじめ東北の人は温かい人が多くてね。昔からだいぶ世話になってるんで、その恩返しをするのは当たり前。料理を作ってアレしただけだぞ。何も特別なことしたわけじゃない。いちいち大げさなんですよ(ギスギス)。それに俺から言わせてもらうとハッキリ言って1日なんかじゃ何も出来ないんですよ、そんなもん。またアッチ(被災地)に戻って暖かいアレ(食事)ものを食べさせてあげたいと思いますよ。「肉を食べるのは久しぶりだ」というおじいさんの声がアレ(印象的)だったよね。こういう時こそ肉なんですよ、うん。」
――なぜマスコミにも明かさず名前も名乗らなかったのですか?
「被災者の気持ちに立って考えてごらん。そんなもん必要か?マスコミを連れて行くのは俺の役割じゃないですよ。暖かいものを食べてもらえるだけでよかったんですよ。あと、これは自分の仕事以外のことだろ?俺の仕事はプロレスなんだよ。そのプロレス一本で「長州力」という名前を築いてきたプライドが自分にはあるよね。それは間違いなくあるよね。プロレス以外のことで紙面を飾りたいなんか全く思わないですよ。しかも別に大したアレ(活動)をやっているわけではないから。」
――ツイッターで「名乗るほどのもんじゃありません男」と、話題になっていることについてどう思われますか?
「何をトボけたことを(ギスギス)。そんなもん普通アレ(名乗る)する必要なんかあるのか?なぁ?でもアレだろうな。本当に「名乗るほどのものではございません男」と呼ばれるべき人は現地に行けばもっと沢山いますよ。毎日復興に向けて一生懸命働いてる人たちですよ。そういう人達にもっと目を向けるべきじゃないのか?自分は1日行っただけだからな。そんなことを言われるような仕事なんか全くしてませんよ。しかも自分はそんなキャラじゃないし、そんなキャラなんか必要ないですよ、あぁ。」
この後、炊き出しのことを聞かれるのが急に照れくさかったのか、突然、キレだして追い払われてしまったが、またしても長州力の懐の広さを痛感させられた。